この記事では「高山流水」について解説する。

端的に言えば「高山流水」の意味は「素晴らしい演奏のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「高山流水」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「高山流水」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「高山流水(こうざんりゅうすい)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「高山流水」の意味は?

「高山流水」には、次のような意味があります。

〔「列子湯問」による。琴の名手であった伯牙が、高山や流水を思って琴を奏でると、親友の鍾子期しようしきがそれを感じとったという故事から〕
音楽のすぐれて巧みなこと。絶妙の演奏。また、知己。 → 知音ちいん

出典:大辞林(三省堂)「高山流水」

この四字熟語は、「素晴らしい演奏」や、そうしたことを理解し合える「素晴らしい友人」のことを意味します。

漢字を読んで字のごとく「素晴らしい自然」を指すのにも使えますが、四字熟語としての意味は、それだけではないことをしっかり押さえてください。

複数の意味を持つ理由は、語源の項で説明するストーリーがあってのことです。そのため、知識として知っておかないと、試験で出題された場合に答えることができないでしょう。記憶で確実に差がつくところですよ。

「高山流水」の語源は?

「高山流水」の語源は、中国戦国時代の文献『列子』「湯問」に見ることが出来ます。

琴の名手の伯牙(はくが)の腕前を、友人の鐘子期(しょうしき)が褒める場面です。伯牙が雄大な自然を思い浮かべながら演奏するのを、「泰山(たいざん)ようだ、大河のようだ」と情景が目に浮かぶほど素晴らしいと評価します。

彼らはイメージが共有できるほどの友人だった、というストーリーから生まれた言葉なのです。

鐘子期の死後、悲しんだ伯牙は演奏をやめてしまったほどで、そのためか一部の辞典では「芸術が失われてしまうこと」「かけがえのない友情は簡単には手に入らない」と解説するものもありました。

あまり一般的ではないため、先に紹介した意味よりは優先度を下げても大丈夫でしょう。ストーリーを理解しておけば想像できると思います。

\次のページで「「高山流水」の使い方・例文」を解説!/

「高山流水」の使い方・例文

「高山流水」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・世界的に有名な音楽家の演奏は、インターネット上でもシェアされて拡散し、その高山流水さを世に響かせている。

・父は、近所に住んでいるおじさんについて、彼は小学生時代からの高山流水の友達なんだと言っている。

・今も手付かずで残っている東北の高山流水を保護するため、多くの人が協力し合っている。

上から順に、「素晴らしい音楽」「気心の知れた友人」「素晴らしい自然」という意味でご紹介しました。

このように、文脈によって完全に意味の変わる言葉です。漢字自体は簡単なものですが、例文三番目の意味だと思って読んでしまうとおかしくなってしまいますね。

逆に言えば、引っ掛け問題として使われやすいとも考えられます。選択肢から選ばされる可能性も考えられますので、試験で意味を問われた場合は、文脈から選べるようにしましょう。

「高山流水」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「高山流水」の類義語には、漢字を逆にした「流水高山(りゅうすいこうざん)」があります。同じ意味なので、説明は不要でしょう。

ここではそれ以外に、「気心の知れた友人」を意味する「知音」「知己」と、「素晴らしい自然」を意味する「山紫水明」をここでは説明します。

「知音」「知己」

「知音(ちいん)」「知己(ちき)」は、「よく心を知り合っている親友」を指す熟語です。読み方が問われることもある言葉ですので、しっかり押さえましょう。

ただの知り合い」という意味合いで使われることもありますが、もともとの意味はより深い友人関係を表します。

特に「知音」は「高山流水」と同じ語源から生まれた言葉です。ストーリーを理解していると、「音」の漢字が使われていることも納得できるでしょう。

\次のページで「「山紫水明」」を解説!/

・僕は友達が少ないけれど、たったひとり知音と呼べる人がいることに心から感謝している。

・同窓会でたくさんの知己に再会して、とても有意義な時間だったと祖父は嬉しそうに語っている。

「山紫水明」

「山紫水明(さんしすいめい)」は「山や川の美しい景色」を表現する四字熟語。

「紫」は、「夕暮れ」を指していたり、「高貴な色」であるなどの説があり、美しい光景を意味する単語として使われているようです。

「高山流水」とは「素晴らしい自然」という意味でのみ同義語になり、それ以外の意味は持たないことには注意してください。

ずっと来たかった飛騨高山の山紫水明の大地に赴いて、僕たちは思いっきりバカンスを楽しんだ。

「高山流水」の対義語は?

「高山流水」の明確な対義語は見つかりませんでした。

複数の意味を持つことと、語源のストーリーから生まれた言葉であることなどが理由で、逆の意味の言葉は作られなかったのでしょう。

「高山流水」の英訳は?

image by iStockphoto

「高山流水」の英語訳は「skillfully played music」「close friend」「the beauty of nature」などが考えられます。

既にご紹介した通り、まったく異なる意味を複数持つ四字熟語です。何を表現したいかで用いる英語も変わります。英訳の際には注意しましょう。

「skillfully played music」「close friend」「the beauty of nature」

それぞれの意味を順番に解説します。

まず「skillfully played music」で「素晴らしい演奏」。「skillifully」は「熟練した、上手な」という意味で、他の単語に変えても構いません。

次に「close friend」で「素晴らしい友人、親友」。「best friend」でも構いませんが、「close」は「距離が近い、親密である」ことをより明確に示すことが出来ます。

三番目が「the beauty of nature」で「自然の美しい景色」。山や川などの単語を使っても良いでしょう。

このように簡単な用語で表せますが、「高山流水」は複雑な意味を持つ四字熟語でした。可能な範囲で、そのニュアンスやイメージを伝えられるような表現にしたいですね。

\次のページで「「高山流水」を使いこなそう」を解説!/

・At the global competition, many skillfully played music was performed.
その世界的コンクールで、高山流水たる音楽が数多く披露された。

・I have very close friends for decades.
私には数十年来の付き合いの、高山流水である友人がいる。

・We were moved by the beauty of nature without words.
私たちはその高山流水たる自然に言葉もなく感動した。

「高山流水」を使いこなそう

この記事では「高山流水」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「素晴らしい景色」を思って奏でられる「素晴らしい演奏」。そしてそんな気持ちを本当の意味で理解してくれる「素晴らしい友人」。

この言葉は、異なる意味を持つというよりも、そのすべてを含んだ奥深い言葉だといえます。背景にあるストーリーを理解して使うと、より意味が深くなるでしょう。

" /> 【四字熟語】「高山流水」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【四字熟語】「高山流水」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

この記事では「高山流水」について解説する。

端的に言えば「高山流水」の意味は「素晴らしい演奏のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「高山流水」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「高山流水」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「高山流水(こうざんりゅうすい)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「高山流水」の意味は?

「高山流水」には、次のような意味があります。

〔「列子湯問」による。琴の名手であった伯牙が、高山や流水を思って琴を奏でると、親友の鍾子期しようしきがそれを感じとったという故事から〕
音楽のすぐれて巧みなこと。絶妙の演奏。また、知己。 → 知音ちいん

出典:大辞林(三省堂)「高山流水」

この四字熟語は、「素晴らしい演奏」や、そうしたことを理解し合える「素晴らしい友人」のことを意味します。

漢字を読んで字のごとく「素晴らしい自然」を指すのにも使えますが、四字熟語としての意味は、それだけではないことをしっかり押さえてください。

複数の意味を持つ理由は、語源の項で説明するストーリーがあってのことです。そのため、知識として知っておかないと、試験で出題された場合に答えることができないでしょう。記憶で確実に差がつくところですよ。

「高山流水」の語源は?

「高山流水」の語源は、中国戦国時代の文献『列子』「湯問」に見ることが出来ます。

琴の名手の伯牙(はくが)の腕前を、友人の鐘子期(しょうしき)が褒める場面です。伯牙が雄大な自然を思い浮かべながら演奏するのを、「泰山(たいざん)ようだ、大河のようだ」と情景が目に浮かぶほど素晴らしいと評価します。

彼らはイメージが共有できるほどの友人だった、というストーリーから生まれた言葉なのです。

鐘子期の死後、悲しんだ伯牙は演奏をやめてしまったほどで、そのためか一部の辞典では「芸術が失われてしまうこと」「かけがえのない友情は簡単には手に入らない」と解説するものもありました。

あまり一般的ではないため、先に紹介した意味よりは優先度を下げても大丈夫でしょう。ストーリーを理解しておけば想像できると思います。

\次のページで「「高山流水」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: