広い宇宙にはたくさんの天体がある。俺たちのいる地球も天体の一種で、太陽系にある惑星のひとつです。

惑星とは恒星の周りを公転している天体です。ただし、恒星の周りを公転している天体がすべて惑星なわけではない。惑星であるには他にも条件がある。

今回は太陽系にある8個の惑星について紹介する。解説は科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

不思議な現象を解明する科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校、大学と化学漬けの日々を送っていた科学館職員。

惑星とは?

惑星とは?

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そもそも惑星とはなんでしょうか?惑星とは恒星を回る天体のうち、

・十分な質量があってほぼ球状となっている

・軌道上に衛星以外の天体がない

天体のことです。

恒星の周りを回っている天体はたくさんあります。例えば小惑星も恒星の周りを回る天体です。しかし質量が軽いと球状になることができず、いびつな形をしています。一方、冥王星も十分に質量があり球状をしている天体です。しかし他の惑星と挙動が異なり、冥王星は準惑星に分類されています。

惑星についてはこちらの記事を読んでくださいね。

太陽系の全惑星のデータ、大公開

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それでは太陽に近い水星から順番に紹介していきます。

自転にかかる時間No1の小さな惑星、水星

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太陽に最も近い水星。太陽からの平均距離は、太陽系で最も小さく公転の速い惑星です。直径は地球の40%以下で、公転は3か月もかからずに太陽の周りを一周することができます。

水星は太陽が当たると430℃近い高温になる一方、最低温度はー180℃と温度差が大きい惑星です。水星には決して日が当たらない部分もあり、これを永久影領域と言います。水星の探索は1973年に打ち上げられたマリナー10号、2004年に打ち上げらえたメッセンジャーによって行われました。

水星の大気は水素原子やヘリウム、酸素原子、そして地殻由来のナトリウムやカリウムが含まれています。

直径:4,879km

質量:3.30×1023

公転にかかる時間:約88日

自転にかかる時間:約58日

太陽からの距離:約5,790万km

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明けの明星・宵の明星、金星

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地球の姉妹惑星と呼ばれている金星。大きさは地球よりわずかに小さい程度で、公転軌道も地球と似た惑星です。

金星の大気の主成分は二酸化炭素で、わずかに窒素を含んでいます。平均温度は460℃と高温で、意外にももっと太陽に近い水星よりも高いのです。最も自転に時間がかかる惑星で、約117日かかります。2番目に長い水星が約58日なのでちょうどその倍の時間がかかっているのですね。

直径:12,103㎞

質量:4.87×1024

公転にかかる時間:約225日

自転にかかる時間:約117日

太陽からの距離:約1億820万km

命あふれる惑星、地球

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窒素や酸素からなる大気があり、唯一生物の生存が確認されている惑星です。地球が誕生してから約46億年がたっています。豊富な水があり、地球の表面の7割以上が海です。

地球の自転軸は約23°傾いています。このおかげで地球には四季があるのです。

直径:12,756km

質量:5.97×1024

公転にかかる時間:365日

自転にかかる時間:24時間

太陽からの距離:約1億4,960万㎞

生命はいるのかいないのか?火星

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火星には生命に必須の水からできた氷があることから、現在または過去に生物がいた可能性があるとされている惑星です。その表面は含まれている酸化鉄によって赤い色をしています。

火星の直径は地球の半分ほどしかありません。大気は二酸化炭素が主成分となっています。温度は平均ー63℃で最低はー140℃、最高で20℃くらいになるのです。自転の速さは地球と同じくらいですが、公転には2倍近くかかります。

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直径:6,794km

質量:6.42×1023

公転にかかる時間:約687日

自転にかかる時間:約24時間30分

太陽からの距離:約2億2,790万km

太陽系最大の惑星、木星

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太陽系で最も大きな惑星は木星です。地球の11倍以上の大きさの惑星ですが、それでも地球の1割程度の大きさしかありません。木星もは独特な模様がみられ、その模様は大赤斑(だいせきはん)と言います。

ガスを主成分とした惑星で、薄いリングが特徴。2018年の時点で衛星が79個も確認されています。木星の大気のほとんどが水素です。

直径:142,984km

質量:1.90×1027

公転にかかる時間:約12年

自転にかかる時間:約10時間

太陽からの距離:約7億7,830万km

美しさNo1!リングが特徴の土星

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太陽系で2番目に大きな惑星、土星。木星と同じく巨大ガス惑星であり、大きなリングが特徴の惑星ですね。このリングを発見したのはかの有名なガリレオ・ガリレイです。はじめてリングを見たガリレオはリングを土星の耳と表現しました。

衛星が多く、2019年の時点で確認されている衛星の数は82個もあります。

直径:120,536km

質量:5.69×1026

公転にかかる時間:約30年

自転にかかる時間:約10時間

太陽からの距離:約14億2,940万km

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自転軸が寝ている?天王星

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1986年にボイジャー2号によって初めて詳しい観測が行われた天王星。肉眼で見ることができず、発見されたのは1781年のことです。氷からできた惑星で、大気の8割以上が水素で構成されています。自転軸が傾き、横倒しで回転しているのが特徴です。

直径:51,118km

質量:8.69×1025

公転にかかる時間:約84年

自転にかかる時間:約17時間

太陽からの距離:28億7,500万㎞

最果ての惑星、海王星

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太陽系の最も端っこにある惑星が海王星です。表面温度は条件によっては-230℃ほどしかありません。1846年に発見されました。

海王星の内部は氷や岩石でできています。分類としては天王星型惑星となるのです。大気は水素を主成分にヘリウムとわずかにメタンが含まています。

直径:約49,244km

質量:1.02×1026

公転にかかる時間:約165年

自転にかかる時間:約16時間

太陽からの距離:45億440万km

番外編!元惑星、冥王星

先ほど準惑星として紹介した冥王星はもともと惑星に分類されていました。冥王星は太陽系の9番目の惑星の存在が予想され、その惑星を探しているときに発見された天体です。そのため惑星として扱われていたものの、その軌道や挙動から惑星とすべきか議論されていました。

冥王星と同じくらいに大きな天体が見つかったことでこの議論がより活発となり、そして2006年に惑星の定義ができて冥王星は惑星ではなくなったのです。そして新たにできた準惑星に分類されました。

準惑星、冥王星についてはこちらの記事で確認してくださいね。

個性豊かな惑星たち

自転が速い、リングがある、自転軸が寝ているなど太陽系にある8つの惑星にはそれぞれ個性があります。その中でも生命がいる地球は最も特徴的な惑星と言えるでしょう。

これから宇宙の探索が進めば他にも生命のいる天体が見つかったり、過去に生命がいた確実な証拠が見つかるかもしれません。今後の調査に期待ですね、

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地学宇宙理科

3分で簡単!太陽系の惑星を科学館職員が全部紹介

広い宇宙にはたくさんの天体がある。俺たちのいる地球も天体の一種で、太陽系にある惑星のひとつです。

惑星とは恒星の周りを公転している天体です。ただし、恒星の周りを公転している天体がすべて惑星なわけではない。惑星であるには他にも条件がある。

今回は太陽系にある8個の惑星について紹介する。解説は科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

不思議な現象を解明する科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校、大学と化学漬けの日々を送っていた科学館職員。

惑星とは?

惑星とは?

image by Study-Z編集部

そもそも惑星とはなんでしょうか?惑星とは恒星を回る天体のうち、

・十分な質量があってほぼ球状となっている

・軌道上に衛星以外の天体がない

天体のことです。

恒星の周りを回っている天体はたくさんあります。例えば小惑星も恒星の周りを回る天体です。しかし質量が軽いと球状になることができず、いびつな形をしています。一方、冥王星も十分に質量があり球状をしている天体です。しかし他の惑星と挙動が異なり、冥王星は準惑星に分類されています。

惑星についてはこちらの記事を読んでくださいね。

太陽系の全惑星のデータ、大公開

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それでは太陽に近い水星から順番に紹介していきます。

自転にかかる時間No1の小さな惑星、水星

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太陽に最も近い水星。太陽からの平均距離は、太陽系で最も小さく公転の速い惑星です。直径は地球の40%以下で、公転は3か月もかからずに太陽の周りを一周することができます。

水星は太陽が当たると430℃近い高温になる一方、最低温度はー180℃と温度差が大きい惑星です。水星には決して日が当たらない部分もあり、これを永久影領域と言います。水星の探索は1973年に打ち上げられたマリナー10号、2004年に打ち上げらえたメッセンジャーによって行われました。

水星の大気は水素原子やヘリウム、酸素原子、そして地殻由来のナトリウムやカリウムが含まれています。

直径:4,879km

質量:3.30×1023

公転にかかる時間:約88日

自転にかかる時間:約58日

太陽からの距離:約5,790万km

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