平成現代社会

5分でわかる「氷河期世代」特徴・背景・影響は?元大学教員がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。「氷河期世代」とは、バブル崩壊により企業の採用率が下がり、正社員として就職できない人数が増えた世代のこと。現在も非正規雇用の人が多いため経済格差は深刻だ。最近は、政府が能力開発の機会をつくる、中途採用を推進するなどの支援を行っている。

キャリアを積む機会を得られなかった「氷河期世代」の問題を解決しなければ社会的影響も大きい。そこで現代社会に詳しいライターひこすけと一緒に問題の概要を解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/ひこすけ

文化系の授業を担当していた元大学教員。大学卒業のあと就活に苦労した「氷河期世代」でもある。ニュースやメディアで取り上げられるたび、「氷河期世代」は不適格なイメージが強くなり、微妙な立場になっていると感じる今日この頃。そのような世代が生まれた背景や関連するできごとをまとめてみた。

不況突入により就職難にみまわれた「氷河期世代」

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1991年ころから目立ち始めた景気が後退。バブル崩壊と言われる不況が到来します。それにより企業の倒産や事業縮小が相次ぎました。その結果、ちょうど大学卒業のタイミングにあった世代は就職難に見舞われます。

バブル崩壊から新卒者の募集が減少

バブル崩壊により、地価の下落、金融機関の破綻、貸し渋りなどが多発。企業はさまざまな領域から撤退をはじめます。その結果、企業は新規雇用を控えるようになり、氷河期世代はそのあおりを受けました。

人材派遣サービス会社の参入により非正規雇用がすすむ

バブル崩壊後、規制緩和により新しく参入してきたのが人材派遣サービス会社。そこで雇用された人が派遣スタッフとして企業などに就業するという、新しい働き方が生まれました。

その結果、一時的に就職率は向上するものの、不安定な非正規雇用を増やすことになりました。派遣スタッフとして20代を過ごした若者は正規雇用にすすむことが困難に。転職を繰り返しながら40代を迎えることになります。

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今でこそ当たり前になった「派遣」だが、氷河期世代が就職活動を始める時期に登場した。日本ではじめて登場したサービスのため、どのような影響を与えるのかまったく見通していなかったのだろう。

ポストドクターが増加した「氷河期世代」

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就職活動が難航したこともあり、大学を卒業したあとそのまま大学院に進学する氷河期世代が増加。しかし、博士号を取得して大学院を修了したものの就職先が見つからない「ポストドクター問題」が発生します。

就職活動が難航して大学院に進学

大学院に進学したあとの氷河期世代は、文系・理系を問わず、自分の専門分野の研究を深めていきます。修士課程を終えたあと、就職をせずに博士課程に進む人も少なくありませんでした。

少子高齢化により大学入学者の数が減少するなか、それを補うために日本各地では大学院が続々と設立。「院卒」は特別な学歴ではなくなっていきます。そのため大学院を出たから研究者となれる時代ではなくなりました。

博士号取得後に就職難に見まわれる

企業に就職しようと思っても、一部の研究職を除くと博士号取得者は敬遠される傾向が。また、大学の教員のポストはそれほど多くありません。スムーズに就職先が見つかる博士号取得者はほんの一握りでした。

博士号を取得しているにもかかわらず正規雇用が見つからない「ポストドクター問題」が表面化。博士号を持っているにもかかわらず、非常勤教員をする、家庭教師のアルバイトをするポスドクが増えてしまったのです。

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せっかく専門的な知識を身につけても、それを生かす場所がないのが「ポスドク」だ。今でも氷河期世代のポストドクター問題は未解決のまま。これから何か対策がなされるのか注目したいな。

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hikosuke