砂漠のバイオームがみられる場所は、年間を通じて気温が高めで、降水量が少ない場所です。
砂漠のある地域と同じ緯度にあっても、海から湿った風が入りやすいような地形では、雲ができやすいため、降水量も増えます。反対に、他の場所では森林が成立するような緯度であっても、乾いた空気ばかりが入ってくるような地域では、砂漠が成立することがあるんです。
緯度だけでなく、それ以外の要因も重要だということは覚えておきましょう。
”砂漠”に当てはまる地域・特徴的な生物
砂漠は世界の中でも特に厳しい環境で、生息している生物も限られています。生物にとって必要不可欠な水が少ないのですから、当然といえば当然です。逆にいえば、砂漠のバイオームを構成している生物たちには、水の少ない環境でも生きられるように特殊化したものが少なくありません。
また、砂礫ばかりの砂漠であっても、まれにオアシスという緑地が存在していることがあります。オアシスは地下水が湧き出ていたり、砂漠には珍しく河川がながれていたりする場所であり、このオアシスのみに生えているような植物もあるんです。
サハラ砂漠(アフリカ大陸北部)
サハラ砂漠はアフリカ大陸北部の広い面積を占める、世界最大の砂漠。その面積は訳1000平方キロメートル、なんとアメリカ合衆国とほぼ同じくらいの大きさです。
このサハラ砂漠にはどんな植物が生えているのでしょうか?砂地にはほとんど植物がみられませんが、オアシスの周辺ではナツメヤシなどの高木が生育しています。ナツメヤシの実はデーツといい、サハラ砂漠に住む人たちにとって重要な食材です。
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動物で代表的なものといえばヒトコブラクダでしょう。コブの中には脂肪が詰まっており、この脂肪を水に変えて体に供給することができる、乾燥に強い動物です。
フェネックは、大きな耳が特徴的なキツネのなかま。やはり乾燥に強く、水をあまり飲まないでも砂漠で生きていくことができます。体の色が砂の色に近く、保護色になっているのがわかりますね。
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ルブアルハリ砂漠(アラビア半島南部)
アラビア半島は、そのほとんどを砂漠が占めています。中でも特に大きいのが、南部にあるルブアルハリ砂漠。広大なうえに昼夜の気温差も激しいという過酷な環境であり、その全貌がわかってきたのもここ100年くらいのことです。
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ルブアルハリ砂漠には、スナネコや大きなイグアナのなかまであるトゲオアガマ類などがいます。植物はわずか数種類ほど、といわれているようです。
ソノラ砂漠(アメリカ・メキシコ)
ソノラ砂漠はアメリカ南西部からメキシコにかけて広がる砂漠です。この地域は日本とほとんど変わらない緯度にありますが、山脈が雨雲の移動を妨げるため、一年を通じてほとんど雨が降りません。
南北アメリカ大陸の砂漠で目立つのが、ウチワサボテンなどのサボテン類や、乾燥に強いトウダイグサのなかま。アフリカやアラブの砂漠よりも、緑の量が多めです。
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