この記事では「肉を切らせて骨を断つ」について解説する。

端的に言えば肉を切らせて骨を断つの意味は「自分も痛手を受けるが、それ以上に相手に打撃を与える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「肉を切らせて骨を断つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「肉を切らせて骨を断つ」の意味や語源・使い方まとめ

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「肉を切らせて骨を断つ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり聞きなれないことわざですが、武道などで用いられるものになります。

それでは早速「肉を切らせて骨を断つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「肉を切らせて骨を断つ」の意味は?

「肉を切らせて骨を断つ」には、次のような意味があります。

1.自分も痛手を受ける代わりに、相手にそれ以上の打撃を与える。捨て身で敵に勝つ。

出典:goo辞典「肉を切らせて骨を断つ」

「肉を切らせて骨を断つ」は、自分もダメージを受けることを覚悟した上で、それ以上のダメージを相手に与えるという事を意味しています。

「肉」というのは、自分の身、つまり自分の肉です。「骨」は、相手の身であり相手の骨を指しています。

『捨て身で敵に勝つ』という意味もあるように、命を捨てる覚悟を持って臨んでこそ、成功するという例えでもあるのです。

多くは、自分よりも強い相手と対戦する際に、使われます。

「肉を切らせて骨を断つ」の語源は?

次に「肉を切らせて骨を断つ」の語源を確認しておきましょう。

「肉を切らせて骨を断つ」は、もともと剣道で使われている言葉でした。『皮を斬らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を断つ』という表現で、強敵を倒すための心構えや極意を示していたのです。そして現在では、後半部分の「肉を斬らせて骨を断つ」のみ、剣道だけでは一般的に使われるようになりました。

「肉を切らせて骨を断つ」というのは、”自分の身(肉)を相手に切らせ、その後で相手の骨を切る”という状況をイメージできますね。県道では、精神面や相手の動きを読むことで勝敗が変わるため、真剣での立ち合いをする際の心得だったのです。

また、忠告の伝奇歴史小説である「四大奇書」の1つ、「水滸伝(すいこでん)」にも戦略として登場します。

\次のページで「「肉を切らせて骨を断つ」の使い方・例文」を解説!/

「肉を切らせて骨を断つ」の使い方・例文

「肉を切らせて骨を断つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.肉を切らせて骨を断つというように、前半はあまりせめずに油断させ、後半に猛反撃する作戦でいく。

2.肉を切らせて骨を断つと言うが、今日の相手は強敵だ。肉でもなんでもくれてやれ!ただし、勝利だけは絶対に奪おう!

3.「肉を切らせて骨を断つ」に学び、中小企業が巨大市場に乗り込んだ。

「肉を切らせて骨を断つ」という言葉は、もともと剣道で使われていた事もあり、武道や戦いの場面でよく使われる言葉です。日常生活で使う機会が少なく、耳にする機会も少ないですね。

1つ目と2つ目の例文は、まさにスポーツなどの戦略として用いられているものです。

一方、3つ目はビジネスシーンで活用した例になります。ビジネスの取引においては、駆け引きや戦いに似た取引が行われる場合がありますね。そういったシーンでは、「肉を切らせて骨を断つ」という表現が使えます。

「骨を断たせて肉を切る」という逆の表現は、誤った使い方です。自分の骨を断たせてから相手の肉を切るのでは、相手よりも自分の方がダメージを負ってしまいます。間違えないように注意してくださいね。

「肉を切らせて骨を断つ」の類義語は?違いは?

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「肉を切らせて骨を断つ」の類義語としては、以下のようなものがあります。

・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
・死中に活を求める
・死中に活あり
・死中に生を求める

今回は、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」について、詳しく見ていきましょう。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は、自分の身(命)をかける覚悟で臨むからこそ、成功する場合もあるという例えです。格言に似たことわざですね。

ピンチに追い込まれた人を励ましたり、苦境に立たされた時に自分を奮い立たせたりする際に使われます。

具体的には、以下のように使えますよ。

・「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と言うし、諦めてはダメだよ。
・「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」ということわざがあるように、政治家にも捨て身の覚悟で頑張ってもらいたいものだ。
・「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」、自分を犠牲にする覚悟も時には必要だ。

語源は、江戸時代の「仮名草子」という説があります。江戸時代から同じような言葉や状況があったということですね。

「立つ瀬」という表現があるため、「身を捨ててこそ立つ瀬もあれ」と覚えている方もいますが、これは誤りです。立場という意味の「立つ瀬」は、「立つ瀬がない」という慣用句として用いられます。正しくは、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」ですので注意してくださいね。

「肉を切らせて骨を断つ」の英訳は?

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「肉を切らせて骨を断つ」を英語で表すと、「Lose a battle to win a war.」となります。直訳した時の意味は異なりますが、同じ意味を表す決まり文句です。詳しく見ていきましょう。

「Lose a battle to win a war.」

「Lose a battle to win a war.」とは、「戦いには負けても、戦争に勝つ」という意味です。日本でいう「肉を切らせて骨を断つ」ということわざと同じ意味で使われています。

「battle」というのは、ある地域で行われている戦いのことで、戦争よりも規模の小さい物を表しているのです。一方、「war」は”戦争”という意味で、より大規模な戦いを表しています。つまり、『小さな戦いに負けて、大きな戦いに勝つ』という意味です。

具体的には、「We will win the game at the end by losing a battle to win a war.(「戦いには負けても、戦争に勝つ」というように、最後にゲームに勝つのは私たちだ!)」というように使われます。

\次のページで「「肉を切らせて骨を断つ」を使いこなそう」を解説!/

「肉を切らせて骨を断つ」を使いこなそう

この記事では「肉を切らせて骨を断つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「肉を切らせて骨を断つ」は、剣道が由来となっているため、武道や戦いの場面で使われます。日常生活で耳にする機会は少ないですが、ビジネスのシーンでも活用されることがありますよ。ぜひ意味や使い方を覚えて、使ってみてくださいね。

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【慣用句】「肉を切らせて骨を断つ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「肉を切らせて骨を断つ」について解説する。

端的に言えば肉を切らせて骨を断つの意味は「自分も痛手を受けるが、それ以上に相手に打撃を与える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「肉を切らせて骨を断つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「肉を切らせて骨を断つ」の意味や語源・使い方まとめ

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「肉を切らせて骨を断つ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり聞きなれないことわざですが、武道などで用いられるものになります。

それでは早速「肉を切らせて骨を断つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「肉を切らせて骨を断つ」の意味は?

「肉を切らせて骨を断つ」には、次のような意味があります。

1.自分も痛手を受ける代わりに、相手にそれ以上の打撃を与える。捨て身で敵に勝つ。

出典:goo辞典「肉を切らせて骨を断つ」

「肉を切らせて骨を断つ」は、自分もダメージを受けることを覚悟した上で、それ以上のダメージを相手に与えるという事を意味しています。

「肉」というのは、自分の身、つまり自分の肉です。「骨」は、相手の身であり相手の骨を指しています。

『捨て身で敵に勝つ』という意味もあるように、命を捨てる覚悟を持って臨んでこそ、成功するという例えでもあるのです。

多くは、自分よりも強い相手と対戦する際に、使われます。

「肉を切らせて骨を断つ」の語源は?

次に「肉を切らせて骨を断つ」の語源を確認しておきましょう。

「肉を切らせて骨を断つ」は、もともと剣道で使われている言葉でした。『皮を斬らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を断つ』という表現で、強敵を倒すための心構えや極意を示していたのです。そして現在では、後半部分の「肉を斬らせて骨を断つ」のみ、剣道だけでは一般的に使われるようになりました。

「肉を切らせて骨を断つ」というのは、”自分の身(肉)を相手に切らせ、その後で相手の骨を切る”という状況をイメージできますね。県道では、精神面や相手の動きを読むことで勝敗が変わるため、真剣での立ち合いをする際の心得だったのです。

また、忠告の伝奇歴史小説である「四大奇書」の1つ、「水滸伝(すいこでん)」にも戦略として登場します。

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