
端的に言えば熟読玩味の意味は「文章をよく読みじっくりと考えて味わうこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「熟読玩味」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「熟読玩味」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
それでは早速「熟読玩味」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「じゅくどくがんみ」です。意味のほか、語源や使い方まで幅広くチェックしていきますよ。
「熟読玩味」の意味は?
「熟読玩味」には、次のような意味があります。もとの意味もありますが、まずは基本的な意味から確実に見ていきましょう。
1.文章や物事の意味をよく考えて、じっくり味わうように十分理解すること。また、反芻(はんすう)してその道理を見極めること。
出典:四字熟語辞典(学研)「熟読玩味」
「熟読」は繰り返し読んだり詳しく読んだりすること、「玩味」は料理をよく味わって食べることを表しています。もともと「玩」の漢字は「もてあそぶ、あじわう」という意味です。
本や詩文を一度読むだけで終わるのではなく繰り返したり丁寧に読むこと、さらには、食べ物を味わうかのようにその内容や事柄についてよく考えることという意味合いにつながっています。
「熟読玩味」の語源は?
次に「熟読玩味」の語源を確認しておきましょう。
「熟読玩味」は、1187年に朱熹(しゅき)の指示のもと劉子澄(りゅうしちょう)によって編纂された『小学(しょうがく)』の嘉言に由来します。『小学』とは、中国の初等教育機関の教科書として使われたものです。
そこには、「『論語(ろんご)』や『孟子(もうし)』を読むときには、熟読してその意味をよく考え、聖人の言葉を自分に当てはめてみることが必要である」という内容が書かれています。「じっくり読んで、よく考えて、自分に当てはめる」ことが大切ということですが、昔も読むだけで貫属してしまう人が多かったからこその言葉なのかもしれませんね。
\次のページで「「熟読玩味」の使い方・例文」を解説!/