
3分で簡単「マイケル・ファラデー」何した人?天才実験科学者を理系ライターがわかりやすく解説
ファラデーの電磁誘導の法則.その1

image by Study-Z編集部
まず磁場の中で電子が移動すると力を受けます。これがローレンツ力と言われる力で、磁束密度をB、電子の電荷をe、電子の速度をvとし、位置をrすると1式で表される力です。これは2式のような電場がそこにできているのと同じ意味になります。そこで、任意の閉じた動く経路Cを考えそこに磁場が存在していると考えると、閉じた経路には起電力が発生しその起電力EVは3式になるでしょう。
ファラデーの電磁誘導の法則.その2
一方経路Cが動くことによってCを貫く磁束が変化するはずです。C上の点rとそこから微小な長さ線分drを考えます。この線分は、微小な時間dtの間にvdtだけ動くため、それによる磁束は磁束をΦとすると4式だけ変化するはずです。これをC上で積分し、両辺をdtで割ると5式がでてきます。先ほどの起電力と比べると6式の関係が導かれ、これがファラデーの電磁誘導の法則です。
ファラデーは磁場の中にある回路を動かすと回路に電流が流れることを発見し、これは回路を貫いている磁束が変化するためであることを見抜いたのでした。この法則は現在でも発電機や、変圧器など多くの電気機器の原理になっています。
発電機と電動機
つぎは、ファラデーの電磁誘導の法則の応用である、発電機と電動機の原理について見てみましょう。
発電機と電動機.その1

image by Study-Z編集部
左上の図に示すように、左方向を向いた磁界の中に、方形の導体線ループがあるとします。この導体線ループは自由に回転するが、導体線の両端は固定された他の二本の導体線に接触しているとしましょう。導体線ループが回転するとき、右側の導体線は常に右側の端子に、左側の導体線は常に左側の端子に接続される構造になっているとします。
発電機と電動機.その2
この装置を真ん中の図のように、外部の力によって導体線ループを半時計方向に回転させてみましょう。導体線からみれば磁力線はv方向に移動しています。この時、導体線の内部にはH×vの方向に力が働き、電荷は右上では紙面奥へと左下では紙面手前の方向に移動するのです。このため、右側の端子を生を正の電極とし、左側の端子を負の電極とする発電になります。このように、磁束と導体線の相対運動によって導体線中に電圧が発生するというファラデーの法則を応用したのが発電機なのです。
この端子に電池を接続したのが右上の図になります。こうすると導体線には電流が流れ、電子qがローレンツ力によって力を受けるため、導体線ループを反時計回りに回転させる力が発生するのです。これがモーターの原理になります。
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