「四面楚歌」
「四面楚歌」は「しめんそか」と読む四字熟語で、敵に周りを囲まれて孤立した様子を表します。
元は中国で、前漢の時代に楚(そ)の項羽(こうう)が敵の漢軍に包囲された際、四方を囲む敵から故郷である楚の歌が聴こえてきたことに「故郷の楚も漢に降ってしまったのか」と嘆き、同時に敗北を悟った故事が由来です。
このように「孤城落日」も「四面楚歌」もいずれも孤立した様子であることは同様ですね。ただし「四面楚歌」には“かつて栄えたものの衰え”や“物悲しい様子”は含まれず、「孤城落日」にはない“周囲が敵ばかり”という意味があります。前提や状況が異なる点も抑えておきましょう。
「孤城落日」の対義語は?
ここでは「孤城落日」の意味と反対のニュアンスを持つ語句を2つ解説します。
「一致団結」
「一致団結(いっちだんけつ)」とは、多くの人たちがひとつの目的に協力しまとまること。「一致」は二つ以上のものが食い違いなく一つになることを指し、「団結」は共通の目的のために複数の人がまとまることを指します。
多くの人が一緒に物事を進める状況で用いる言葉で“孤立した様子”とは完全に真逆の状況と言えるでしょう。そのため「孤城落日」の孤立に対し、対義語表現のひとつとして挙げられます。
「共存共栄」
「共存共栄(きょうぞんきょうえい)」は2つ以上のものが敵対することなく、ともに生存し反映することを表した四字熟語です。
「孤城落日」ではかつて栄えたものが孤立しているのに対し、「共存共栄」は助け合う存在と一緒に繁栄していく様子を表しています。孤立することも繁栄が衰えることもなく、まさしく「孤城落日」が辿った道とは正反対の言葉です。
「lone and helpless」
「lone and helpless」は「孤城落日」の状況を英語で表した表現で、“助けもなく孤独であること”を意味します。ただし「孤城落日」の“かつては栄えていた”といったニュアンスは含んでいないので注意しましょう。
なお、「lone」を同じく“孤独”の意味を持つ「solitary」という単語で置き換えても問題ありません。
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