この記事では「熟慮断行(じゅくりょだんこう)」という四字熟語について解説する。

端的に言えば「熟慮断行」の意味は「考え抜いてしっかり行動する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「熟慮断行」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく

現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

#1 「熟慮断行」の意味や使い方のまとめ

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それでは早速「熟慮断行」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「熟慮断行」の意味は?

まずは、国語辞典での定義から。「熟慮断行」には、次のような意味があります。

考えに考え抜いたうえで、思い切って行動にうつすこと。

出典:大辞林 第三版(三省堂)「熟慮断行」

「熟慮断行」の意味をしっかりと理解するために、「熟慮」と「断行」のふたつに分けて見ていきましょう。まずは「熟慮」からですが、ポイントとなるのは「慮」の表す意味です。

「慮」には、思いをめぐらすという意味があります。これに「よくよく」という意味の「熟」を合わせたものが「熟慮」です。

一方、「断行」の「断」には「どうあろうとも必ず」という意味があります。つまり、「断行」とは一度決めたらどうあろうと実行することを表しているのです。

これら二つの熟語を組み合わせると、「熟慮断行」の意味がしっかりと浮かび上がってくるのではないでしょうか。

「熟慮断行」の使い方・例文

「熟慮断行」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「熟慮断行」の類義語は?違いは?」を解説!/

熟慮断行できることは、組織のリーダーに求められる資質のひとつだといえよう。

これはあなたの将来に大きくかかわることなので、ぜひ熟慮断行していただきたい。

みんなが熟慮断行した上で出た結果ならば、これっぽっちも恥じ入る必要はないよ。

「熟慮断行」が含まれる文を正確に理解するには、次の表現と置き換えてみるとよいでしょう。その表現とは、「よく考えて迷わず実行する」というものです。

たとえば、最初の文であれば冒頭の部分を「よく考えて迷わず実行できることは、……」としてみてください。文の内容がかなり分かりやすくなったのではないでしょうか。

また、自分が「熟慮断行」を使おうとする場合でも、この手段は有効的だといえます。逆に「よく考えて……」の部分にこの四字熟語を当てはめてしまえばよいからです。

#2 「熟慮断行」の類義語は?違いは?

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ところで、「熟慮断行」類義語にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、中でも代表的なものを二つご紹介します。

「思慮分別」

「思慮分別(しりょふんべつ)」は、「熟慮断行」の類義語の中でも代表格だといえるものです。この四字熟語には、注意深く考えて判断するという意味合いがあります。

ただし、実行するという意味までは含まれていないので、使用する際には注意が必要です。また、読み方が「――ぶんべつ」ではなくて、「――ふんべつ」である点にも気をつけましょう。

「好謀善断」

「好謀善断(こうぼうぜんだん)」もまた、「熟慮断行」の類義語だといえるものです。こちらの四字熟語は、よく考えて物事を適切に処理するという意味を持ちます。

前半部を占める「好謀」の「謀」には、「はかりごと」「くわだて」といった意味があるのは事実です。しかしながら、ここでは「計画を立てる」「しっかり考える」という意味を表しています。

また、後半部の「善断」が表すのは、「善く処断する」ことです。これは、しっかりと決断し処理することだと覚えておきましょう。

\次のページで「「熟慮断行」の対義語は?」を解説!/

あなたはもう子供ではないのだから、今後は思慮分別のある行動をとっていく必要がありますよ。

サイト等で情報を十分に収集した後、トップが好謀善断すれば、この困難も十分に乗り切れよう。

#3 「熟慮断行」の対義語は?

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では、「熟慮断行」対義語はどのようにとらえればいいのでしょうか。じっくりと考えた上でしっかりと行動するの反対語は、よく考えずに行動してしまうことだと考えられます。

ここでは、そのような意味合いを持った四字熟語を二つほど見ていきましょう。

「軽率短慮」

「軽率短慮(けいそつたんりょ)」は、「熟慮断行」の対義語として十分に通用するものです。この四字熟語には、深く考えず軽はずみに行動するという意味があります。

前半部と後半部を入れ替えて「短慮軽率」とする場合もありますが、表す意味合いはほぼ変わりません。「軽率」には、軽々しく行動してしまうことを意味します。

また、「短慮」が表すのは、考えが浅く十分でない様子です。これらを合わせると、「軽率短慮」全体の意味になります。

「軽挙妄動」

「軽挙妄動(けいきょもうどう)」もまた、熟慮断行の対義語となり得るものです。この四字熟語には、軽率な行動や分別のない行動をとるという意味があります。

軽率だったり分別がなかったりするということは、よく考えていないことの現れだといえるでしょう。あるいは、そのような判断力が備わっていないのかもしれませんね。

いずれにしても、熟慮断行とは正反対の行動を表す言葉であると断言できます。

組織のリーダーたる者が軽率短慮な振る舞いを見せては、部下に対して示しがつかない。

王位や皇帝の座を狙って軽挙妄動を起こせば、結果は火を見るよりも明らかであろう。

#4 「熟慮断行」の英訳は?

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では、最後に「熟慮断行」の英語訳についても押さえておきましょう。ここでは、中でも代表的なものをひとつご紹介します。

\次のページで「「deliberate in counsel, prompt in action」」を解説!/

「deliberate in counsel, prompt in action」

「deliberate in counsel, prompt in action」は、「熟慮断行」を忠実に英訳したものだといえます。やや難しい表現を含んでいますので、もう少し詳しくみていきましょう。

前半部の「deliberate」と「counsel」は、それぞれ「慎重な検討」と「協議」を表しています。また、後半部の「prompt」と「action」の意味は、それぞれ「速やかな」と「行動」です。

これらをつなげ合わせると、協議や検討は慎重に行い、行動は速やかに起こすという意味になります。これは、「熟慮断行」の意味に近いといえるのではないでしょうか。

「熟慮断行」を使いこなそう

この記事では「熟慮断行」の意味・使い方・類語などを説明しました。この四字熟語には、よく考え抜いたうえでしっかりとした行動をとるという意味がありましたね。

人間は「熟慮」ができても「断行」できなかったり、「断行」ができるのに「熟慮」が苦手だったりするものです。つまりは、なかなか二つを兼ね備えるのは難しいと。

その両方を持ち合わせた人が、どのような世界でも組織のリーダーとして適任です。きっと、皆を引っ張っていく役割を担ってくれることでしょう。

みなさんも、この四字熟語を使う機会に恵まれたら、臆せずにどんどん使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「熟慮断行」の意味や使い方は?例文や類語も含めて現役文系講師が詳しくわかりやすく解説!

「deliberate in counsel, prompt in action」

「deliberate in counsel, prompt in action」は、「熟慮断行」を忠実に英訳したものだといえます。やや難しい表現を含んでいますので、もう少し詳しくみていきましょう。

前半部の「deliberate」と「counsel」は、それぞれ「慎重な検討」と「協議」を表しています。また、後半部の「prompt」と「action」の意味は、それぞれ「速やかな」と「行動」です。

これらをつなげ合わせると、協議や検討は慎重に行い、行動は速やかに起こすという意味になります。これは、「熟慮断行」の意味に近いといえるのではないでしょうか。

「熟慮断行」を使いこなそう

この記事では「熟慮断行」の意味・使い方・類語などを説明しました。この四字熟語には、よく考え抜いたうえでしっかりとした行動をとるという意味がありましたね。

人間は「熟慮」ができても「断行」できなかったり、「断行」ができるのに「熟慮」が苦手だったりするものです。つまりは、なかなか二つを兼ね備えるのは難しいと。

その両方を持ち合わせた人が、どのような世界でも組織のリーダーとして適任です。きっと、皆を引っ張っていく役割を担ってくれることでしょう。

みなさんも、この四字熟語を使う機会に恵まれたら、臆せずにどんどん使ってみてくださいね。

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