
「読書百遍」
もう一つの類義語には、「読書百遍(どくしょひゃっぺん)」があります。難解な文章でも繰り返し読んでいるうちに意味が自然とわかってくるという意味です。「百遍」は百回のことで回数が多いことを表しています。
「読書百遍」は、「読書百遍意自ずから通ず」という表現の略です。この表現は、中国の三国時代に魏(ぎ)の董遇(とうぐう)が弟子に読書の重要性を説いたときの話が『魏志(ぎし)』に残されています。
「熟読玩味」の対義語は?
次に、「熟読玩味」の対義語についての説明です。「熟読玩味」の対義語や関連する語はたくさんありますが、代表的なものを一緒に見ていきましょう。
「望文生義」
「熟読玩味」の対義語には、「望文生義(ぼうぶんせいぎ)」があります。意味は、文字の字面を見ただけで意味を深く考えず文章や語句の意味を勝手に解釈することです。また、「文を望みて義を生ず」と訓読します。
「望」は遠く見ることなので詳細に見る意識がないこと、「生」は生むということから無かったものを勝手に生み出したことがよくわかりますね。
「字引学問」
もう一つの対義語には、「字引学問(じびきがくもん)」があります。一つ一つの文字や言葉を知っているだけで活用することを知らない学問という意味です。
「字引」とは辞書のことなので調べたことはわかっているものの、考察したり、実際に自分に置き換えてみたり試してみたりということが不足しているということになります。「熟読玩味」のように本を読むときの言葉に限定している四字熟語ではありませんが、意味としてはちょうど反対になっていますね。
「reading carefully with appreciation」
「熟読玩味」の英訳には、「reading carefully with appreciation」があります。直訳すると「理解をもって注意深く読むこと」です。「appreciation」は「鑑賞」という意味もあるので「鑑賞や吟味する力をもって」というイメージでとらえるといいですね。
ほかには「giving a careful perusal」があり、直訳すると「注意深く熟読すること」です。「perusal」は「熟読、精読」という意味があります。
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