光武謂覇曰、潁川従我者皆逝、而子独留努力、疾風知勁草
光武の覇(は)に謂ひて曰く、
潁川(えいせん)の我に従ひし者の皆な逝(ゆ)く、
而(しか)して子独り留まる。努力せよ。
疾風に勁草を知る、と。
出典:『後漢書』「王覇伝」
王覇は劉秀(光武帝)の河北攻めに参加していました。しかし戦いは困難を極め、人がどんどんいなくなり、ついに王覇だけになってしまいます。「劉秀は王覇に言った。潁川から私に従っていた者はみな去っていき、お前だけが留まった。強い風が吹いて強い草がわかる」という意味です。
「疾風勁草」の使い方
例文で「疾風勁草」の使い方を見ていきましょう。
1.資金も練習場所も練習時間も思うようにならなかったのに、オリンピックでメダルを取った彼女の座右の銘は、疾風勁草だそうだ。
2.一時期は学生起業家としてもてはやされ、社員が20人いたときもあったが、業績が傾いてからも辞めずに私を支えてくれたのは彼だけだった。疾風勁草の意味が身に染みてわかった。
最初の例文は、逆境にあっても目標を見失わず努力してメダリストになった彼女は、疾風勁草を人生訓にしていたということです。2番目の例文は、業績のよいときは、もてはやされて多くの人が集まってきますが、窮地に立たされたときにはじめて、節操の固い人間が誰かがわかるという意味ですよ。
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