「雲蒸竜変」の使い方・例文
「雲蒸竜変」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・ずっと日の目が当たらないまま地道に努力を続けていた彼が、その能力を認められて結果を出したことに、みんなは雲蒸竜変だととても喜んだ。
・独自のネットサービスで今や大人気となったあの書店だが、オープン当時は試行錯誤の連続で、雲蒸竜変の活躍が出来るなんて思っていなかった、とは社長の談である。
・あのベンチャー企業は雲蒸竜変ともてはやされているが、時運に恵まれただけでなく、社長の冷静な判断力も重要だったことはあまり理解されていない。
「実力者が、機会を得て活躍すること」のイメージがつきますでしょうか。先にも述べたように、大切なのはこの「機会を得る」ことです。ただ活躍しただけではなく、下積み期間があったり、素晴らしいタイミングに恵まれたというニュアンスが必要になるでしょう。
また同様に「英雄や豪傑が活躍する」の意味もありましたね。現代的に言えば、英雄=実力のある人、などと言い換えてもいいでしょうか。普通の人がタイミングよく活躍できたということでもありません。もともとの才能や実力のある人でなければ、と考えるとなかなか厳しい言葉かもしれませんね。
しかし、努力や行動は誰にでもできるもの。語源で紹介した人物達が評価されたポイントも「生きてさえいればまた活躍できるだろう」という考え方です。希望を捨てず、常日頃からの努力を忘れないことが重要だという想いが込められている言葉なのかもしれませんね。
例文ではあえて人物以外にも使っていますが、その背後には、やはり英雄的に活躍した人物がいるという意味合いにもなるでしょう。
「飛竜乗雲」「蛟竜雲雨」
「飛竜乗雲(ひりゅうじょううん)」も「蛟竜雲雨(こうりゅううんう)」も、「英雄たちが、機会を得て大きな活躍をする」という意味の四字熟語です。前者は『韓非子』、後者は『三国志』をそれぞれ由来としています。
「飛竜」が「雲に乗る」はわかりやすいですね。一方「蛟竜」とは「水の中に棲む伝説上の生き物」のことで「実力を発揮できない英雄」を指すことも。それが雲や雨に乗って天に昇り、竜になるという流れなのです。
「竜」を使った言葉のバリエーションが豊富なのも面白いところ。当時の人々が英雄を竜に例え、その活躍を称えていたということがよくわかります。もし知らない四字熟語で「竜」という漢字が使われていたら、英雄についての記述ではないかと推測してみるのもいいでしょう。
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