そのため、メラニンのような色素は少ないほうが良いのです。
また、鳥類の羽においては、濃い色素をもつ羽の方が丈夫だから、という説明もあります。温かく湿潤な環境は、細菌などの微生物が繁殖しやすいですよね。細菌の中には羽毛にダメージを与えるものがいるため、それから羽を守るために色が濃くし、羽を強くしているのだといわれているんです。
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さらに、暖かく降水量の多い地域は植生が豊かである、ということも理由の一つとして挙げられることがあります。さまざまな草木が生い茂るジャングルのような環境下では、体色が濃いほうが自分の身を隠すのに都合がよい、カモフラージュになるという説明です。
いくつかの理由が複雑に絡み合い、生物の色を決定しているのでしょう。
グロージャーの法則に当てはまらないもの
地球上に生息する生物は、実に千差万別。化学や物理と違い、生物学ではしばしば「基本的なルールに当てはまらない例外」という存在が現れます。グロージャーの法則においても、やはり例外がみられるのでご紹介しておきましょう。
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たとえば、『グロージャーの法則の例』でご紹介したヒトの場合。寒い地方に色素の薄い人が多い”傾向”はみられるのですが、チベット高原に住むチベット族や、北極圏近くに住むエスキモーの人々では、グロージャーの法則に反して皮膚の色が濃い人が少なくありません。
一体なぜでしょう?チベット族の例の場合、「住環境であるチベット高原が非常に紫外線の強い場所であり、低緯度地域同様に身体の細胞を守るためにメラニンが必要なのではないか」と説明されます。
また、エスキモーの場合は「普通ヒトが日光に当たって合成するビタミンDを補える食生活であり、メラニンを過剰に失う必要がなかったためではないか」と考えられているんです。
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