
この出来ばえならば金賞受賞も間違いなしと、私に絵画を教えている先生も太鼓判を押してくれた。
あなたのような権力者に太鼓判を押してもらえれば、これほど勇気づけられることはありません。
祖父の形見である刀剣や貨幣には相当な価値があるはずだと、専門家に太鼓判を押していただいた。
「太鼓判を押す」という慣用句を正しく理解するには、だれが何を保証しているのかをつかむことが大切です。一つ目の例文では、先生が私の絵画が金賞を取ると保証してくれていますよね。
二つめの例文では、権力者が何かを保証してくれているようですが、その何かの中身までは判然としていません。ひとついえるのは、そのことで私が心強くなるという事実のみです。
最後の例文では、専門家が刀剣や貨幣に価値があることを保証してくれています。このように「保証」の内容を詳しく抑えておくことが正しい理解につながることを覚えておいてください。
#2 「太鼓判を押す」の類義語は?違いは?

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ところで、「太鼓判を押す」の類義語にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、その中でも代表的な表現を二つほど紹介します。
「折り紙付き」
「折り紙付き」の「折り紙」とは、現代でいう保証書のようなものです。これは平安時代より用いられた横半分に折った文書が由来だとされています。
この「折り紙」は、公文書や贈呈品の一覧などが記されていたそうです。このことから、絶対に間違いのないことを保証するという意味合いで用いられるようになりました。
「お墨付き」
「お墨付き」もまた、「太鼓判を押す」の類義語として十分に通用するものだといえます。こちらは、「墨」の部分を理解するのがポイントです。
ここでいう「墨」とは、花押(かおう)のことだと理解しましょう。花押というのは、将軍や大名が自身の署名を図案化したものです。
つまり、「お墨付き」とはお殿様直筆の保証書ということがいえますね。では、これらの類義語を用いた例文をチェックしておきましょう。
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