室町時代戦国時代日本史歴史

信長に桶狭間で倒された駿河の守護大名「今川義元」をわかりやすく歴女が解説

今川家とは
今川氏は、足利氏の傍流で他の傍流の斯波家や畠山家とは別格だった吉良氏の分家にあたり、室町幕府の御所である足利将軍家が絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えたあとは今川が継ぐということになっていた名門中の名門で、義元は9代目の当主です。今川家は、代々駿河の守護に任命され、遠江守護家も分流に。初期の分家である今川関口家は幕府の奉公衆であったそう。

2-1、義元、武田信虎の娘と婚姻して同盟

義元は家督を継承後、太原雪斎の助言もあって外交方針を大きく転換、義元は天文5年(1536年)7月、長兄の氏輝の代までは敵対していた隣国の甲斐国の武田信虎の嫡男晴信(信玄)と、摂家に次ぐ家格の精華家の三条公頼の娘の結婚の仲立ち(中御門家出身の母寿桂尼の尽力といわれる)をし、翌年には武田氏当主である武田信虎の娘を正室に迎えて甲駿同盟を成立

2-2、河東一乱で後北条氏と紛争

甲駿同盟の成立は、旧来の盟友で義元の当主継承にも助力した北条氏綱の怒りを買い、天文6年(1537年)2月に北条軍は駿河国富士郡吉原に侵攻。これを第一次河東一乱(かとういちらん)といい、お家騒動の花倉の乱で内部対立を引き摺り家臣団の統制がとれなかった今川軍は、北条軍に対して適切な反撃が行えなかったということ。この合戦で河東(現静岡県東部、富士川より東側)を奪われたので、義元は武田の援軍と連帯して領土奪還を試みたが、反義元派の武将らが義元から離反、家臣の反乱と北条氏の侵攻との板挟みとなり、河東は北条氏に占領されたまま長期化、9年も続くことに。

そして天文14年(1545年)、義元は、河東を奪還するために北条氏と敵対していた山内上杉氏の上杉憲政と同盟を締結し、北条氏を挟み撃ちにする策に出ました。そして同盟国の武田氏にも出陣を要請して侵攻を開始。駿河国には今川と武田連合軍が、関東には山内上杉憲政軍、という形で同時に軍事行動を行ったということで、関東攻めの山内上杉軍は、扇谷上杉氏や古河公方の足利晴氏らとも連合、8万の大軍となって河越城を包囲したために、窮地に立った氏康は武田信玄に仲介を依頼、義元との交渉で河東の地を今川氏に返還する条件で和睦して、第二次河東一乱が終結に。

2-3、義元、尾張の織田信秀とも三河国を巡って対立

義元は河東一乱と並行して三河国へも進出。三河国は元々、松平家の支配だったが、一族の内紛などもあって今川家の庇護下に置かれるほど弱体化したため、天文9年(1540年)、尾張国(現愛知県西部)の織田信秀が三河国(現愛知県東部)に侵攻を開始

義元は三河に援軍を送って三河の諸侯軍と連合、天文11年(1542年)には織田軍と一大決戦し猛攻の前に敗退(これは第一次小豆坂の戦いといわれていますが、後世の創作である可能性もあるということ)。そして天文10年(1541年)には、北条氏綱が死去して氏康が家督を継承。

また甲斐国の武田信虎は嫡男の武田晴信(信玄)、信濃国の諏訪頼重や村上義清と信濃佐久郡侵攻を行った後、信虎は甲斐へ帰国。そして義元と正室で信虎の娘を訪問するために駿河へ来訪したが、晴信(信玄)と重臣たちによって国境を封鎖される無血クーデターが発生義元は晴信(信玄)とも連絡を保ち、お舅様として信虎を厚遇し、義理の弟にも当たる晴信(信玄)とも同盟関係を続けて、高遠合戦では武田に援軍を派遣したということです。

2-4、松平家の人質を巡って織田信秀と争う

天文16年(1547年)西三河の岡崎城主松平広忠が義元に帰順して、嫡男で6歳の竹千代(後の徳川家康)を人質に差し出したが、竹千代を送り届けるはずの三河田原城主(現愛知県田原市)戸田康光が、前年に義元に一族を滅ぼされたために裏切って竹千代は織田氏に届けられたということ。

義元はこのことで戸田宗家を武力で滅ぼし、田原城に有力家臣の朝比奈氏を入れましたが、近年の研究では、これは松平広忠、戸田康光連合軍と、松平家内部の反主流派の松平信孝、酒井忠尚の争いに、要請を受けた義元と織田信秀連合軍が加勢して戦ったもので、その結果戸田氏は義元に滅ぼされ、松平氏は信秀に岡崎城を奪われて竹千代を人質に出すことで許されたのでは、という新たな見方もあるそうです。

2-5、義元、織田信秀に大勝

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立花左近投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

天文17年(1548年)、義元の三河進出に危機感を覚えた織田信秀が侵攻、しかし義元の側近の雪斎と譜代重臣朝比奈泰能らを大将とした今川軍は織田軍に大勝。これは第二次小豆坂の戦いといわれていて、この頃までには、松平広忠も松平信孝を滅ぼして再び今川方に帰属したということです。

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