この記事では「金城鉄壁」について解説する。

端的に言えば金城鉄壁の意味は「守りが堅い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「金城鉄壁」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「金城鉄壁」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「金城鉄壁」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「金城鉄壁」の意味は?

「金城鉄壁」には、次のような意味があります。

非常に守りの固い城。また、非常に守りの固いこと。 「 -の構え」

出典:大辞林 第三版(三省堂)「金城鉄壁」

「金城鉄壁」は「きんじょうてっぺき」と読む四字熟語。文字通り金でできた城と鉄の壁のことを意味し、「金城」も「鉄壁」も非常に堅固な様子をたとえています。

そのため「金城鉄壁」とは、きわめて守りが堅く付け込むすきがないことを表す言葉です。

なお、非常に似た語句に「堅城鉄壁(けんじょうてっぺき)」という四字熟語があります。用いられている漢字は違いますが、指している内容は同様。そのため言葉の意味も“非常に守りの堅い様子”という意味で、ほぼ同義の言葉です。

「金城鉄壁」の語源は?

次に「金城鉄壁」の語源を確認しておきましょう。「金城鉄壁」は、中国の詩に由来する言葉です。

中国の詩人である徐積(じょせき)の詩、『和倪復(倪復に和す:げいふくにわす)』に「金城不可破 鉄壁不可奪」という一節があります。これが「金城鉄壁」の出典です。現代語訳で「金城は破ることができない、鉄壁は奪うことができない」となり、非常に守りが堅固で隙がないという「金城鉄壁」という四字熟語が生まれました。

\次のページで「「金城鉄壁」の使い方・例文」を解説!/

「金城鉄壁」の使い方・例文

「金城鉄壁」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.かつては金城鉄壁を誇ったであろう城も、今では見る影もない。
2.あのサッカーチームのディフェンスは金城鉄壁なことで有名だ。
3.この成績では金城鉄壁に見えた志望校も、先生のフォローと地道な勉強で見事合格し入学することができた。
4.一見すると彼のアリバイはまさに金城鉄壁で、周囲の誰も最初は彼が犯人だと見抜けなかった。

「金城鉄壁」はもともとの意味通り建物に用いることもできますが、比喩表現として用いることも可能です。実際今回の例文も1は城に対して用いていますが、2~4は「守りが堅い」「付け込む隙がない」という比喩表現で使用されています。

また、「金城鉄壁」を人の様子や気持ちに用いることも可能です。実際に、葛西善蔵の小説『贋物』の中に「金城鉄壁」が用いられています。この中に「藁(わら)と薄縁(うすべり)を敷いたうす暗い書斎に、彼は金城鉄壁の思いかで、籠っていた。」という文がありますが、気持ちの表現として「金城鉄壁」が用いられているのがわかるでしょう。

このように「金城鉄壁」は、人や物を問わずに使用することが可能です。

「金城鉄壁」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

ここでは「金城鉄壁」と似た意味を持つ類義語を見ていきましょう。

「金城湯池」

「金城湯池」は「きんじょうとうち」と読む四字熟語。“非常に守りが堅い”ことをたとえた言葉です。

「金城」は金でできた城壁、「湯池」は熱湯をたぎらせた堀のことを指しており、守りが堅くて簡単には攻められない様子をたとえています。

「金城鉄壁」と同様に守りが堅い城の様子が由来となっており、用語の意味もほぼ同義と言えるでしょう。

\次のページで「「難攻不落」」を解説!/

「難攻不落」

「難攻不落(なんこうふらく)」とは、簡単には攻め落とせない様子をたとえた表現です。「難攻」とは攻めにくいことで、「不落」とは陥落しないこと。攻めるのが難しくなかなか陥落しないことから、“いくら働きかけてもこちらの要望を受け入れてくれない”という意味も持ち合わせています。

「金城鉄壁」と同様の様子をたとえた表現で類義語と言えますが、「難攻不落」の方が後者の意味で使われることも多く、より一般的に知られた言葉と言えるでしょう。

その他にも似た意味の言葉として、「要害堅固(ようがいけんご)」「堅塞固塁(けんさいこるい)」といった四字熟語もあります。

「金城鉄壁」の対義語は?

「金城鉄壁」とは非常に守りが堅いことです。その意味と対義語となる言葉を見ていきましょう。

「脆弱」

「脆弱(ぜいじゃく)」とは文字通り“脆(もろ)く弱い”様子を表す言葉です。「金城鉄壁」が非常に堅固な様子で隙がないことに対し、ささいなことで崩れやすく不安定なことを意味します。それぞれの示したい内容が真逆の対義語と言えるでしょう。

なお「脆弱」も物や人など幅広く使うことが可能で、コンピュータのネットワークセキュリティの欠陥についても用いられる言葉です。

「金城鉄壁」の英訳は?

image by PIXTA / 61696807

最後に「金城鉄壁」の英語表現を確認していきましょう。

「impregnable castle」

「impregnable castle」は「金城鉄壁」の英語訳として用いられる表現です。「impregnable」は“鉄壁の”という意味を持ち、それに「castle」という“城”を示す単語が重なることでまさしく「金城鉄壁」をそのまま表しています

「金城鉄壁」のそもそもの語源や状態を表現したい場合は、この英語訳を用いるといいでしょう。

なお「castle」を「wall」と単語を置き換えて「impregnable walls」表現することも可能ですが、意味はどちらも同様です。

「redoubtable」

「redoubtable」は敵などに対して“強力な”という意味を持つ形容詞。“あなどりがたい”“恐るべき”というニュアンスも持っており、相手が強く簡単にはいかない時に用いられる単語です。

「金城鉄壁」を比喩的に用いて、隙がないことを表現したい場合や形容詞として使いたい場合に用いるといいでしょう。

\次のページで「「金城鉄壁」を使いこなそう」を解説!/

「金城鉄壁」を使いこなそう

この記事では「金城鉄壁」の意味・使い方・類語などを説明しました。

なかなか日常では耳にしない言葉かもしれませんが、意味を踏まえると使えるシーンも多いのではないでしょうか。言葉の意味や使い方を理解し、ぜひ「金城鉄壁」うまく取り入れて使ってみてくださいね。

" /> 【四字熟語】「金城鉄壁」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説! – ページ 2 – Study-Z
国語言葉の意味

【四字熟語】「金城鉄壁」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

「金城鉄壁」の使い方・例文

「金城鉄壁」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.かつては金城鉄壁を誇ったであろう城も、今では見る影もない。
2.あのサッカーチームのディフェンスは金城鉄壁なことで有名だ。
3.この成績では金城鉄壁に見えた志望校も、先生のフォローと地道な勉強で見事合格し入学することができた。
4.一見すると彼のアリバイはまさに金城鉄壁で、周囲の誰も最初は彼が犯人だと見抜けなかった。

「金城鉄壁」はもともとの意味通り建物に用いることもできますが、比喩表現として用いることも可能です。実際今回の例文も1は城に対して用いていますが、2~4は「守りが堅い」「付け込む隙がない」という比喩表現で使用されています。

また、「金城鉄壁」を人の様子や気持ちに用いることも可能です。実際に、葛西善蔵の小説『贋物』の中に「金城鉄壁」が用いられています。この中に「藁(わら)と薄縁(うすべり)を敷いたうす暗い書斎に、彼は金城鉄壁の思いかで、籠っていた。」という文がありますが、気持ちの表現として「金城鉄壁」が用いられているのがわかるでしょう。

このように「金城鉄壁」は、人や物を問わずに使用することが可能です。

「金城鉄壁」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

ここでは「金城鉄壁」と似た意味を持つ類義語を見ていきましょう。

「金城湯池」

「金城湯池」は「きんじょうとうち」と読む四字熟語。“非常に守りが堅い”ことをたとえた言葉です。

「金城」は金でできた城壁、「湯池」は熱湯をたぎらせた堀のことを指しており、守りが堅くて簡単には攻められない様子をたとえています。

「金城鉄壁」と同様に守りが堅い城の様子が由来となっており、用語の意味もほぼ同義と言えるでしょう。

\次のページで「「難攻不落」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: