化学

雨漏りの原因にもなる「毛細管現象」を元塾講師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「毛細管現象」について勉強していこう。

漢字そのものの意味でなんとなく想像できるかもしれないな。毛細管とあるように、毛のように細い管が関係しているんだ。

これから迎える梅雨に多いトラブル「雨漏り」の原因にもなるから、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.毛細管ってどんなもの?

image by iStockphoto

毛細管(もうさいかん)という言葉、どこかで聞き覚えがありませんか?毛細といえば生物でお馴染み、毛細血管ですよね。毛細管の代表、人体における毛細管といえば毛細血管です。

血管は血液の通り道であり、全身を巡っています。血液というのは生存維持に必要不可欠なものでしたね。だからこそ、頭のてっぺんから指先、つま先、各臓器の隅々まですべてに酸素を運べるようになっているのです。血管には部位ごとに太さは様々ですが、その中でも毛のように細い(場合によってはそれ以上に細い)血管が存在していて、これが毛細血管とよばれています。

毛細管にもいろいろな種類・物質・素材があり、ガラス管やプラスチック管、血管など様々です。極細で全身を巡っている血管・毛細血管は、人体における代表的な毛細管といえるでしょう。今回解説するのは、そんな毛のように細い管「毛細管」毛管またはキャピラリーともいう)で起こる不思議な現象についての解説です。

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「毛細」血管というワードはよく知っているよな。これと同じで、毛のように細い管を「毛細管」というんだ。血液の役割はこの記事を参照しよう。

1-1.毛細管現象の仕組み

1-1.毛細管現象の仕組み

image by Study-Z編集部

毛細管現象とは、毛細管の内側にある液体が管の中を上昇または下降する物理現象といいます。その様子を表したのがこの図です。

左は水に太さの異なる3本のストローを入れたもの、右は水銀にストローを入れたものを表しています。まず見て気付くことがありますよね。

・ストローの太さによって水位が変わる

・水はストロー内部の水位が上がっているが、水銀では下がっている

これについて詳しく見ていきましょう。

まず1つ目に、ストローの太さによる水位の差は非常に重要なポイントです。水には水の分子同士にはたらく力、分子間力(凝集力)があります。水をコップぎりぎりまで注いだとき、空気と接している部分はこの力によって水の内部にのみ引っ張られるので表面は丸くなるのです。このように表面にはたらく力を表面張力といいます。また、管の素材と水の分子との間にはたらく力(付着力・濡れやすさ)についても考えなければなりません。ストローが細くなるほど前者の力よりも後者の力が大きくなるため、水は管の壁に引き寄せられるように上がっていくでしょう。水の内部に引っ張られる力と壁に引っ張られる力が釣り合うまで、水位は上がっていきます。管が細いほど前者の力は弱く、後者の力が強くなるために高い水位になるのです。

そして2つ目に、毛細管現象は必ずしもストローの例のように見られるとは限りません水銀の場合、分子間力が大きいために形を変えにくいという性質を持っています。今は人体への影響を考慮して少なくなりましたが、昔はどの家庭にも水銀の入った体温計があったものです。ガラス製のそれが割れると中から水銀が出てきます。水銀は水などの液体、水滴上の固まりになってその形を維持しようとするのがわかるでしょう。(子供にとってはそれが面白く見えるものですが非常に危ない物質ですよ。)そのため水のようには上がらないのです。こういった性質の違いが、水との違いを生んでいるということですね。

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分子間力、表面張力、管との付着力、それぞれの力のバランスで毛細管現象は起きているんだ。分子間力についての復習はこの記事をチェックしよう。

2.毛細管現象を利用した製品

それでは実際にこの現象がどんな製品に用いられているかを見ていきましょう。

2-1.万年筆

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大人の文房具で高級なものという印象のある万年筆は、大学入学や成人、就職のお祝いとしても人気のある文房具です。その名前の由来は「万さんの作った筆」や「長く使える筆」など様々ですが、実際にその名に恥じないものであることには違いありません。

最近の万年筆はボールペンのようにインクが差し込み式で交換できるタイプのものが多くありますが、インクボトルを使う万年筆もやはり素敵です。レタリングやカリグラフィーといった文字のアレンジがしやすいのも万年筆の魅力ですね。

万年筆はカートリッジまたはインクボトルから吸入したインクを毛細管現象を使ってペン先へと導きます。そして出たインクと同じ分の空気を内部に取り込むことでスムーズに文字が書ける仕組みです。そのためにペン先にはインクを通すための溝と空気を取り入れる溝があります。ぜひ実物を見てみてくださいね。

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お気に入りの文房具は持っているだけで気分が上がるよな。こういったペンを使って飾り文字を練習してみてもいいだろう。

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