
「故郷に錦を飾る」の使い方・例文
「故郷に錦を飾る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.あのバンドグループは故郷に錦を飾ることを目標に努力を重ね、ついに記録的な売上げで地元の凱旋ツアーを成功させた。
2.いつか化学のノーベル賞をとって故郷に錦を飾りたい。そのためにも今はラボで実験を重ね情報を集め、過程を大事にしよう。
3.チームリーダーとしてプロジェクトを成功させれば昇進が確実となる。故郷に錦を飾るためにも気は抜けないと、彼は全体の進捗を念入りに確認していた。
4.悪性腫瘍細胞に関する彼の研究論文は多くの患者を救った。この功績は国からも表彰され、彼は故郷に錦を飾ったと言えるだろう。
進学や就職で地元を離れても、いつか立派な姿で故郷に戻りたい、と思う人も少なくないでしょう。そのため通常、1~3の例文のように目標として掲げる場面や、4の例文のように第三者を対象に名誉をたたえて誇りに思うような状況で用いることが多い用語です。
また、「故郷に錦を飾る」は“地元に帰る”意味も含んでいます。そのため、故郷を離れていることが前提です。ふるさとを離れずに名誉なことがあっても、その場合はこの言葉を用いることはできないので注意しましょう。
「衣錦之栄」
「衣錦之栄」とは「いきんのえい」と読む四字熟語。「錦(にしき)を衣(き)るの栄(えい)」と読み下し、華やかな衣装を着て故郷に戻ることが転じて、出世して故郷へ帰ることを指します。つまり「故郷に錦を飾る」と同義の言葉と言えるでしょう。
その他、ほぼ同じ意味の四字熟語に「衣錦還郷(いきんかんきょう)」があります。こちらは「錦(にしき)を衣(き)て郷(きょう)に還(かえ)る」と読み下しますが、違う言葉を使っていても示す内容はまったく同じです。関連語句として覚えておくといいでしょう。
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