
どんな物もブラックホールになり得る?「シュバルツシルト半径」を理系ライターが初心者目線でわかりやすく解説
自転による遠心力の影響

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ところで、地球上での重力はほぼほぼ万有引力ですが、計算してみると若干ズレていますね。例えば、重さ1kgの物体と地球の間に働く万有引力はイラスト内の式を駆使すると、9.84Nと求まります。一方重力加速度g=9.81辺りがよく使われていて、これで計算すると1kgの物体の重力は9.81N。桁を丸め過ぎた誤差でしょうか?いやいやそれだけではありません。
残りの0.03Nは自転による遠心力です。
地球と物体は引き合う方向に9.84N、離れる方向に0.03N力が働きその合力9.81Nが重力となっているわけです。
自転を速くすれば離れる力は大きくなる
仮に自転速度が2倍だったら(1日が12時間だったら)?遠心力は4倍になり、1kgの物体はおよそ0.12Nの遠心力を受ける計算。さらに2倍して1日6時間にしてやれば、遠心力は0.48N。という具合に上式の速度vの値を大きくすれば遠心力は速度の2乗に比例して大きくなり、仮に地球が1時間24分で1周するとすれば遠心力はなんと、9.91Nとなり万有引力の9.84Nに勝ってしまいます。このように速度を上げていけば、やがて万有引力を超え無重力状態となるわけです。
4.天体からの脱出
遠心力が万有引力を超えれば、天体に引き込まれることはありません。以下、イメージしやすいように地球からの脱出に必要な速度を考えましょう。地球上において、遠心力と万有引力が釣り合う時の速度が第一宇宙速度です。しかし後述の通り、天体の引力の影響を完全に振り切ることは出来ません。
第一宇宙速度

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遠心力=万有引力として、

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第二宇宙速度
では脱出するためにはどれくらい速くないといけないのか?
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