この記事では「干天の慈雨(かんてんのじう)」という慣用句について解説する。

端的に言えば「干天の慈雨」の意味は「恵みの雨」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「干天の慈雨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく

現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

#1 「干天の慈雨」の意味や使い方のまとめ

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それでは早速「干天の慈雨」の意味や使い方を見ていきましょう。

「干天の慈雨」の意味は?

まずは、国語辞典での定義から。「干天の慈雨」には、次のような意味があります。

日照りの時のめぐみの雨。待望していた事物の実現、苦しい時の救いなどのたとえにいう。

出典:大辞林 第三版(三省堂)「干天の慈雨」

「干天の慈雨」には、難しい表現も使われていますので、ひとつひとつ解説していきましょう。まず「干天」ですが、これには日照り続きの空模様という意味合いがあります。

かつては、日本国民の大半が農民だったわけで、日照り続きというのは相当過酷な状況だったはずです。一方、「慈雨」は、恵みの雨という意味を表します。

干ばつでこのままだと稲が全滅しかねない状況で降る雨は、どんなに有難かったでしょうか。この「干天の慈雨」は、文字通りの意味でも当然使われます。

しかしながら、農家の割合の減った現代では、「干天の慈雨」を例えとして使うことが多いのも事実です。人が困り果てて二進も三進もいかないときに、思いがけず差し伸べられた救いの手

このような意味や用法が、この慣用句にはあります。

「干天の慈雨」の使い方・例文

「干天の慈雨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「干天の慈雨」の類義語は?違いは?」を解説!/

リアルタイムで情報が更新されていく現代社会で、最新トピックを配信してくれるサービスは私にとって干天の慈雨と呼べるものであった。

利用者が半強制的に購入ボタンをクリックさせられてしまう悪徳サイトから救ってくれたソフトは、干天の慈雨以外の何物でもなかった。

干天の慈雨といえば、フォロー相手のホーム画面にある一言コメントの心温まるメッセージに私の荒んだ心が癒されたことがあった。

「干天の慈雨」をきちんと理解するには、ポイントがあります。それは、何が「干天(=辛い状況)」で何が「慈雨(=救いの手)」なのかをきちんと押さえておくことです。

初めの例文では、情報が随時更新されていく状況「干天」だととらえています。一方、「慈雨」にあたるのは最新トピックの配信サービスです。

自分ひとりの力では、情報の渦に飲み込まれてしまいそうなところ、サービスの提供によってそうなることが未然に防がれているわけですね。

残り二つの例文についても、悪徳サイトとソフト、荒んだ心と心温まるメッセージがそれぞれ「干天」と「慈雨」にたとえられています。

#2 「干天の慈雨」の類義語は?違いは?

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ところで、「干天の慈雨」類義語にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、その中でも代表的なものを二つほど紹介していきます。

「地獄に仏」

「地獄に仏」は、「干天に慈雨」の類義語の中でも代表的なもののひとつです。「地獄」という過酷極まりない世界で厳しい暮らしを送っているさなかに、「仏」という慈悲深い存在に出逢う。

辛いときに思わぬ助けがやってくるわけです。これは、まさに「干天の慈雨」の意味合いに通じるものがありますよね。

「物怪の幸い」

「物怪の幸い(もっけのさいわい)」もまた、「干天の慈雨」の類義語だといえるものでしょう。こちらの慣用句には、思いがけない幸運という意味合いがあります。

「干天の慈雨」と異なるのは、すでに辛い状況に置かれているかどうかは分からないという点です。では、これらの類義語を用いた例文も押さえておきましょう。

\次のページで「「干天の慈雨」の対義語は?」を解説!/

ロシア語も中国語も分からない中、あなたのようなマルチリンガルに出会えたことは、まさに地獄に仏でした。

ツイートへの返信(リプライ)とリツイートが別物だと知れたことは、彼にとって物怪の幸いだったといえよう。

#3 「干天の慈雨」の対義語は?

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では、「干天の慈雨」対義語は一体どのようにとらえればよいのでしょうか。苦しいときに救いの手が差し伸べられるのが、この慣用句の意味でしたね。

ならば、その反対はさらに困難が重なることでしょう。ここでは、そのような意味合いを持った表現を二つ紹介していきます。

「踏んだり蹴ったり」

「踏んだり蹴ったり」は、「干天の慈雨」の対義語の中でもっともよく用いられる表現のひとつです。この慣用句には、被害を重ねて受けるという意味があります。

だれかに踏まれた上にさらに蹴られるわけですから、やられる方としてはたまったものではありませんよね。

「泣きっ面に蜂」

「泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)」もまた、「干天の慈雨」の対義語だといっていい存在です。こちらも「踏んだり蹴ったり」と同様に不運や悪いことが重なることを意味します。

「泣きっ面」をしているということは、すでに何か泣くような何かがあったわけです。そこに蜂までやってきて刺されるのですから、これは災難といわざるをえないでしょう。

では、これらの対義語に関連した例文をここでチェックしておきましょう。

書類の不備で契約を解除されたり、留守中に空き巣に入られたりとまさに踏んだり蹴ったりの目に遭った。

泣きっ面に蜂だったのは、韓国語でも苦労していたいたのに加えてペルシア語も必要になったことだ。

#4 「干天の慈雨」の英訳は?

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では、最後に「干天の慈雨」の英語訳についても押さえておきましょう。

\次のページで「「blessed rain」」を解説!/

「blessed rain」

「blessed rain」は、「干天の慈雨」の英語訳の中でも代表的なもののひとつです。この表現を直訳すると「恵みの雨」となります。

この表現には「干天」に対応する単語は含まれていませんが、意味合いは十分に通用するでしょう。

「welcome rain」

「welcome rain」もまた、「干天の慈雨」の英語訳として十分に通用するものです。この表現を直訳すると「歓迎すべき雨」となります。

明記はされていませんが、「歓迎すべき」なのですから、きっと日照り続きで困っていたのでしょう。

「干天の慈雨」を使いこなそう

この記事では「干天の慈雨」の意味・使い方・類語などを説明しました。この慣用句の意味は、干ばつ時に降る恵みの雨でしたね。

また、それが転じて苦しいときに差し伸べられる救いの手という意味合いでもありました。長い人生の中で、順風満帆でいられる時間はそうそう続くものではありません。

苦しい時には歯をくいしばって、努力して乗り越えていくのですが、個人の努力ではどうにもならないときがあるのも事実です。そのような弱り切ったときに、思いがけず差し伸べられた救いの手はどんなにありがたいものでしょうか。

それは、まさに「干天の慈雨」だとえいるものです。みなさんも、この慣用句を使う機会があったら、臆せずにどんどん使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「干天の慈雨」の意味や使い方は?例文や類語も含めて現役文系講師が詳しくわかりやすく解説!

この記事では「干天の慈雨(かんてんのじう)」という慣用句について解説する。

端的に言えば「干天の慈雨」の意味は「恵みの雨」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「干天の慈雨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく

現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

#1 「干天の慈雨」の意味や使い方のまとめ

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それでは早速「干天の慈雨」の意味や使い方を見ていきましょう。

「干天の慈雨」の意味は?

まずは、国語辞典での定義から。「干天の慈雨」には、次のような意味があります。

日照りの時のめぐみの雨。待望していた事物の実現、苦しい時の救いなどのたとえにいう。

出典:大辞林 第三版(三省堂)「干天の慈雨」

「干天の慈雨」には、難しい表現も使われていますので、ひとつひとつ解説していきましょう。まず「干天」ですが、これには日照り続きの空模様という意味合いがあります。

かつては、日本国民の大半が農民だったわけで、日照り続きというのは相当過酷な状況だったはずです。一方、「慈雨」は、恵みの雨という意味を表します。

干ばつでこのままだと稲が全滅しかねない状況で降る雨は、どんなに有難かったでしょうか。この「干天の慈雨」は、文字通りの意味でも当然使われます。

しかしながら、農家の割合の減った現代では、「干天の慈雨」を例えとして使うことが多いのも事実です。人が困り果てて二進も三進もいかないときに、思いがけず差し伸べられた救いの手

このような意味や用法が、この慣用句にはあります。

「干天の慈雨」の使い方・例文

「干天の慈雨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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