端的に言えば金甌無欠の意味は「物事が完全であって決定がないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「金甌無欠」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「金甌無欠」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「金甌無欠」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「きんおうむけつ」です。現在使われる基本的な意味とそれに関連する意味合いなどもあわせて確認していきますよ。
「金甌無欠」の意味は?
「金甌無欠」には、次のような意味があります。特徴のある「金甌」という表現が使われているので、漢字一つ一つの意味もチェックしていきましょう。
1.物事が完全で欠点のないたとえ。特に、堅固な守りのため、一度も外国から侵略されたことのない国家、また一度も侵されたことのない天子の位のたとえ。
出典:四字熟語辞典(学研)「金甌無欠」
「甌」は「瓶(かめ)」のことなので「金甌」で黄金の瓶のこと、「無欠」は欠けることがないということを表しています。欠けているところのない黄金の瓶ということをもとの意味です。そこから、物事が完全で欠点がないこと、また、国家や天子が侵されることなく安泰であることを表します。
欠けていることがないということですから、戦ったり争って守り切ったりということではなく、攻められたり戦うことすらないという状況のことです。さらには、侵略を受けないばかりか侮りを受けず尊厳を保っているというニュアンスもありますよ。
「金甌無欠」の語源は?
次に「金甌無欠」の語源を確認しておきましょう。
「金甌無欠」は、中国の南朝について書かれた歴史書である『南史(なんし)』の朱异に由来します。『史記(きし)』や『漢書(かんじょ)』『三国志(さんごくし)』なども含まれる「二十四史」の一つです。
そこには「我が国家は相変わらず金甌が傷欠くことがないかのようだ」とあり、国家のことを黄金の瓶にたとえていることがわかります。
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