この記事では「小耳にはさむ」について解説する。

端的に言えば「小耳にはさむ」の意味は「ふと聞いてしまうこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「小耳にはさむ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じで心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「小耳にはさむ」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「小耳にはさむ」の意味・使い方を見ていきましょう。

「小耳にはさむ」の意味は?

「小耳にはさむ」には、次のような意味があります。

聞くともなしに聞く。ちらりと聞く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小耳にはさむ」

「小耳にはさむ」ことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。「小耳」とは文字通り、耳のこと。ほかにも、ちょっと耳にすることを「小耳」といいます。「はさむ」は様々な意味がありますが、「小耳にはさむ」の「はさむ」は「聞き込む」こと。「聞き込む」とは、聞いて情報を知ることです。そのため、ちらりと聞いてしまったことを「小耳をはさむ」と表現するようになりました。

小耳にはさんだ情報は、大体は不確定な情報といえるでしょう。なぜなら、友人のふとした言動、もしくは偶然話を聞いただけに過ぎないからです。曖昧な情報だからこそ、聞いた話は本当なのか確かめたいものですよね。だからこそ、「ある噂を小耳にはさんだのだけど~」といった始まりで、誰かに確認するのが一般的な流れではないでしょうか。「小耳にはさむ」は、事実を確認するため、相手に対して質問する際に使われる慣用句といえるでしょう。

「小耳にはさむ」の使い方・例文

「小耳にはさむ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「小耳にはさむ」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.先日、あなたが結婚するってはなしを小耳にはさんだのだけど本当?

2.先輩が不平ばかり漏らしていると小耳にはさみ、会社への帰属意識が低下していると感じた。

3.小耳にはさんだ内容を確認するため、管理人に問い合わせたが回答してもらえなかった。

もしかしたら、「小耳にはさむ」を使う人に対して、ただのうわさ好きで良い印象を持てないかもしれません。しかし、ビジネスでは、事前に事実を確認しておくことは、とても重要な作業といえます。むしろ、出世を狙っているならば、欠かせない作業だといえるでしょう。

やはり、仕事で成功する人は常にアンテナを張っており、あらゆる人脈を通して新しい情報を得ようとします。そのほうが競合相手よりも優位に立てますし、事前準備もしておけるため、いざという時に焦ることもありません。気になる情報があるならば、キーマンと思われる人物に「小耳にはさむ」を使って確認してみてください。

「小耳にはさむ」の類義語は?違いは?

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では、「小耳にはさむ」の類義語や違いをみていきましょう。

「耳にはさむ」

「耳(みみ)にはさむ」は「小耳にはさむ」と全く同じ意味になります。そのため「小耳」の「小」を抜いて用いても何ら問題ありません。では、なぜ「小耳」と言うようになったかと言うと、語調を整えるためだと言われています。すなわち、接頭語の役割を担っているといえますね。

「小耳にはさむ」は「ちょっと耳にすること」であるのに対して、「耳にはさむ」は「ふと耳に入る」という意味になります。違いは「ちょっと」と「ふと」ぐらいになりますが、偶然聞いてしまった感覚としては同じではないでしょうか。言いやすいほうを使ってみてください。

「耳に入れる」

実際に耳に何か入れたら大変ですが、「耳に入れる」の「入れる」は「情報」だと思ってください。意味は二つあります。一つ目は、情報などを知らせること。たとえば「とりあえず耳に入れておく」といった表現をしますよね。

二つ目は、聞いて知ること。すなわち「小耳にはさむ」と同じ意味になります。そのため、使い方は全く同じ。「耳に入れた話なのですが~」といった流れで、曖昧な情報を確認する際に使います。「入れる」は「はさむ」という意味もあることから、どちらを使っても問題ないといえるでしょう。

\次のページで「「打ち聞く」」を解説!/

「打ち聞く」

近年ではあまり使われない言葉ですが、「打ち聞く」も「耳にはさむ」と同じで「ちらっと聞く」という意味になります。「打ち」と言うと、ボールを打ったような様子を想像するかもしれませんが、「打ち」という言葉自体に意味はありません。「打ち」は接頭語の一つ。動詞の動作を強めるためや、語調を整えるために用いられています。

「打ち聞く」を知らなかったとしても、「打聞(うちぎき)」は聞いたことがあるのではないでしょうか。「打聞」の意味は「ちょっと聞くこと」であり、「小耳にはさむ」と全く同じ意味だといえますね。

「小耳にはさむ」の対義語は?

耳にはさんだ話は、知らない情報だからこそ事実を助かめたくなるものです。そこで今回は、「すでに知っている」「世間に広まっている」という意味合いで、「耳にはさむ」の対義語をみていきましょう。

「流布」

「流布(るふ)」の意味は、世に広まること。もしくは、ある情報が広く世間に行き渡っているという意味になります。「小耳にはさむ」は、噂が本当かどうか確認するために使われますが、「流布」の場合はすでに情報が広まっている状態といえるでしょう。要するに、事実を確認せずとも、世間では当たり前の情報として知られているわけです。不確かな情報は、流布する前にくい止めたいところですね。

「既知」

「既知(きち)」の意味は、すでに知っていること。もしくは知られていることです。「既に知っている」を省略した言葉だと考えれば、覚えやすいのではないでしょうか。ちなみに「既知」の対義語は「未知」になります。「未知」の意味は、まだ知らないこと、もしくは、まだ周りに知られていないこと。よく「未知の世界」と表現しますよね。小耳にはさんだ情報は、未知である場合が多いはず。既知の事実であるならば、「小耳にはさむ」の出番はないといえるでしょう。

「触れ回る」

「触れ回る」は、避けたい行動といえます。意味は、大勢の人に言い触らして歩くこと。良い情報を流すなら問題ありませんが、悪い情報を勝手に流している行動は感心できません。相手が頼んだわけでもないのに、「触れ回る」ことは避けたほうがよいといえるでしょう。小耳にはさんだ情報は、くれぐれも「触れ回る」ことがないように気をつけてくださいね。

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「小耳にはさむ」の英訳は?

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では、「小耳にはさむ」の英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「overhear」

overhear」は「ふと耳にする」という意味。相手に気づかれずに話を聞いてしまった時に使われます。そのため、「小耳にはさむ」として使って問題ありません。たとえば、「overhear」を過去形にして「I overheard him talking about her」といえば、「私は彼が彼女について話しているのを小耳にはさんだ」と伝えることができるでしょう。「about her」は「彼女について」という意味。「talking」は「話す」という意味になります。「overhear=小耳にはさむ」で覚えてしまいましょう。

「happen to hear」

happen to hear」は直訳すると「偶然聞く」という意味になります。「happen」は「起こる」や「偶然出くわす」という意味。「聞こえる」を英訳した「hear」と組み合わせれば、「小耳にはさむ」や「耳に入る」として使うことができるでしょう。「~を小耳にはさんだのですが」を英訳するならば、「I have just happened to hear that~」と表現することができます。

「小耳にはさむ」を使いこなそう

この記事では「小耳にはさむ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「小耳にはさむ」は、日常会話やニュースでよく使われる慣用句です。むしろ、知らないで会話していると、恥をかくかもしれません。目上の人と話す機会が多いならば、なおさら意味や使い方を覚えておくとよいでしょう。また、曖昧な情報は全て事実だとは限りません。「小耳にはさむ」は、大勢の中で堂々と尋ねる時に使うわけではなく、2人だけの時にこっそりと確認するような感覚で使うことをお勧めします。

仕事上で噂を確認することは、決して悪いことではありません。自分自身が気になる情報があったら、ぜひ「小耳にはさむ」を使って事実かどうか確かめてみてください。

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国語言葉の意味

【慣用句】「小耳にはさむ」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「小耳にはさむ」について解説する。

端的に言えば「小耳にはさむ」の意味は「ふと聞いてしまうこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「小耳にはさむ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じで心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「小耳にはさむ」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「小耳にはさむ」の意味・使い方を見ていきましょう。

「小耳にはさむ」の意味は?

「小耳にはさむ」には、次のような意味があります。

聞くともなしに聞く。ちらりと聞く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小耳にはさむ」

「小耳にはさむ」ことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。「小耳」とは文字通り、耳のこと。ほかにも、ちょっと耳にすることを「小耳」といいます。「はさむ」は様々な意味がありますが、「小耳にはさむ」の「はさむ」は「聞き込む」こと。「聞き込む」とは、聞いて情報を知ることです。そのため、ちらりと聞いてしまったことを「小耳をはさむ」と表現するようになりました。

小耳にはさんだ情報は、大体は不確定な情報といえるでしょう。なぜなら、友人のふとした言動、もしくは偶然話を聞いただけに過ぎないからです。曖昧な情報だからこそ、聞いた話は本当なのか確かめたいものですよね。だからこそ、「ある噂を小耳にはさんだのだけど~」といった始まりで、誰かに確認するのが一般的な流れではないでしょうか。「小耳にはさむ」は、事実を確認するため、相手に対して質問する際に使われる慣用句といえるでしょう。

「小耳にはさむ」の使い方・例文

「小耳にはさむ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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