端的に言えば切磋琢磨の意味は「学問や道徳に励みに励むこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「切磋琢磨」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/要
塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。
「切磋琢磨」の意味や語源・使い方まとめ
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四字熟語「切磋琢磨」は聞いたことがあっても、実際に使ったことがあるという方は多くありません。四字熟語は知っていても、使い方まではよくわからないですよね。
そこで今回は、「切磋琢磨」の意味や語源、使い方を見ていきましょう。
「切磋琢磨」の意味は?
「切磋琢磨」には、次のような意味があります。
1.学問や人徳をよりいっそう磨き上げること。
2.友人同士が互いに励まし合い競争し合って、共に向上すること。
「切」は獣の骨や角などを切り刻むこと。
「磋」は玉や角を磨くこと。
「琢」は玉や石をのみで削って形を整えること。
「磨」は石をすり磨く意。
出典:goo辞典「切磋琢磨」
「切磋琢磨」の「磋」は、「瑳」と書かれることもあります。どちらの漢字を使っても同じ意味になりますが、「切磋琢磨」という表現が一般的です。
「切磋琢磨」という四字熟語は、2つ目の”仲間同士で互いに励まし、競い合って、向上する”という意味で知られていますね。勉強や学問だけでなく、スポーツや仕事に対する姿勢を表現しています。
また、1つ目の”道徳や学問をより一層磨く”という意味も持っているのです。「切磋」と「琢磨」という言葉は、「学問や道徳、人格などを向上させる」という意味を持ちます。これらの言葉・漢字の意味により、「向上させる」という意味を強調しているのです。
「切磋琢磨」の語源は?
次に「切磋琢磨」の語源を確認しておきましょう。
「切磋琢磨」の語源は、孔子が編成したという中国最古の「詩経」と言われています。この一説には、「切するが如く磋するが如く琢するが如く磨する如し」という一文が登場するのです。これは、「骨を切り、象牙を磋ぎ、玉を琢ち、位置を磨く、というような精細な加工を行うこと。互いに探究・向上し合う事」を意味しています。
もともと「切磋琢磨」は、「材料を加工する際には、綿密さが求められる作業が必要」という事を表していました。これが転じて、現在の意味になったと言われています。
「切磋琢磨」の使い方・例文
「切磋琢磨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.切磋琢磨することで、世界の学会で認められることが出来た。
2.彼らと切磋琢磨したからこそ、優勝することが出来ました。
3.切磋する相手がいるからこそ、努力を続けることが出来る!
「切磋琢磨」は、「切磋琢磨する」という表現で使われることが多いです。
1つ目の例文は、「学問や道徳をより一層向上させる」という意味で用いられています。誰かと切磋琢磨するというよりは、1つの事を極めるという状況に使われることが多いです。
2つ目・3つ目の例文は、「仲間同士で高め合う」という意味で使われています。切磋琢磨し合った相手や、その結果などとともに使ってみましょう。
例文からもわかるように、何かを向上させる際には「向上させよう」というライバルがいる事がわかりますね。
・精錬する
・修行する
・鍛錬する
・鍛える
四字熟語でいえば、以下のようなもの。
・粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)
・砥礪切磋(しれいせっさ)
ここでは、四字熟語「砥礪切磋」について見ていきましょう。
「砥礪切磋」
「砥礪切磋」とは、『学問や人格を高めるために努力する』という意味があります。「言志録」が由来と言われているのです。
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