この記事では「綺麗」について解説する。

端的に言えば「綺麗」の意味は「色や形などが華やかで美しいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で5年間のライター経験を持つEastflowerを呼んです。一緒に「綺麗」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

語学好きで英語、中国語が得意な5年目のライター。今回の熟語「綺麗」は普段、日常的に使われる用語であるからこそ使い方の幅も広く、言葉の起源を含めて、どんな場面で使えるのかを解説していく。

「綺麗」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「綺麗」(きれい)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「綺麗」の意味は?

「綺麗」には、次のような意味があります。

1. 色・形などが華やかな美しさをもっているさま。「―な花」「―に着飾る」
2. 姿・顔かたちが整っていて美しいさま。「―な脚」「―な女性」
3.声などが快く聞こえるさま。「―な発音」
4.よごれがなく清潔なさま。「手を―に洗う」「―な空気」「―な選挙」
5.肉体的な交渉がないさま。純潔。「―な関係」
6. 乱れたところがないさま。整然としているさま。「机の上を―に片づける」
7.(「きれいに」の形で)残りなく物事が行われるさま。すっかり。「―に忘れる」「―にたいらげる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「綺麗」

「綺麗」は「名詞」「形容詞」「副詞」「動詞」多くの品詞に使えることばです。

抽象名詞として使う場合は、「綺麗さ」になり、形容詞の場合は「綺麗な」、副詞の場合は「綺麗に」、動詞の場合は「綺麗になる」といろいろな使い方のできる単語ですね。

視覚を通して外見において「華やかな美しさ」「整った美しさ」「容姿やボディの美しさ」が感じられる場合に発せらる言葉で、「人」に対しても「物」に対しても「風景や自然」「色」に対しても「綺麗」と表現することができるんです。

聴覚を通して感じた音楽の調べなどの美しさ、例えば、「綺麗な曲」のようにも使えますね。

また、「整然と精巧に並んでいる状態」「肉体交渉がないプラトニクックな関係」にも「綺麗」は使えますが、習慣的にひらがなの「きれい」を使う場合も多いようです。また「キレイ」とカタカナが使われる場合も少なくありません。

水やアルコールなどにおいて「不純物がなく、混ざり気のない状態」にも使われますが、こちらもひらがなの「きれい」が使われる場合の方が多いかもしれません。

「綺麗」の語源は?

次に「綺麗」の語源を確認しておきましょう。

「綺麗」の「綺」の文字は、中国では古くは戦国時代(紀元前5世紀)から使われていて、織物の名称のひとつでした。日本でも、奈良時代(700年代)には使われていた文字で「かんはた」と発音され、帯や紐(ひも)に使われる絹織物を指す言葉でした。

「麗」の方は、もともと、美しい角(つの)がそろった雄の鹿(しか)を表現した象形文字であり、「うるわしい」「連なる」などを表現する文字として発展していきました。

「綺麗」という言葉はしばしば「奇麗」とも書かれ、意味としてはどちらも同じですが、戦後、常用漢字の改訂の際に「綺」の文字は常用漢字から外れたため、小説や特別な場合を除いて「奇麗」が使われるようになりましたが、最近では「綺麗」の文字の方を見る場合も多くなったような気がしますが、皆さんはどうお感じになられますか?

\次のページで「「綺麗」の使い方・例文」を解説!/

「綺麗」の使い方・例文

「綺麗」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私も20歳を超えたのだから「可愛い」ではなく「綺麗な女性」として褒められたい。

2.この着物は、色の点でも柄の点でも鮮やかで、誰が見ても「綺麗」ですね。

3.昨日通りを通ったら、あのビルの3階から「綺麗な」歌声が聞こえました。

4.もうすぐ仕事のお客さんが来るから、テーブルの周りを「綺麗に」しておいて。

5.この川の水は透明で「綺麗」ですね。

「綺麗」は「人」「物」「声」「整った様子」「水の透明度」と多くの対象に対して使えるのです。

「綺麗」の類義語は?違いは?

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「綺麗」には、たくさんの類義語があり、辞書でもいろんな関連の言葉を探せますがここでは、代表的なものをご紹介しましょう。

「美しい」

「美しい」(うつくしい)は、「綺麗」とほとんど同じ意味で使われる言葉です。名詞では「美しさ」形容詞では「美しい」副詞では「美しく」動詞では「美しくなる 美しくする」となります。「美しい」も綺麗と同様に「人」「物」「風景」の他「人の心の状態や水の透明度」などを形容できる使用範囲が非常に広い言葉であり、老若男女だれでもが使える言葉です。

\次のページで「「華麗」」を解説!/

「華麗」

「綺麗」や「華麗」(かれい)の「麗」(れい)は「形が整ってうるわしい」ことを意味する漢字であり、「華麗」も美しさを表している点で、「綺麗」や「美しい」などの言葉の類義語と言えるでしょう。しかし、若干、ニュアンスは異なり、「華麗」は特に華やかな美しさを強調したい場合に使われます。「華麗」は、どちらかと言うと静的な美しさよりも躍動感のある美しさを表現したい場合に使われるのです。「この花は綺麗だ」や「この花は美しい」はよく聞く表現ですが、「この花は華麗だ」とはあまりききません。もちろん「この花は華麗だ」と言われた場合に意味は十分通じるでしょうし、聞き手側はこの表現をした人は多分花の中に「鮮やかで華やかな美しさ」を感じたのだろうと思うことでしょう。

「綺麗」の対義語は?

それでは対義語を見ていきましょう。

「汚い」

「綺麗」は、使われる対象が広いため対象物によっては「綺麗」の対義語が異なって来る場合もありますが、色や形、あるいは整然とした状態に対して使われる場合の対義語は、「汚い」(きたない)が適切でしょう。
「汚い」は汚れていて触れたくないと思わせるような状態や不潔な状態、あるいは部屋が乱れて整頓されていない状況などに対して使われますね。

「醜い」


「醜い」(みにくい)は、容姿が崩れていたり歪んでいたりして標準的なものよりも劣悪になっている場合や、見て不快感、嫌悪感を感じさせるような形や状態に「綺麗」の対義語として使われる言葉です。
また、性格や考え方、行動などが模範とされる状態からかけ離れていると感じさせるような場合にも使われてますね。例をひとついえば、「遺産相続を巡る家族間の醜い争い」のように使われます。

「不純な」

「綺麗」は、混じり気のない純度が高いものや純粋な状態にも使われます。このような意味で「綺麗」が使われた場合には、「不純な」が対義語になるでしょう。「不純」とは純粋でない状態、純真の状態でないという意味であり、けがれていて、混じりけのあることを意味します。

「綺麗」の英訳は?

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次に英語で表現する場合に「綺麗」はどんな言葉になるのでしょうか?

\次のページで「「Beautiful」」を解説!/

「Beautiful」

「綺麗」と最もぴったりとくる英語は「Beautiful」です。
「Beautiful」は「綺麗な」という名詞を修飾する形容詞ですが、名詞「綺麗さ」という意味では「Beauty」になり、「綺麗に」という動詞を修飾する副詞としては、「Beautifully」になります。
いくつか簡単な例文をご紹介しましょう。

1.I was attracted by her beauty.
(わたしは彼女の綺麗さに魅了されました。)

2.She is the most beautiful women I have ever seen.
(彼女はわたしが今まで出会った中で最も綺麗な人です。)

「Clean」

漢字の「綺麗」よりも ひらがなの「きれい」が使われるのが比較的多いのが「部屋をきれいにする」や「きれいな選挙」というように使う場合の「綺麗」です。
このケースの「綺麗」を英語で表現すると「Clean」になります。副詞として使う場合には、「Clean」の後ろに「Ly」をつけて「Cleanly」になりますね。
それではいくつか例文を見て見ましょう。

1.I asked her to wash my T-shirt cleanly.
(私は彼女にTシャツをきれいに洗ってくれるようにたのんだ。)

2.The room in the Hotel which was constructed newly was clean.
(新しく建てられたホテルの部屋は綺麗だった。)

「綺麗」を使いこなそう

この記事では「綺麗」の意味や使い方や類義語などを説明してきました。「綺」は元々絹織物を指す言葉で、「麗」の方は美しい角(つの)がそろった雄の鹿(しか)を表現した象形文字を起源として「うるわしい」という意味で使われてきたのです。現在は、「美しい」と同様な意味で使われていますね。

「綺麗」は人だけでなく、物や風景、状態の形容にも使われます。「この山は美しい」と思ったとき、率直にに言葉を発することができますが、異性に対して「あなたは美しい」と言うのは、なかなか勇気のいることではないでしょうか?どうしても、この言葉の中には「あなたがスキだ」とか「あなたと付き合いたい」など美しいことを表現する以外にも別の目的を含む場合もあり、あなたが実際に美しい女性だと感じたとしてもなかなか言いにくい言葉でもあるかもしれません。「あなたは美しい」と言うよりも「あなたは可愛い人だ」と言う方が言いやすいように感じるのですが、皆さんはいかがですか?

英語に限らず、いろいろな言語で「綺麗」の表現を覚えておくと外国人とのつきあいが多くなった現在、相手の共感を得られやすい言葉ですし、相手に知的なイメージを与えることも多いことでしょう。

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国語言葉の意味

簡単でわかりやすい!「綺麗」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターが詳しく解説!

この記事では「綺麗」について解説する。

端的に言えば「綺麗」の意味は「色や形などが華やかで美しいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で5年間のライター経験を持つEastflowerを呼んです。一緒に「綺麗」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

語学好きで英語、中国語が得意な5年目のライター。今回の熟語「綺麗」は普段、日常的に使われる用語であるからこそ使い方の幅も広く、言葉の起源を含めて、どんな場面で使えるのかを解説していく。

「綺麗」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「綺麗」(きれい)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「綺麗」の意味は?

「綺麗」には、次のような意味があります。

1. 色・形などが華やかな美しさをもっているさま。「―な花」「―に着飾る」
2. 姿・顔かたちが整っていて美しいさま。「―な脚」「―な女性」
3.声などが快く聞こえるさま。「―な発音」
4.よごれがなく清潔なさま。「手を―に洗う」「―な空気」「―な選挙」
5.肉体的な交渉がないさま。純潔。「―な関係」
6. 乱れたところがないさま。整然としているさま。「机の上を―に片づける」
7.(「きれいに」の形で)残りなく物事が行われるさま。すっかり。「―に忘れる」「―にたいらげる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「綺麗」

「綺麗」は「名詞」「形容詞」「副詞」「動詞」多くの品詞に使えることばです。

抽象名詞として使う場合は、「綺麗さ」になり、形容詞の場合は「綺麗な」、副詞の場合は「綺麗に」、動詞の場合は「綺麗になる」といろいろな使い方のできる単語ですね。

視覚を通して外見において「華やかな美しさ」「整った美しさ」「容姿やボディの美しさ」が感じられる場合に発せらる言葉で、「人」に対しても「物」に対しても「風景や自然」「色」に対しても「綺麗」と表現することができるんです。

聴覚を通して感じた音楽の調べなどの美しさ、例えば、「綺麗な曲」のようにも使えますね。

また、「整然と精巧に並んでいる状態」「肉体交渉がないプラトニクックな関係」にも「綺麗」は使えますが、習慣的にひらがなの「きれい」を使う場合も多いようです。また「キレイ」とカタカナが使われる場合も少なくありません。

水やアルコールなどにおいて「不純物がなく、混ざり気のない状態」にも使われますが、こちらもひらがなの「きれい」が使われる場合の方が多いかもしれません。

「綺麗」の語源は?

次に「綺麗」の語源を確認しておきましょう。

「綺麗」の「綺」の文字は、中国では古くは戦国時代(紀元前5世紀)から使われていて、織物の名称のひとつでした。日本でも、奈良時代(700年代)には使われていた文字で「かんはた」と発音され、帯や紐(ひも)に使われる絹織物を指す言葉でした。

「麗」の方は、もともと、美しい角(つの)がそろった雄の鹿(しか)を表現した象形文字であり、「うるわしい」「連なる」などを表現する文字として発展していきました。

「綺麗」という言葉はしばしば「奇麗」とも書かれ、意味としてはどちらも同じですが、戦後、常用漢字の改訂の際に「綺」の文字は常用漢字から外れたため、小説や特別な場合を除いて「奇麗」が使われるようになりましたが、最近では「綺麗」の文字の方を見る場合も多くなったような気がしますが、皆さんはどうお感じになられますか?

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