この記事では「虎視眈眈」について解説する。

端的に言えば「虎視眈眈」の意味は「チャンスを狙うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「虎視眈眈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「虎視眈眈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「虎視眈眈(こしたんたん)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「虎視眈眈」の意味は?

「虎視眈眈」には、次のような意味があります。

[ト・タル][文][形動タリ]《「易経」頤卦から》虎が、鋭い目つきで獲物をねらっているさま。転じて、じっと機会をねらっているさま。「虎視眈眈とチャンスをうかがう」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「虎視眈眈」

漢字を分解すると、「虎視」は「虎が(獲物などを)注視していること」。「眈々」も「虎などが、眼を鋭くして狙うさま」。転じて、「機会を狙って様子を窺うこと」の意味になります。

虎が身を低くして、じっと獲物を狙っている様子を思い浮かべてください。今か今かとチャンスを窺っていることが想像できるでしょう。

気を付けたいのは漢字表記で、「眈」を「」と書かないように注意。偏を「目」ではなく「耳」とするのは誤りで、「眈」は「にらむ」、「耽る」は「ふける」と訓読みし、どちらも「タン」と音読みするよく似た漢字です。

ただし「眈」は使用する漢字が「眈々」くらいしかないのに対して、「耽」は「耽溺(たんでき)」や「耽美(たんび)」など、一般的に使われやすいといえます。

「虎視眈々」の場合は常用しない特殊な漢字だと認識し、書き間違いに注意してくださいね。

「虎視眈眈」の語源は?

次に「虎視眈々」の語源を確認しておきましょう。

この言葉は、古代中国の書物で、占いや思想のテキストである『易経(えききょう)』に見ることが出来ます。

特定の占い結果について、「身分が低いものに養われても良い。(その場合、上のものは)欲望をたくましくしても問題なし。虎が睨むように、管理せよ」と解説されています。

侮られる可能性があるのだから、下のものをしっかり管理しなければならない、ということです。現在の意味とは異なっていることがわかりますね。

国語辞典によっては「強いものがチャンスを狙う」と記載されているものもありましたが、おそらくこうした由来の影響もあるかもしれません。

現在は更にそこから変化し、「チャンスを狙う」という意味に焦点が当たり、誰にでも使われるようになりました。語源の知識も覚えておくと面白いでしょう。

\次のページで「「虎視眈眈」の使い方・例文」を解説!/

「虎視眈眈」の使い方・例文

「虎視眈眈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・環境ビジネスが白熱して、各々の専門店が更なる新製品開発のチャンスを虎視眈々と狙っている。

・大量消費の現代、複雑な技術進歩も目覚ましく、どの企業も虎視眈々と、消費者への新たなサービス提供機会を探っている。

・少しでも遅れると、食堂の一番人気メニューの熟成豚肉定食が売り切れてしまうので、みんな昼休み前から虎視眈々と狙っている。

機会を窺う、チャンスをものにしようと狙っている」というイメージがつきますでしょうか。

「虎視眈々と」している時はまだ動き出していません。獲物を獲得するために、虎が暗闇で目を光らせているイメージです。

この四字熟語が使われた場合は、少なくとも表面上での動きがないということを、逆に読み取ることが出来ますね。

また、睨むという動作から勘違いするかもしれませんが、この四字熟語には、恨みや悔しさの感情は込められていないことにも注意しましょう。

引っ掛け問題が出ることもあるかもしれません。合わせて押さえておいてください。

「虎視眈眈」の類義語は?違いは?

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「虎視眈々」の類義語には「垂涎三尺」や「野心満満」が考えられます。

「垂涎三尺」

「垂涎三尺(すいぜんさんじゃく/すいえんさんじゃく)」とは、「なにかをとても強く欲しいと思うこと」。

「垂涎」は「よだれを垂らすこと」で、これだけでも同様の意味がありますが、そのよだれが「三尺」もの長さになっているということで、更に意味が強調されています。

「虎視眈々」と何かを狙う、欲望の強さに注目した場合の類義語といえるでしょう。

\次のページで「「野心満満」」を解説!/

ずっと欲しいと願っていた特別な報酬を前にして、彼は早くも垂涎三尺といった様子だった。

「野心満満」

「野心満満(やしんまんまん)」は「野心に満ち満ちている様子」のこと。

「野心」とは、「身分を超えるほどの望みや野望」や「大きな成功を望み、新しいことに取り組もうとする気持ち」などのこと。

辞書によれば、前者の「身分不相応の望み」に満ちていることが、この四字熟語の正式な意味だそうです。使い方によっては「虎視眈々」と狙う以上の、強く大きい気持ちを表すこともできるでしょう。

会社を興したばかりの彼だが、目標は世界だと野心満満の目標を周囲に語っている。

「虎視眈眈」の対義語は?

「虎視眈々」の明確な対義語は見つかりませんでした。「じっとチャンスを窺う」という様子の逆は、何もしないこと、でしょうか?わざわざ言い表す必要もないからかもしれませんね。

「虎視眈眈」の英訳は?

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「虎視眈々」の英語訳には「vigilantly」や「be eager to ~」が考えられるでしょう。使い方も別途ご紹介します。

「vigilantly」

「vigilantly」は「油断なく、用心深く」という意味の副詞です。

「狙う」などを意味する「watch」や「aim」といった動詞と合わせることで、「虎視眈々と」を表現できます。以下の語例のように「chance」などの単語も入れるとその意味がより強調できるでしょう。

\次のページで「「be eager to ~」」を解説!/

She watches vigilantly for a chance to get promoted.
彼女は昇進のチャンスを虎視眈々と狙っている。

「be eager to ~」

「eager」は「熱望する、熱心に思う」という動詞です。

この場合は息をひそめて狙っているというよりも、強い欲望を表すことになります。「vigilantly」とも比較して、文脈からどのような表現にすべきか選択できるようにしましょう。

He is eager to get a Nobel Prize.
彼は虎視眈々とノーベル賞を狙っている。

「虎視眈眈」を使いこなそう

この記事では「虎視眈眈」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「虎視眈々と」しているのは動物の虎。現時点で既に十分強い生き物で、それがチャンスを狙うのですから大きな成果なのでしょう。

現在はどんな人が「虎視眈々と」しても用法的には間違いはないでしょうが、やはり普段から努力していたり、実力のある人が更なるチャンスを狙うと言った方が、しっくりくるかもしれません。

皆さんも日々しっかり勉強して、大きな目標を狙いましょう。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「虎視眈眈」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

この記事では「虎視眈眈」について解説する。

端的に言えば「虎視眈眈」の意味は「チャンスを狙うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「虎視眈眈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「虎視眈眈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「虎視眈眈(こしたんたん)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「虎視眈眈」の意味は?

「虎視眈眈」には、次のような意味があります。

[ト・タル][文][形動タリ]《「易経」頤卦から》虎が、鋭い目つきで獲物をねらっているさま。転じて、じっと機会をねらっているさま。「虎視眈眈とチャンスをうかがう」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「虎視眈眈」

漢字を分解すると、「虎視」は「虎が(獲物などを)注視していること」。「眈々」も「虎などが、眼を鋭くして狙うさま」。転じて、「機会を狙って様子を窺うこと」の意味になります。

虎が身を低くして、じっと獲物を狙っている様子を思い浮かべてください。今か今かとチャンスを窺っていることが想像できるでしょう。

気を付けたいのは漢字表記で、「眈」を「」と書かないように注意。偏を「目」ではなく「耳」とするのは誤りで、「眈」は「にらむ」、「耽る」は「ふける」と訓読みし、どちらも「タン」と音読みするよく似た漢字です。

ただし「眈」は使用する漢字が「眈々」くらいしかないのに対して、「耽」は「耽溺(たんでき)」や「耽美(たんび)」など、一般的に使われやすいといえます。

「虎視眈々」の場合は常用しない特殊な漢字だと認識し、書き間違いに注意してくださいね。

「虎視眈眈」の語源は?

次に「虎視眈々」の語源を確認しておきましょう。

この言葉は、古代中国の書物で、占いや思想のテキストである『易経(えききょう)』に見ることが出来ます。

特定の占い結果について、「身分が低いものに養われても良い。(その場合、上のものは)欲望をたくましくしても問題なし。虎が睨むように、管理せよ」と解説されています。

侮られる可能性があるのだから、下のものをしっかり管理しなければならない、ということです。現在の意味とは異なっていることがわかりますね。

国語辞典によっては「強いものがチャンスを狙う」と記載されているものもありましたが、おそらくこうした由来の影響もあるかもしれません。

現在は更にそこから変化し、「チャンスを狙う」という意味に焦点が当たり、誰にでも使われるようになりました。語源の知識も覚えておくと面白いでしょう。

\次のページで「「虎視眈眈」の使い方・例文」を解説!/

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