物理学

5分でわかる人工衛星の仕組み!理系学生ライターがわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。今回は「人工衛星」について解説していくぞ。

人工衛星は、地球の周りの宇宙空間をまわっている人工天体だ。位置情報サービス、BS放送、衛星電話、充実した天気予報などのサービスを享受できるのは、人工衛星があるからだぞ。今回は、人工衛星の特性や種類を物理学の視点から説明する。ぜひ、この機会に人工衛星について学んでみてくれ。

塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。

人工衛星とは?

image by PIXTA / 42312747

人工衛星は、地球の周りの宇宙空間をまわっている人工天体のことを指しますよ。多くの人工衛星には、様々なセンサー類が搭載されており、地球の地表面の様子などのデータを取得しています。センサーには、地球の表面で太陽光が反射する様子を光学的に観測して画像データ(写真)を得るもの、電波などを利用して地球上に存在する特定の対象物の状態を観測するものなどがありますよ。このように、センサーを利用して情報を取得する技術をリモートセンシングといいます。

人工衛星の具体的な使用目的には、軍事通信放送気象地球観測などがありますよ。実際、BS放送やGPSといった身近な技術も人工衛星によるものなのです。近年では、寿命を迎えた人工衛星や使用済みのロケットの残骸などの宇宙ゴミを回収する人工衛星も研究開発されているようですよ。このようなことから、人工衛星は私たちの生活をより豊かにしてくれる重要な技術であることがわかりますよね。

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人工衛星に搭載された装置が消費する電力は、太陽光発電によって作り出されるぞ。

人工衛星に関する理論

ここでは簡単な力学の計算を使って、人工衛星の打ち上げ、高度、周期、軌道などの説明を進めていきますね。計算には力のつり合い、万有引力、等速円運動などの知識を使います。

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力学の理解に自信がない場合は、この機会に復習することをおすすめするぞ。

打ち上げ方法

打ち上げ方法

image by Study-Z編集部

私たちが、ボールを空に向かって投げたとき、ボールは必ず地面に落ちてしまいます。これは、ボールに重力がはたらいているからです。では、人工衛星は打ち上げ後、どのようになるでしょうか?人工衛星は打ち上げた後も、地面に落下することはなく、地球の周りをグルグルとまわりり続けます。このためには、人工衛星が地面に戻ってこないくらい、非常に速く打ち上げる必要があるのです。この速度を第一宇宙速度といいます。

この第一宇宙速度vを、計算によって求めてみましょう。地球の質量をM、人工衛星の質量をm、地球と人工衛星の中心間距離をR、万有引力定数をGとします。人工衛星の軌道がきれいな円になるとき、人工衛星の遠心力はMv2/Rと表せますよね。また、地球と人工衛星の間にはたらく万有引力の大きさはGMm/R2です。これらの力はつりあうので、Mv2/R=GMm/R2⇔v=√(GM/R)となりますね。

これに実際の値を代入すると、第一宇宙速度vは7.91[km/s]となります!人工衛星を打ち上げるには、最低限でも、この程度の速度が必要なのです。実際は様々な抵抗力や損失が存在するので、これよりもさらに速く打ち上げる必要がありますよ。とてつもなく速いので、驚いてしまいますね。

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第一宇宙速度という言葉を覚えておけ。

高度と周期

高度と周期

image by Study-Z編集部

次に、人工衛星の高度と周期の関係性について考えてみましょう。厳密には、打ち上げ速度が第一宇宙速度を超えると、人工衛星の軌道は楕円になりますが、ここでは近似的に円軌道としています。先ほどの第一宇宙速度の計算より、地球と人工衛星の中心間距離がRのときの人工衛星の速度は、v=√(GM/R)だとわかりますよね。衛星の軌道は半径Rの円となるので、衛星の周期TはT=2πR/v=2πR√(R/GM)となります

このことから、地球と人工衛星の中心間距離Rの値が大きくなるほど、周期Tの値は大きくなることがわかりますね。つまり、人工衛星の高度が高くなるほど、人工衛星が地球周りを1周するのにかかる時間が長くなるのです。人工衛星の周期の違いによって、データの取得できる範囲やデータを取得する速さが決まります。人工衛星の周期も、設計の段階から重要なパラメータになるのです。

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人工衛星の高度が高くなるほど、周期は長くなるぞ。

軌道

軌道

image by Study-Z編集部

ここでは、人工衛星の軌道について解説します。人工衛星の代表的な軌道の1つが赤道軌道です。赤道軌道をとる人工衛星は、赤道の真上をグルグルとまわっています。ほとんどの静止衛星が赤道軌道をとることが知られていますよ。静止衛星については、後で詳しく説明しますね。もう1つ有名な軌道が極軌道です。極軌道衛星は、南極と北極の真上を交互に通過するような軌道を描きますよ

以上で紹介した衛星の軌道はいずれも特殊なものになります。では、一般的な軌道はどのように表現するのでしょうか?その表現方法の1つに、軌道傾斜角がありますよ。軌道傾斜角は、軌道と赤道がなす角のことを指すのです。例えば、赤道軌道の軌道傾斜角は0°、極軌道の軌道傾斜角は90°ですね。

 

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赤道軌道と極軌道について説明できるようにしておけよ。

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