端的に言えば「小心翼翼」の意味は「気が小さい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「小心翼翼」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/すけろく
現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。
「小心翼翼」の意味は?
まずは、国語辞典での定義から。「小心翼翼」には、次のような意味があります。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「小心翼翼」
「小心翼翼」は、大きく分けて二つの意味を持つのが特徴です。それは、前半部の「小心」をどのようにとらえるのかによります。
これをそのまま「気が小さい」ととらえれば、何かに怯えてびくびくしている様子が浮かび上がってきそうです。そうではなく、「小さなことへの心配り」という風にとらえれば、細かいところにまでよく気がつく人物を想像することができます。
では、後半分の「翼翼」には、どのように解釈すればいいのでしょうか。これは、親鳥がその両翼でひな鳥を包み込むようにかばう様子を表しています。
このことが、現在の慎み深く遠慮がちな様子を表す意味へとつながっていきました。小心者の方ではなく、こちらの慎み深い様子を表す方が、本来の意味であるとされています。
「小心翼翼」の出典は?
次に「小心翼翼」の出典を確認しておきましょう。この四字熟語は、論語と並ぶ四書のひとつである「詩経」の大雅というパートが出典です。
その文章中では、古代中国の周王朝の文王を讃えた、次のようなくだりがあります。
維此文王、小心翼々。(これこの文王、小心翼翼たり。)
これは、「この文王は慎み深く細かな気配りができる方であった」という意味です。
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