端的に言えば「火に油を注ぐ」の意味は「困ったことをさらに拡大させること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗吉を呼んです。一緒に「火に油を注ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/梨子なしこ太朗吉
本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。
「火に油を注ぐ」の意味は?
「火に油を注ぐ」には、次のような意味があります。
勢いの激しいものに、いっそう勢いを加えることのたとえ。
出典:故事ことわざ辞典
燃えている火に油を注げば、火は勢いを増します。これは自然なことです。
ただし、炊事やたき火など、意図して燃やしている有用な火、役に立つ火に対して、油などの燃料を注いで火勢を強める場合、そしてその比喩的な場合には、この「火に油を注ぐ」という慣用句は使いません。
そうではなく、火事などの、本来は消火をしなくてはいけないような火について、消すのではなく、逆に燃料を注いで火を強めてしまうとき、またその比喩的な場合に、この慣用句は使われます。
火を強めるのは、意図的にであっても、または意図せずに間違ってであっても、どちらでもかまいません。故意に火を強めるのは悪質ですが、そうでなく間違って火を強めてしまう場合でも、同じように「火に油を注ぐ」を使うことができます。
最近では有名人などのブログの炎上で、この語句が使われるような場面に出会うことも多くなってきました。
「火に油を注ぐ」の使い方・例文
「火に油を注ぐ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
\次のページで「「火に油を注ぐ」の類義語は?違いは?」を解説!/