
3分で簡単「マイケル・ファラデー」何した人?天才実験科学者を理系ライターがわかりやすく解説
その4.晩年
生涯ナイトの称号は辞退し続けたファラデーでしたが、ハンプトン・コート宮殿に無料で住める権利を与えられ、1858年の引退以降晩年はここに住みました。ファラデーは多くの業績を残して、この宮殿内で1867年に静かに息を引き取ります。著名な人物の眠るウェストミンスター寺院に埋葬する案があったようですが、国教徒ではなかったファラデーはウェストミンスター寺院への埋葬を拒否していたため、アイザック・ニュートンの墓の傍に記念碑が設置されました。遺体はハイゲイト墓地に埋葬されたそうです。
電磁気学に関する業績
Michael Faraday – Experimental Researches in Electricity (volume 2, plate 4), パブリック・ドメイン, リンクによる
ファラデーには多くの業績がありますが、彼を最も有名にした電磁気学の研究について紹介しましょう。ファラデーが行った最初の電磁気学の実験はまだ科学者になる前に行った、7枚の半ペニー貨と7枚の亜鉛に6枚の塩水に浸した紙を挟んでボルタ電池を作ったことのようです。彼はこの電池で硫酸マグネシウムを電気分解したりしました。
電磁気学に関する業績.その1
エルステッドが電気と磁気の関係に気づくと、デービーとウォラストンとともに電磁回転とよばれる二つの装置を作り上げます。その1つは水銀を入れた皿の中央に磁石を立て水銀に浸るように針金をたらし、その針金と水銀に電流を流すと針金が磁石の回りを回転し続ける装置です。もう1つの装置では逆に磁石が針金の回りを回るようになっていました。
電磁気学に関する業績.その2
その後、1831年頃にファラデーは電磁誘導を発見します。それは鉄の環に絶縁されら導線を巻き付けてコイルを二つ作り、一方のコイルに電流を流すともう一方のコイルにも瞬間的に電流が流れるという現象でした。さらに空芯の中でコイルを動かしても電流が流れることも発見しています。また、1839年には当時は常識だった電気の種類が存在するという説を一連の実験により否定しました。
さらに、反磁性の発見や、電磁場によって偏向の偏光面が回転する現象、帯電した導体では電荷がその表面にしか存在しないことも発見しています。ちなみに、電気力線と磁力線はファラデーが発明した概念です。上記の画像は電磁気力による回転実験の模式図になります。
ファラデーの電磁誘導の法則
次に、ファラデーの名前がついている電磁誘導について詳しく見てみましょう。
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