物理理科量子力学・原子物理学電磁気学・光学・天文学

どんな物もブラックホールになり得る?「シュバルツシルト半径」を理系ライターが初心者目線で解説

第二宇宙速度の求め方

第二宇宙速度の求め方

image by Study-Z編集部


では、上記のカーブで曲がり切れなくするには?力の釣つり合いを考えても出てこなさそう。考え方を変えて、力学的エネルギーに着目しましょう。無限遠と天体表面を比べて無限遠の方がエネルギーが小さければ(無限遠に)落ちていきますね。

無限遠での位置エネルギーをゼロ、天体に近いほど位置エネルギーざ小さいと考えます。距離が無限大ならゼロに、距離がゼロなら-無限大。半径rの天体表面にある質量mの物体のの位置エネルギーは-GMm/r。これに運動エネルギーを足してゼロを超えていれば無限遠より高いエネルギーを持っていることになりますね。物体は無限遠に落ちていく状態であり、天体を脱出出来ます。第二宇宙速度をv2としましょう。イラスト内の導出よりv2が出てきて、ここに数値を代入するとv2=11.2km/sと求まります。

ブラックホールの条件

第二宇宙速度が光速度より大きければ、光速度で移動しても脱出不可ということになります。光が出ていかない=周りから見ると真っ暗ということで、ブラックホールです。第二宇宙速度が光速度以上ということは、イラストに示すような条件。物質が狭い範囲に集中していて超大な密度を持っていることを意味します。
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天体から脱出する力と言えば遠心力。速度が速いほど遠心力は大きくなる。しかし、宇宙最高速は光速度で決まっており上限がある。脱出に必要な速度がこの上限以上の場合はどんな物体も脱出することが出来ない。

5.どんな物でもブラックホール?

半径と質量の比率が一定以上ならブラックホール。どんな質量であれ半径がほぼゼロなら第二宇宙速度が無限大となり、ブラックホールと言えます。しかし物体がブラックホールになるためにはかなり半径が小さくないとなれません。

例えば地球と同じ質量の物体がブラックホールになるためには半径いくら以下の必要があるか計算してみましょう。第二宇宙速度を求めた式に地球の質量を5.97×10^24kgとv2=光速度として代入しRを求めると、R=8.9mm。地球と同じ質量の天体が例えば半径5mmまで圧縮されていたとしましょう。R=8.9mmよりも内側の領域はブラックホールとなります。

シュバルツシルト半径とは

シュバルツシルト半径とは、上記の地球の例でいう8.9mmのこと。ある質量の物体が限りなく圧縮されているとして、ブラックホールと外側との境界面になるところの半径がシュバルツシルト半径です。

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理論上はどんな物でもブラックホールになり得るけれどそのためにはかなり半径を圧縮してやる必要がありあまり現実的ではない。

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