この記事では「腕が上がる」について解説する。

端的に言えば「腕が上がる」の意味は「技芸などが上達すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗吉を呼んです。一緒に「腕が上がる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/梨子なしこ太朗吉

本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。

「腕が上がる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腕が上がる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腕が上がる」の意味は?

「腕が上がる」(うでがあがる)には、次のような意味があります。

1.腕前・技術が進歩する。

2.飲める酒の量が前より増す。

出典:goo辞書

「腕前」という言葉も、「腕」の語を含みます。技芸は腕を使うことが多いからです。

一方、飲める酒の量が増えるのを「腕を上げる」というのは、酒を飲む行為が大人になった証明として見られることと関係していますね。もちろんただたくさん飲めば良いというわけでなく、大人の社交に足るだけの充分な量を飲める、という意味ですから、きれいに堂々と飲む酒を想定しているものです。

「腕が上がる」の語源は?

次に「腕が上がる」の語源を確認しておきましょう。

「腕」は技芸、技術を意味し、「上がる」で、状態が良くなることを示します。

合わせて「腕が上がる」で、「技術の状態が良くなること」。つまり上達すること、という意味です。例えばサッカーのシュート技術でも、腕が上がる、を使います。脚が上がる、ではありません。「サッカークラブの若手も皆、シュート技術の腕が上がってきていて喜ばしいかぎりだ」などというように使います。

\次のページで「「腕が上がる」の使い方・例文」を解説!/

「腕が上がる」の使い方・例文

「腕が上がる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.子供も、小学校一年生、二年生、三年生、四年生とオトナに近づくにつれて言葉に習熟していくが、特に授業を通じて国語教科書などの教材を使いつつ単元ごとにいろいろな単語、慣用句の意味を学び、コミュニケーションの技術を上達させ、腕が上がり、社会的な義務を果たせるように進歩していく。

2.技術者は情報を発信、受領する当事者として、コンピュータを制御し、自らの技術者としての意思を確立して情報伝達の力量を上げてこそ、腕が上がったと認識されるようになるものである。

3.今回、年末の総会への出席は会員企業と社内担当者の義務だが、その後の酒席では酒の腕が上がったこともみなに見せつけて、社内でも有名人となり、開発チームの一員として抜擢されるように立派に振る舞うつもりである。

酒量が増えて「腕が上がる」というのは、やはり、社交の場での振る舞いの上達の一部です。「社交の方法において上達する」という意味だと考えれば、これもやはり一種の技芸の上達と考えることができます。酒をむやみにたくさん飲んで酔っ払うようでは「腕が上がった」とは言えないということですね。

「腕が上がる」の類義語は?違いは?

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「腕が上がる」と似た意味を持つ言葉として、「上達する」「進歩する」「成長する」や「うまくなる」などがあります。

「上達する」「進歩する」「成長する」

どれも力量、技量が向上することです。みな、漢語の熟語ですね。

\次のページで「「うまくなる」」を解説!/

「うまくなる」

こちらは和語です。

「うまい」は、元々は味覚に関する言葉で、「良い味の状態」を示します。「うまくなる」は、うまい状態になることですから、良い味の状態になることですが、味覚にかかわることだけでなく、力量や技量が向上することも「良い状態になる」こととして、「うまくなる」という言い方をするわけです。

例えば、新規顧客相手の営業の腕が上がる、という文章は、新規顧客相手の営業がうまくなる、と言いかえてもよいのですね。

「腕が上がる」の対義語は?

「腕が上がる」と反対の意味を持つ言葉としては、以下のようなものがあります。

「腕が落ちる」

「腕が下がる」とも言います。技量が低下することです。

「彼のカラオケの腕も、昔に比べるとだいぶ落ちたな」などというように使いますね。

カラオケなので声とか喉が落ちる、というわけではなく、やはり「腕が落ちる」という言い方で通用します。「歌の腕が落ちる」というのもよく考えると妙な感じもしますので、考えすぎないようにしましょう。

「下手になる」

「下手になる(へたになる)」は、腕が落ちる、と同義です。「下手」には「手」の字が含まれていますね。

「うまくなる」には、漢字をあてて「上手くなる(うまくなる)」と書くこともあります。つまり「下手」と「上手」がちょうど対になるわけですが、「下手(へた)」も「上手い(うまい)」もどちらも当て字です。「上手(うわて)」が、技量において優ること、「下手(したて)」が、技量が劣ること、となりますね。

「腕が上がる」の英訳は?

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最後に「腕が上がる」を英語で表現するとどうなるのかを確認しておきましょう。

「improve one‘s skill」

「腕が上がる」は英語で「improve one‘s skill」と表すことができます。例文も示しておきましょう。

\次のページで「「腕が上がる」を使いこなそう」を解説!/

They improved their basketball shooting skill.

彼らは、バスケットボールのシュート技術の腕を上げた。

「腕が上がる」を使いこなそう

この記事では「腕が上がる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「腕が上がる」は一般に、技芸などが上達することをいうのに対して、特に「酒を呑む」という場合にこの言葉を使う、というのがおもしろいところですね。

また「腕」はからだの一部分ですから、実際にからだの中の腕を上に伸ばして、「腕が上がる」という場合ももちろんあるわけです。ですから比喩的な意味で使うのかどうかは、文脈によることになります。実際に腕を上げているのか、それとも比喩的な使い方で、技量において上達しているのかは、間違えないようにしないといけませんね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「腕が上がる」の意味や使い方は?例文や類語を教材系ライターがわかりやすく解説!

この記事では「腕が上がる」について解説する。

端的に言えば「腕が上がる」の意味は「技芸などが上達すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗吉を呼んです。一緒に「腕が上がる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/梨子なしこ太朗吉

本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。

「腕が上がる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腕が上がる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腕が上がる」の意味は?

「腕が上がる」(うでがあがる)には、次のような意味があります。

1.腕前・技術が進歩する。

2.飲める酒の量が前より増す。

出典:goo辞書

「腕前」という言葉も、「腕」の語を含みます。技芸は腕を使うことが多いからです。

一方、飲める酒の量が増えるのを「腕を上げる」というのは、酒を飲む行為が大人になった証明として見られることと関係していますね。もちろんただたくさん飲めば良いというわけでなく、大人の社交に足るだけの充分な量を飲める、という意味ですから、きれいに堂々と飲む酒を想定しているものです。

「腕が上がる」の語源は?

次に「腕が上がる」の語源を確認しておきましょう。

「腕」は技芸、技術を意味し、「上がる」で、状態が良くなることを示します。

合わせて「腕が上がる」で、「技術の状態が良くなること」。つまり上達すること、という意味です。例えばサッカーのシュート技術でも、腕が上がる、を使います。脚が上がる、ではありません。「サッカークラブの若手も皆、シュート技術の腕が上がってきていて喜ばしいかぎりだ」などというように使います。

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