
「韋編三絶」の対義語は?
次に、「韋編三絶」の対義語についての説明です。勉学に熱心な意味の「韋編三絶」なので、勉学に身が入らないのが対義語になります。ここでは二種類の対義語を紹介しますが、それぞれ詳しく見ていきましょう。
「一暴十寒」
「韋編三絶」の対義語には、「一暴十寒(いちばくじっかん)」があります。意味は、少しだけ努力してあとは怠けることです。「一暴」は一日目に日に曝して暖めること、「十寒」はそのあとの十日間陰で冷やすことを表しています。
語源は『孟子(もうし)』です。「一日之を暴(あたた)めて十日之を寒(ひや)さば、未だ能く生ずるる者あらざるなり」とあり、継続しなければ効果はないという意味につながっています。
「朽木糞牆」
もう一つの対義語には、「朽木糞牆(きゅうぼくふんしょう)」があります。怠け者や手の施しようのないもの、役に立たない無用なものという意味です。「朽木」は朽ちた木のこと、「糞牆」は腐ってしまいボロボロになった土塀のことを表していますよ。
語源は『論語(ろんご)』にあり、孔子が昼寝をしていた弟子の宰予(さいよ)に対して述べた言葉だとされています。そのあと「お前に対しては何を叱ろうか。いや叱っても仕方ない。」と言ったそうですから、相当のことだったのでしょう。
「repeated reading」
「韋編三絶」の英訳には、「repeated reading」があります。単純に繰り返し読むという意味もありますが、熱心に繰り返して読むという「韋編三絶」や「読書百遍」などと重なるようなニュアンスもありますよ。
その他、「close reading」とすると「精読」という意味です。この場合の「close」は「閉める」というよりも「閉ざす、遮断する」という意味合いで、文章をいくつかの部分に区切って詳しく読み込んでいくイメージがあります。

ここで見たように、「韋編三絶」の類義語や対義語、英訳について解説してきた。「韋編三絶」は繰り返し熱心に本を読むという意味なので、継続的に努力するニュアンスがある。そういう意味では、対義語としては修行に耐えられずに三日で還俗してしまう僧侶のことを表す「三日坊主」も反対の意味と言えるぞ。
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