この記事では「天災地変」について解説する。

端的に言えば「天災地変」の意味は「自然界によって起こる災害」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「天災地変」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「天災地変」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「天災地変」の意味・使い方を見ていきましょう。

「天災地変」の意味は?

「天災地変」には、次のような意味があります。

自然界の変動によって起こる災害や異変。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「天災地変」

「天災」とは、台風や雷、地震や洪水など自然現象によってもたらされる災害のこと。「地変」とは文字通り、地面に起こる変異のことです。火山の噴火や地震、地面の沈下などを想像するとよいでしょう。「天災地変」は、自然界によってもたらされる変化、全ての災害を差しているといえます。

「天災地変」によって受けた被害は不可抗力であり、どのような対策を講じても防げるものではありません。そのため、災害によって建物に大規模な損害を受けたとしても、売主に対して瑕疵だと責任を問うことができない場合が多いです。だからこそ、保険に加入して万が一に備える必要があるといえますね。「天災地変」の意味を知らないと、契約する際に不利になってしまうかもしれません。書面で「天災地変」を見かけたら、注意深く補償内容を確認しておくとよいでしょう。

「天災地変」の使い方・例文

「天災地変」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「天災地変」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.天災地変によって土地や建売住宅に亀裂が入った場合、火災保険が適用できるか確認しておこう。

2.全国で起こっている天災地変は、大震災の前触れだろうか。

3.条約では、天災地変と戦乱は免責事由になっているはずだ。

「天災地変」は、滅多に起こるものではないので、日常会話ではあまり使いません。使われる場面としては、保険や不動産売買の契約書、もしくはニュースなどでしょう。自然界のあらゆる災害を「天災地変」で表すことができるため、法律を改正する際にもよく用いられています。よく聞くというよりは、目にすることが多い四字熟語といえますね。

住宅購入を考えているならば、契約書を交わす場面が必ずあるはずです。分かりにくい言葉が並んでいるからと、読み流してはいけません。近年では、自然災害が増加傾向にあるため、法令や規定も大きく変わりつつあります。「天災地変」という四字熟語を見かけたら、自分自身や家族を守るためにも、契約条項に注目してみてください。

「天災地変」の類義語は?違いは?

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では、「天災地変」の類義語や違いをみていきましょう。

「天変地異」

「天変地異(てんぺんちい)」は、自然界に起こる異変のこと。「天変」とは、天空に起こる変化のことで、暴風や雷、日食なども含まれます。「地異」とは、地面に起こる変化のことで、地震や津波、洪水や噴火などと差していると考えてください。天と地、両方を差しているため、自然界のあらゆる変化を「天変地異」で表すことができます。

「天災地変」とほぼ同じ意味ではありますが、違いといえば「災害」が含まれていないことでしょう。「天変地異」は、あくまで異変のみ。自然界によって起こる災害を表したい時は「天災地変」になります。混同しないように注意しましょう。

「自然災害」

「自然災害」は、よくニュースなどで耳にするのではないでしょうか。「自然災害」とは、台風や地震、火山噴火などの自然現象によって起こる災害のこと。そもそも「災害」とは自然現象だけでなく、事故や疫病などによって受ける災いも含まれています。「災害」に「自然」を付け足すことによって、異常な自然現象によって起こる被害のみを差しているといえますね。「自然災害」は「天災」と表現することもあります。どちらも同じ意味になりますので、使いやすい方を選ぶとよいでしょう。

\次のページで「「天災地変」の対義語は?」を解説!/

「天災地変」の対義語は?

では、次に「天災地変」の対義語をみていきましょう。

「人為災害」

「人為(じんい)災害」は、人が自然に手を加えたことが原因で起こる災害のこと。自然破壊や環境汚染などが「人為災害」といえるでしょう。都市部に人が集中することで空気が汚れ、水質が悪くなりますよね。ひどくなれば、健康被害が発生してしまう可能性があります。そのような災害は、自然現象では絶対に起こりません。原因を明らかにするためにも「自然災害」ではなく「人為災害」と分けて表現するようになりました。

ほかにも、「人為災害」は管理不足も含まれています。たとえば、建物の施工ミス、ずさんな管理によって建物自体に問題があったとしましょう。本来であれば、多少の地震では影響がないはずなのに、建物が倒壊してしまいました。これは「天災地変」でなく「人為災害」といえますね。

「人災」

「天災」の対義語は「人災」になります。意味は「人為災害」とほぼ同じ。「人災」とは、人間の不注意や怠慢によって起こる災害のこと。不測の事態に備えて、しっかりとした対策を講じていれば避けられた災害のことを差します。管理や工程を怠っていなければ、被害を防げたかもしれません。「人災」だと言われる事故は、ニュースで大きく取り上げられる場合が多いです。「人災」という言葉を見かけたら、一体なにが原因だったのか、ぜひ注目してみてください。

「天災地変」の英訳は?

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では、「天災地変」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「natural disaster」

「natural disaster」は「天災地変」というよりは「自然災害」を英訳したものになります。「natural」とは「自然の」や「自然界の」という意味。「disaster」は「災害」や「大惨事」という意味になります。直訳すると「自然界の災害」という意味なので、「天災地変」として使うことができるでしょう。

\次のページで「「act of providence」」を解説!/

「act of providence」

act of providence」は「天災地変」というよりは、「不可抗力」や「天災」に近い意味になります。「act」は「行為」や「行い」という意味。「providence」は「摂理」や「神」という意味になります。「摂理」とは、自然界を支配している法則のこと。すなわち「天災」は「神の行い」でもあるということでしょう。「天災」は、自然現象によってもたらされる災害のことですから、「act of providence」を「天災地変」として使うことができます。

「天災地変」を使いこなそう

この記事では「天災地変」の意味・使い方・類語などを説明しました。「天災地変」は、漢字の並びからして意味が想像しやすい四字熟語です。天の災いによって地上が変化していくわけですから、「天災地変」は不可抗力といえるでしょう。しかし、近年は科学の進歩によって被害を最小限に抑えることができるようになってきました。「天災地変」に対応できるようになった反面、「人為災害」と呼ばれる災害が増えてきたことも事実です。

建物は修理できても、管理不足によって失われた命は二度と戻ってきません。当たり前の日常を守るためにも、個人が防災意識を持つことも大切なはずです。たまには「天災地変」を使って、家族で防災について話し合ってみてはいかがでしょうか。

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【四字熟語】「天災地変」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「天災地変」について解説する。

端的に言えば「天災地変」の意味は「自然界によって起こる災害」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「天災地変」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「天災地変」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「天災地変」の意味・使い方を見ていきましょう。

「天災地変」の意味は?

「天災地変」には、次のような意味があります。

自然界の変動によって起こる災害や異変。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「天災地変」

「天災」とは、台風や雷、地震や洪水など自然現象によってもたらされる災害のこと。「地変」とは文字通り、地面に起こる変異のことです。火山の噴火や地震、地面の沈下などを想像するとよいでしょう。「天災地変」は、自然界によってもたらされる変化、全ての災害を差しているといえます。

「天災地変」によって受けた被害は不可抗力であり、どのような対策を講じても防げるものではありません。そのため、災害によって建物に大規模な損害を受けたとしても、売主に対して瑕疵だと責任を問うことができない場合が多いです。だからこそ、保険に加入して万が一に備える必要があるといえますね。「天災地変」の意味を知らないと、契約する際に不利になってしまうかもしれません。書面で「天災地変」を見かけたら、注意深く補償内容を確認しておくとよいでしょう。

「天災地変」の使い方・例文

「天災地変」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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