この記事では「無茶苦茶」について解説する。

端的に言えば「無茶苦茶」の意味は「度を越していること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「無茶苦茶」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「無茶苦茶」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「無茶苦茶」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「無茶苦茶」の意味は?

「無茶苦茶」には、次のような意味があります。

「むちゃ」を強めていう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無茶苦茶」

「無茶苦茶(むちゃくちゃ)」は、「無茶(むちゃ)」を強めた表現であり当て字になります。そのため「無茶苦茶」という漢字自体に意味はありません。これだけでは意味が分かりにくいので、「無茶」の意味を辞典で確認しておきましょう。

1.筋道が立たず、道理に合わないこと。また、そのさま。
2.程度がはなはだしいこと。度を越していること。また、そのさま。
3.知識がないこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無茶」

「無茶苦茶」は日常会話でよく使われていますが、「漢字表記」よりも「ひらがな表記」で使われることが多い四字熟語といえます。度を越している光景を目の当たりにした時、「むちゃくちゃだ」と言うことは誰しもあるのではないでしょうか。たとえば、上司が仕事で無理難題を押しつけてきたとしましょう。現場を無視した計画に、どう考えても実行することは不可能です。そのような時に、「無茶な計画だ」と言いますよね。感情をストレートに表現するならば、「無茶苦茶な計画で困っている」と周囲に漏らすこともあるでしょう。

「無茶苦茶」は、自分の想像を超える理解しがたい状況に出くわした時、素直な気持ちを表すには便利な四字熟語といえます。「ありえない」や「理解できない」と感じた時に、「無茶苦茶」を使ってみてください。

「無茶苦茶」の語源は?

次に「無茶苦茶」の語源を確認しておきましょう。「無茶苦茶」は「茶」が連続して使われていることから、由来は「お茶」からだと思われている方が多いようです。しかし、当て字であることから、「無茶苦茶」という漢字自体には意味がないと考えてよいでしょう。すなわち、「ちゃ」と読める漢字であれば、どのような漢字でも問題なかったといえます。意外と「ちゃ」と読む漢字は少ないため、普段からよく使われている「茶」を当てはめただけといえるでしょう。

また、「無茶苦茶」の元となった「無茶」ですが、こちらも当て字になりますので、漢字自体には意味はありません。「むちゃ」の由来は諸説ありますが、有力な説としては仏語の「無作(むさ)」からではないかと言われています。「無作」は、自然のままに任せて、手を加えないという意味。そこから、道理が合わないという意味として「無茶」が生まれたと考えられています。

「無茶苦茶」の使い方・例文

「無茶苦茶」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼の文章はまとまりがなく無茶苦茶だ。

2.彼女の生活はだらしなく、無茶苦茶な食生活を送っている。

3.無茶苦茶な内容では理解してもらえないだろう。

「無茶苦茶」は、ひどく乱れている様子を表す四字熟語であるため、基本的にはネガティブな感情を抱いた時に使われています。たとえば、道が非常に混んでいたとしましょう。あまりの人混みに、どのように進めばいいかもわかりません。「非常に混み合っている」と表現することもできますが、家族や友人同士であれば「むちゃくちゃ混んでいたよ」と言うのが自然ではないでしょうか。堅苦しくなく、気さくな雰囲気で相手に情報を伝えることができます。日常会話のなかで、感情表現の一つとして使うとよいでしょう。

\次のページで「「無茶苦茶」の類義語は?違いは?」を解説!/

「無茶苦茶」の類義語は?違いは?

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では、「無茶苦茶」の類義語や違いをみていきましょう。

「滅茶苦茶」

「滅茶苦茶(めちゃくちゃ)」の意味は、「無茶苦茶」とほぼ同じ。秩序や道理がひどく乱れていること。もしくは、どうにもならないほど壊れている、混乱している時などに使われます。「滅茶苦茶」も当て字であるため、漢字自体に意味はありません。そのため「目茶苦茶」と書かれることもあります。

「無茶苦茶」と同様に、「滅茶苦茶」もネガティブな感情を抱いた時に使われる四字熟語でした。ところが、近年ではポジティブな表現をしたい時にも使われるようになっています。たとえば「めちゃくちゃ面白い」や「めちゃくちゃかっこいい」などと言いますよね。良い意味での「ありえない」という感情を表現するために、「滅茶苦茶」が使われるようになりました。間違いではないので、普通の度合いをはるかに超えたと思った時に「滅茶苦茶」を用いるとよいでしょう。

「ちゃらんぽらん」

「ちゃらんぽらん」の意味は、いい加減で無責任なこと。もしくは、その様子に対して使われます。あまりにもいい加減な人を「ちゃらんぽらんな人」と表現することもあれば、無責任な取り組み方に対して「ちゃらんぽらんな仕事」と言うこともあるでしょう。どちらにせよ、決して良い印象ではありませんよね。

ただし、場合によっては「愛嬌がある」というニュアンスで「ちゃらんぽらん」を用いる時があります。何事に対しても無責任であるにも関わらず、不思議と憎めない人がいますよね。そのような人を「無責任な人」と堅苦しく言うのではなく、あえて「ちゃらんぽらんな人」と表現すれば、柔らかい雰囲気で人柄を伝えることができます。いい加減だけれど愛嬌がある人がいたら、「ちゃらんぽらん」を使って表現してみてください。

「無茶苦茶」の対義語は?

では、次に「無茶苦茶」の対義語をみていきましょう。

「理路整然」

「理路整然(りろせいぜん)」の意味は、物事や話の筋道が整っていること。「理路」は、物事の道理、もしくは話や物事の筋道。「整然」は、きちんと正しく整っているという意味になります。「無茶苦茶」は、筋道が立たず道理から外れているという意味ですから、まさに正反対であるといえますね。「理路整然」と話せる人は信頼が厚く、仕事ができる人という印象です。そのため、人柄を伝えるには最適な四字熟語といえるでしょう。

「几帳面」

「几帳面(きちょうめん)」もまた、性格や人柄を伝えるには最適な四字熟語ではないでしょうか。意味は、細かいところまで、きちんと物事を行うこと。規則正しいという意味でも、よく使われていますよね。「几帳面」は、厳格でいい加減ではないことから、「無茶」は絶対にしません。仕事では「几帳面」を心掛けたいところです。

\次のページで「「無茶苦茶」の英訳は?」を解説!/

「無茶苦茶」の英訳は?

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では、「無茶苦茶」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「absurd」

absurd」は「道理に反した」や「ばかげた」という意味。そのため、「いい加減な」や「無茶」として使うことができます。「What an absurd idea」といえば「なんて無茶苦茶な考え方だ」と伝えることができるでしょう。

「messy」

messy」は「乱雑な」や「面倒な」という意味。取り乱している場合や、部屋が散らかっている様子を表す時にも用いられるため、「無茶苦茶」として使うことができます。「My room is so messy」と言えば「私の部屋はとても散らかっている」と直訳できるので、「私の部屋は無茶苦茶だ」というニュアンスで伝えることができるでしょう。

「mess」

mess」は「混乱」や「めちゃくちゃ」という意味なので、「無茶苦茶」として使っても問題ありません。例文としては「His household affairs are in a mess」といえば「彼の家事はむちゃくちゃだ」と伝えることができるでしょう。

「無茶苦茶」を使いこなそう

この記事では「無茶苦茶」の意味・使い方・類語などを説明しました。時代と共に使われなくなっていく四字熟語が多いなか、「無茶苦茶」は今でも年齢層関係なくよく使われています。さらに、否定として使うのではなく、肯定する感覚で使われる場面が増えてきました。間違った使い方に思われがちですが、度を越えた状況ならば問題ないといえるでしょう。なぜなら、「やばい」や「全然」といった言葉もまた、本来は否定の言葉であるにも関わらず、肯定の言葉として使われるようになっているからです。

「無茶苦茶」だけでなく、「滅茶苦茶」や「目茶目茶」といった四字熟語も同様の意味として使っても問題ありません。状況に合わせて、自身の気持ちを表現するために普段の会話で使ってみてください。

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【四字熟語】「無茶苦茶」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「無茶苦茶」について解説する。

端的に言えば「無茶苦茶」の意味は「度を越していること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「無茶苦茶」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「無茶苦茶」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「無茶苦茶」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「無茶苦茶」の意味は?

「無茶苦茶」には、次のような意味があります。

「むちゃ」を強めていう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無茶苦茶」

「無茶苦茶(むちゃくちゃ)」は、「無茶(むちゃ)」を強めた表現であり当て字になります。そのため「無茶苦茶」という漢字自体に意味はありません。これだけでは意味が分かりにくいので、「無茶」の意味を辞典で確認しておきましょう。

1.筋道が立たず、道理に合わないこと。また、そのさま。
2.程度がはなはだしいこと。度を越していること。また、そのさま。
3.知識がないこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無茶」

「無茶苦茶」は日常会話でよく使われていますが、「漢字表記」よりも「ひらがな表記」で使われることが多い四字熟語といえます。度を越している光景を目の当たりにした時、「むちゃくちゃだ」と言うことは誰しもあるのではないでしょうか。たとえば、上司が仕事で無理難題を押しつけてきたとしましょう。現場を無視した計画に、どう考えても実行することは不可能です。そのような時に、「無茶な計画だ」と言いますよね。感情をストレートに表現するならば、「無茶苦茶な計画で困っている」と周囲に漏らすこともあるでしょう。

「無茶苦茶」は、自分の想像を超える理解しがたい状況に出くわした時、素直な気持ちを表すには便利な四字熟語といえます。「ありえない」や「理解できない」と感じた時に、「無茶苦茶」を使ってみてください。

「無茶苦茶」の語源は?

次に「無茶苦茶」の語源を確認しておきましょう。「無茶苦茶」は「茶」が連続して使われていることから、由来は「お茶」からだと思われている方が多いようです。しかし、当て字であることから、「無茶苦茶」という漢字自体には意味がないと考えてよいでしょう。すなわち、「ちゃ」と読める漢字であれば、どのような漢字でも問題なかったといえます。意外と「ちゃ」と読む漢字は少ないため、普段からよく使われている「茶」を当てはめただけといえるでしょう。

また、「無茶苦茶」の元となった「無茶」ですが、こちらも当て字になりますので、漢字自体には意味はありません。「むちゃ」の由来は諸説ありますが、有力な説としては仏語の「無作(むさ)」からではないかと言われています。「無作」は、自然のままに任せて、手を加えないという意味。そこから、道理が合わないという意味として「無茶」が生まれたと考えられています。

「無茶苦茶」の使い方・例文

「無茶苦茶」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼の文章はまとまりがなく無茶苦茶だ。

2.彼女の生活はだらしなく、無茶苦茶な食生活を送っている。

3.無茶苦茶な内容では理解してもらえないだろう。

「無茶苦茶」は、ひどく乱れている様子を表す四字熟語であるため、基本的にはネガティブな感情を抱いた時に使われています。たとえば、道が非常に混んでいたとしましょう。あまりの人混みに、どのように進めばいいかもわかりません。「非常に混み合っている」と表現することもできますが、家族や友人同士であれば「むちゃくちゃ混んでいたよ」と言うのが自然ではないでしょうか。堅苦しくなく、気さくな雰囲気で相手に情報を伝えることができます。日常会話のなかで、感情表現の一つとして使うとよいでしょう。

\次のページで「「無茶苦茶」の類義語は?違いは?」を解説!/

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