物理理科電磁気学・光学・天文学

ICカードの仕組みに応用されている「レンツの法則」とは?理系ライターが解説

レンツの法則と聞くと、まず出てくるのはコイルに磁石を近づけて電流が流れるのを確認する実験だ。

電流の流れる向きについて述べたの法則がレンツの法則。実はこの「レンツの法則」、現代生活ではかなり身近な存在なのだ。現代の都市部ではSUICAやICOCAなどIC乗車券がかなり普及しているし、コンビニやスーパーでもICカードをかざすことでチャージや支払い、ポイント取得も出来る。これらICカードには「レンツの法則」が応用されている。

この記事では、レンツの法則に深く関係するICカード原理を述べてから、レンツの中身についても触れるよう理系ライターのR175と解説していく。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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R175

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の高校理科の教員免許も持っている。エンジニアの経験があり、教科書の内容に終わらず実際の現象と関連付けて説明するのが得意。

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1.ICカードの中身

image by iStockphoto

ICカードに入っているものはICチップ(基板と通信装置)。基板とは、小さな電気回路がいっぱい集まったものとイメージしてください。

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基板にするメリット

基板にするメリット

image by Study-Z編集部

形状が基板であれ、導線であれ目的は同じで、どちらも「電流を流す」こと。例えば、電源から電球(LEDライトなど)に配線して文字をライトアップさせるとしましょう。LEDライト1つ1つに導線を配線しても作れますが、それなら導電体と絶縁体を上手く組み合わせて電気回路を作った方が「コンパクト」にできますね。基板のメリットは「コンパクト」に配線できる点です。


現代の電子機器は仕組みが複雑で、大量の電気回路を作る必要があり、コンパクトに配線できるのは大きなメリット。昔は大きなPCでやっていた作業を今はスマホという小さな機器出来るのはこのお陰。ICカードのサイズ内で通信装置を組み込めるのもコンパクトに配線できるお陰。

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ICカードをレジや改札機に近づけると、ICカード内の電流が流れ通信を行う仕組みです。ICカード自体には電池など電源は一切入っていません。入っているのは電気回路と通信装置。

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ICカードに電気を流すことで通信するとう仕組みのようだが、どうやって電気を流すのだろうか?もちろん、レジや改札機から電気が供給されるわけではないぞ。

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2.電磁誘導とICカード

電磁誘導とは、コイルに磁石を近づけた時にコイルに電流(誘導電流)が流れる現象であり、その時の電流の向きについて述べたのがレンツの法則。具体的に電流がどの向きになるかについては後述しますが、とりあえず何かしらの電気回路の近くに磁界を作ると起電力が発生し「決まった向きに」電流が流れるのです。磁石を近づける対象はコイルでなくとも、ICカードのような一般的な電気回路でも電流は流れます。改札機やレジから磁界を作ってやれば近づけたICカード内のチップに電流が流れてくれ機能しますね。

 

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要は、電気を流す物体の近くで磁界を作ったら、電源がなくても電流が流れてしまうのだ。ICカードはレンツの法則によって「決まった向き」電流を発生させ内臓されているいるチップ作動させることで通信する仕組みだ。ここからはそんな「レンツの法則」について少し掘り下げてみよう

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3.誘導電流の向き

レンツの法則によって発生する電流を誘導電流と言い、前述の通り流れる向きは決まっています。ここでは、分かりやすいようにコイルに磁石を近づけた時を想定しましょう。
例えば、磁石のN極を近づけてみます。磁石の周りの磁界の向き(磁力線)を描くとイラストのようになりますね。コイル内に「突然」左向きの磁界が発生。この時コイルはどうなるか?

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まずはオーソドックスな解説

まずはオーソドックスな解説

image by Study-Z編集部

前述の通り、何も磁界がなかった所に「突然」左向きの磁界が発生するわけですから、それを打ち消すためにコイルは右向きの磁界を作る。そのためには「フレミング右ねじの法則」よりイラストのような向きに電流が流れ、これが誘導電流。このように「発生した磁界を打ち消す」あるいは「磁界の変化をなくす」ような向きに電流が流れるというのがレンツの法則の中身。検索するとこのような解説が多く出てくると思われます。

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今の説明で分かるだろうか?教科書などの解説を見ても、磁石が作る磁界を妨げる向きにコイルが磁界を作る。という解説が一般的。
なぜ、妨げる必要があるのか?せっかくなのでそれについても触れておこう。

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4.作用反作用

ところで、力学の分野では「作用反作用」という概念がありますね。レンツの法則で「磁界を妨げる向き」というのはこの「作用反作用」の磁界verと考えてみると分かりやすいです。

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