
「故郷に錦を飾る」の対義語は?
「故郷に錦を飾る」とは出世して晴れやかに故郷に帰ること。そんな「故郷に錦を飾る」と反対の意味とはどのような言葉になるでしょうか。ここでは対義語を確認していきます。
「衣繡夜行」
「衣繡夜行」は「いきんやこう」と読む四字熟語で、“せっかく出世や成功をしても誰にも知ってもらえないこと”のたとえとして用いられる言葉です。
「繡」とは「錦」のことで、「繡(しゅう)を衣(き)て夜(よる)行く」と訓読みします。中国の『史記』項羽(こうう)伝で項羽が「富貴な身分になっても故郷に帰らないのは、錦の服を着て夜歩くようなものだ」と述べたことが由来で、「暗い夜に華やかな衣装を着ても誰にも気付いてもらえない」ことから転じてこのような意味の言葉になりました。
語源を見ると、そもそもが「故郷に錦を飾る」の反対の言葉として生まれたことがわかるでしょう。まさに対義語のひとつと言えます。
「to return home loaded with honours」
「to return home loaded with honours」は「名誉をともなって故郷に戻る」という意味で、「故郷に錦を飾る」の英語訳として用いられる表現です。
「honour」は“名誉”という意味の単語で、「loaded with~」は“~が詰まっている”などを意味します。そのため「故郷に錦を飾る」の内容を適切に表したい場合はこの表現を用いると良いでしょう。
「故郷に錦を飾る」を使いこなそう
この記事では「故郷に錦を飾る」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「故郷に錦を飾る」は語源は古いものの、言い回しも多く今もよく使われる言葉です。時代が変わって技術が進歩しても、自分の故郷に愛着を抱き恩返ししたいという気持ちは、多くの人に共通してみられる感情なのでしょう。
ひとまわり大きくなった姿を故郷に見せられるような、そんな成長ができるよう努めたいものですね。