端的に言えば悲憤慷慨の意味は「社会の不正や自らの運命に憤慨し、嘆き悲しむこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「悲憤慷慨」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ナガタ ナミキ
外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。
「悲憤慷慨」の意味は?
「悲憤慷慨」には、次のような意味があります。
運命や社会の不正などを憤って、悲しみ嘆くこと。▽「悲憤」は悲しみ憤ること。「慷慨」は「憤慨」と同じ。憤り嘆く意。「慷慨悲憤こうがいひふん」ともいう。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「悲憤慷慨」
[名](スル)世情や自分の運命などについて、憤慨し、嘆き悲しむこと。「不正の横行を悲憤慷慨する」
出典:大辞泉(小学館)「悲憤慷慨」
「悲憤慷慨」とは、自らの悪い運命や社会の不正などに対して憤りをおぼえ、嘆き悲しむことです。語源の項でもご紹介しますが、使われている漢字からも強い「悲しみ」や「怒り(憤り)」を感じる四字熟語といえるでしょう。
たとえば政治家が不正を行ったり、会社で上司から理不尽な扱いを受けた場合に「悲憤慷慨する」ということができます。自分の失敗などによって気分が落ち込んだり悲しくなることもありますが、このような自己責任の範疇による怒りや悲しみに対しては「悲憤慷慨」は使われません。
※熟語を並べ替えて「慷慨悲憤(こうがいひふん)」と表記されることもありますが、意味は同じです。
\次のページで「「悲憤慷慨」の語源は?」を解説!/