ICカードの仕組みに応用されている「レンツの法則」とは?理系ライターがわかりやすく解説
磁界の作用反作用という考え方
ICカードの仕組みにも応用されている法則で、導電体に磁界を近づけると決まった方向に電流が流れるというもの。近づけられた磁界を作用、導体が作る磁界を反作用とイメージすればより理解しやすそうです。
レンツの法則と聞くと、まず出てくるのはコイルに磁石を近づけて電流が流れるのを確認する実験です。
電流の流れる向きについて述べたの法則がレンツの法則。実はこの「レンツの法則」、現代生活ではかなり身近な存在なのです。現代の都市部ではSUICAやICOCAなどIC乗車券がかなり普及しているし、コンビニやスーパーでもICカードをかざすことでチャージや支払い、ポイント取得も出来る。これらICカードには「レンツの法則」が応用されている。
この記事では、レンツの法則に深く関係するICカード原理を述べてから、レンツの中身についても触れるよう理系ライターのR175と解説していく。
ライター/R175
関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の高校理科の教員免許も持っている。エンジニアの経験があり、教科書の内容に終わらず実際の現象と関連付けて説明するのが得意。
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形状が基板であれ、導線であれ目的は同じで、どちらも「電流を流す」こと。例えば、電源から電球(LEDライトなど)に配線して文字をライトアップさせるとしましょう。LEDライト1つ1つに導線を配線しても作れますが、それなら導電体と絶縁体を上手く組み合わせて電気回路を作った方が「コンパクト」にできますね。基板のメリットは「コンパクト」に配線できる点です。
現代の電子機器は仕組みが複雑で、大量の電気回路を作る必要があり、コンパクトに配線できるのは大きなメリット。昔は大きなPCでやっていた作業を今はスマホという小さな機器出来るのはこのお陰。ICカードのサイズ内で通信装置を組み込めるのもコンパクトに配線できるお陰。
ICカードをレジや改札機に近づけると、ICカード内の電流が流れ通信を行う仕組みです。ICカード自体には電池など電源は一切入っていません。入っているのは電気回路と通信装置。
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レンツの法則によって発生する電流を誘導電流と言い、前述の通り流れる向きは決まっています。ここでは、分かりやすいようにコイルに磁石を近づけた時を想定しましょう。
例えば、磁石のN極を近づけてみます。磁石の周りの磁界の向き(磁力線)を描くとイラストのようになりますね。コイル内に「突然」左向きの磁界が発生。この時コイルはどうなるか?
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前述の通り、何も磁界がなかった所に「突然」左向きの磁界が発生するわけですから、それを打ち消すためにコイルは右向きの磁界を作る。そのためには「フレミング右ねじの法則」よりイラストのような向きに電流が流れ、これが誘導電流。このように「発生した磁界を打ち消す」あるいは「磁界の変化をなくす」ような向きに電流が流れるというのがレンツの法則の中身。検索するとこのような解説が多く出てくると思われます。
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ところで、力学の分野では「作用反作用」という概念がありますね。レンツの法則で「磁界を妨げる向き」というのはこの「作用反作用」の磁界verと考えてみると分かりやすいです。
\次のページで「力学の作用反作用」を解説!/
まずは力学で言う「作用反作用」を見ていきましょう。意外と見落としガチですが、反作用の力は「どんな場合でも」発生しています。
床に机を置いたら、机が床を押す力(こちらを作用とする)と床が机を押す力(反作用)どちらも発生。物体同士が接触している場合は比較的イメージしやすいもの。
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物体同士が接触していない、宙に浮いている場合でも反作用の力は働いています。例えば、自由落下中のボールに働く力を考えてみましょう。重力のみ。この重力を作用とすれば実は反作用の力も存在しているんです。
重力は言い換えれば「地球がボールを引っ張る力(万有引力)」。つまりこれの反作用は「ボールが地球を引っ張る力(こちらも万有引力)」と考えることが出来ます。ボールに比べて地球があまりにも大きいので見落とされがちですが、万有引力を考える上ではボールも地球も対等であり「ボールが地球を引っ張る」は何もおかしくありません。
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ICカードの仕組みにも応用されている法則で、導電体に磁界を近づけると決まった方向に電流が流れるというもの。近づけられた磁界を作用、導体が作る磁界を反作用とイメージすればより理解しやすそうです。
ICカードの仕組みにも応用されている法則で、導電体に磁界を近づけると決まった方向に電流が流れるというもの。近づけられた磁界を作用、導体が作る磁界を反作用とイメージすればより理解しやすそうです。