物理学

引っ張った物は細くなる?「ポアソン比」を理系ライターが解説

長さ方向の変化

引張ったことで、長さは1+ε倍。

断面積の変化

ポアソン比で表すと、太さ方向は高さ、奥行きとお1-νε倍になっていますね。すると、断面積はこれらの掛け算で(1-νε)^2倍になります。

引張り後の体積計算

長さが1+ε倍で、断面積が(1-νε)^2倍なので、体積は(1+ε)(1-νε)^2。式の形からして、νを大きくすれば引っ張り後の体積は小さくなることが分かりますね。

体積が変わらない場合

体積が変わらない場合

image by Study-Z編集部

引っぱり後、形状は変わるけれど体積が変わらない物体もあります。体積が変わらない場合、(1+ε)(1-νε)^2=1となり、これを満たすνがポアソン比の最大値。引っぱって体積が減るということはあり得ないため、νはこれより大きくなりません。さて、上式を解いていきましょう。上述の通りεはすごく小さな値であり、それが掛かった項は≒0とみなせます。途中式はイラスト内を参照ください。このとき体積が一定に保たれるということになり、νの最大値は0.5となり、ポアソン比がこれより小さい0.2とか0.3だと引っ張ることで体積が増加することを意味します。ここでは引っ張って体積が減ることはないという仮定に基づいていますが、本当にそうなのかと気になる方はひずみエネルギーベースで考える導出方法を参照ください。

体積一定でεが大きい場合は?

体積一定でεが大きい場合は?

image by Study-Z編集部

上式でεが小さいのでそれが掛かった項は無視して計算しています。ではεが大きく無視できない場合はどうしましょうか?ε=1(元の長さの2倍に伸びる場合)を仮定しましょう。上式を解いていくとν=0.29であり0.5より小さくなりますね。ν=0.5は伸びが非常に小さい場合の近似値で、伸びが大きくなると小さくなる方向に行きます。

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