端的に言えば雲泥万里の意味は「かけ離れていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「雲泥万里」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「雲泥万里」の意味は?
「雲泥万里」には、次のような意味があります。
物事が非常にかけ離れていること。天地雲泥。うんてんばんてん。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「雲泥万里」
「雲泥(うんでい)」とは空に浮かぶ“雲”と地上の“泥”のこと。「里」は距離の単位のひとつで、「万里(ばんり)」で非常に長い距離のことを意味します。
空にある雲と地上の泥ではきわめて遠い距離があることから、へだたりのはなはだしいことや極端に違うことを表現した四字熟語が「雲泥万里(うんでいばんり)」です。特に「雲泥」と「万里」と距離のある意味の単語を重ねることで、強調した言い回しとなっています。
また関連した言葉として「雲泥の差(うんでいのさ)」や「雲泥万天(うんでいばんてん)」もありますが、いずれも「雲泥」を用いてかけ離れた様子を表現した言葉です。
「雲泥万里」の語源は?
次に「雲泥万里」の語源を確認しておきましょう。この言葉は中国の歴史書である『後漢書(ごかんじょ)』矯慎伝(きょうしんでん)が出典と言われています。
この中に書かれているのが「雲に乗り泥を行きて棲宿(せいしゅく)同じからずと雖(いえど)も…」という一節。これは“あなたと私は雲に乗る竜と泥の中を這う亀ほどかけ離れたところに住んでおりますが…”という意味になります。
このように離れた距離のことを雲と泥を用いて表現したのが、「雲泥万里」の語源です。
\次のページで「「雲泥万里」の使い方・例文」を解説!/