今回学ぶのは「外惑星」についてです。

みんなは惑星がどんな天体か、そして外惑星の外とは何に対して外なのかわかっているか?外惑星とは地球よりも太陽から遠い太陽系の惑星のこと。具体的に名前を挙げると火星、木星、土星、天王星、海王星のことです。惑星はとても個性的で、特に外惑星は地球とはタイプの違う惑星が多い。

そこで外惑星の特徴について科学館職員のたかはしふみかが解説していきます。

ライター/たかはし ふみか

不思議な現象を解き明かす科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校、大学で化学漬けの日々を送っていた科学館職員。

おさらい!太陽系の惑星

外惑星を学ぶ前に、天体の種類や太陽系にある惑星についておさらいしていきましょう。

天体には恒星、惑星、衛星、小惑星、準惑星などの種類があります。恒星とは自分自身が輝く星で恒星の周りをまわるのが惑星、惑星の周りをまわるのが衛星です。地球を中心に考えると太陽(恒星)、地球(惑星)、月(衛星)になります。

天体の分類についてはこちらの記事で確認してください。

image by PIXTA / 44486795

約46億年前に誕生した太陽系。太陽系には地球を入れて8つの惑星があります。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。

冥王星という星を知っている人は冥王星も惑星でしょ?と思うかもしれません。実際に冥王星は1930年に発見されてから2006年まで惑星に分類されていたのです。冥王星発見時はまだ惑星の明確な定義がなく、惑星とされながらもその特徴から惑星とするかどうか議論されていました。その後、冥王星自身とほとんど同じ大きさの衛星を持つことが分かり、その衛星を惑星にするかという議論がされたことをきっかけに惑星が明確に定義され、冥王星が惑星から準惑星に変更されたのです。

今回学ぶ外惑星の外とは「地球より外側を回っている」ことを意味しています。逆に地球より内側、太陽寄りの場所に位置する惑星を内惑星というのです。ということは地球は内惑星にも外惑星にもならないのですね。

混乱注意!外惑星系、内惑星系

内惑星、外惑星は地球よりも太陽に近いか遠いかで決められています。

この内惑星、外惑星と似ているのが内惑星系外惑星系です。こちらは比較的太陽の近くを公転している惑星と遠くを公転している惑星で分けられています。この場合水星、金星、地球、火星が内惑星に、木星、土星、天王星、海王星が外惑星となるのです。

地球と火星は内惑星として扱われるので注意してください。

地球はどんな惑星?

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外惑星について説明する前に最も身近な惑星、地球の特徴を確認していきましょう。

地球は太陽系の第3惑星で、唯一明確に生命体の存在が確認されている惑星です。内惑星、外惑星は地球を基準としているため、内惑星にも外惑星にもなりません

\次のページで「外惑星」を解説!/

直径:12,756km

質量:5.97×1024

自転にかかる時間:24時間

公転にかかる時間:365日

自転軸(地軸)の傾き:23.4°

太陽からの距離:約1億4960万㎞

外惑星

外惑星

image by Study-Z編集部

それでは外惑星に分類されている惑星を確認していきましょう。

生命体はいたのか?火星

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1973年に初めてマルス3号(ソビエト連邦の無人探査機)が着陸して以来、探査機が送り込まれている火星。最も生命体がいる可能性がある惑星と言われています。火星には氷があり、生命に必須な水の存在が確認されているからです。また、現在いないとしても過去に生命体がいた可能性があると考えられています。

火星には薄い大気があり、そのほとんどが二酸化炭素です。気温は平均がー63℃くらいで最低がー140℃、最高で20℃程度。自転速度は地球と同じくらいで1日の長さが地球と同じくらいの一方、公転には倍近い687日もかかります。もし火星で暮らしたら、1日の長さは変わらず、1年が2倍近くになるのですね。

太陽は少しずつ膨張しています。もしかしたらこれから数十億年後に火星は氷が融けて水のある星になっているかもしれません。ただし、その場合太陽に近い地球は金星のような灼熱の星となっているでしょう。

火星の地表は酸化鉄が含まれているため赤い色をしています。そのため火星は赤い惑星とも呼ばれているのです。また火星はふたつの衛星を持っています。1877年に発見されたフォボスダイモスです。

\次のページで「太陽系最大の惑星、木星」を解説!/

太陽系最大の惑星、木星

太陽系で最大の木星の直径は142,984㎞、地球の11倍以上あります。しかしそれでも太陽(直径1,392,000㎞)と比べるとの10分の1程度の大きさしかありません。

木星は水素とヘリウムを主成分としています。木星のように核の周りを液体又は気体の水素やヘリウムが包み込むような構造の惑星を木星型惑星(巨大ガス惑星)といい、木星、土星が該当しているのです。ちなみに水星、金星、地球、火星は地球型惑星、天王星と海王星は天王星型惑星と呼びます。

木星は太陽になれた可能性がある、といわれてる惑星です。しかし質量が軽すぎるため恒星となることはできませんでした。しかしながら衛星を79個も持ち(2018年時点)、ミニ太陽系といわれています。

美しさNO1!土星

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火星以外の外惑星はリングを持っています。その中でも特にリングが特徴的なのが土星です。土星のリングは裸眼で見ることができず、1610年にガリレオ・ガリレイによる望遠鏡での観測によってはじめて確認されました。2019年までに82個の衛星が確認されています。

土星の大きさは直径120,536㎞で地球の約10倍。そのまわりにあるリングの厚みには差があり、10m~1㎞ほどです。リングを作る粒子はほとんど純粋な水でできた氷でその大きさは1mm以下のものから10m程度のものまであります。

横倒しに回る天王星

1781年にイギリスの天文学者が発見した天王星。1986年にボイジャー2号によって初めて詳しい観測行われました。薄い水色をしていて27個(2013年時点)もの衛星を持っています。

天王星は水素が主成分で、ヘリウムやメタンも含まれている惑星です。直径で比較すると地球の4倍くらいの大きさ。大気は水素が80%以上を占め、ヘリウムが15%、メタンが2%程度含まれています。

地球の自転軸は23.4°ほど傾いているのでしたね。一方、天王星の自転軸は98°も傾いているのです。これは地球くらいの大きさの天体が2回ぶつかったためにずれてしまったためという説もあります。自転軸が傾いていることと公転の周期が84年であることから、地球でいうところの北極、南極に当たる場所では42年間の昼と夜が続くのです。

海王星の1年は地球の165年!

太陽系で最も外側にある惑星、海王星。直径が地球の4倍ほどの大きさの惑星です。大気の主成分は80%を水素が占め、ヘリウムが19%程度。そしてわずかにメタンが含まれています。

海王星は太陽系で最も公転にかかる時間が長い惑星です。なんと太陽の周りを1周するのに165年もかかります。2番目に長い天王星が84年なのでその倍近い時間がかかっているのですね。

2013年の時点で衛星は14個あり、トリトンという衛星は海王星の自転と逆方向に公転します。これを逆行衛星と呼ぶのです。

地球の外側を回る外惑星

外惑星とは地球よりも太陽から離れた惑星のこと。火星、木星、土星、天王星、海王星が該当します。逆に水星と金星は内惑星というのです。

火星以外の外惑星は地球と大きく環境が違い、ちょっとイメージしづらいですね。火星は生命がいる可能性が最も高いと言われています。現在いないとしても、過去にいたかもしれません。これから過去に生物がいたという確実な証拠が出てくるかもしれませんね。

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地学宇宙理科

「外惑星」って何?科学館職員が5分でわかりやすく解説!

今回学ぶのは「外惑星」についてです。

みんなは惑星がどんな天体か、そして外惑星の外とは何に対して外なのかわかっているか?外惑星とは地球よりも太陽から遠い太陽系の惑星のこと。具体的に名前を挙げると火星、木星、土星、天王星、海王星のことです。惑星はとても個性的で、特に外惑星は地球とはタイプの違う惑星が多い。

そこで外惑星の特徴について科学館職員のたかはしふみかが解説していきます。

ライター/たかはし ふみか

不思議な現象を解き明かす科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校、大学で化学漬けの日々を送っていた科学館職員。

おさらい!太陽系の惑星

外惑星を学ぶ前に、天体の種類や太陽系にある惑星についておさらいしていきましょう。

天体には恒星、惑星、衛星、小惑星、準惑星などの種類があります。恒星とは自分自身が輝く星で恒星の周りをまわるのが惑星、惑星の周りをまわるのが衛星です。地球を中心に考えると太陽(恒星)、地球(惑星)、月(衛星)になります。

天体の分類についてはこちらの記事で確認してください。

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約46億年前に誕生した太陽系。太陽系には地球を入れて8つの惑星があります。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。

冥王星という星を知っている人は冥王星も惑星でしょ?と思うかもしれません。実際に冥王星は1930年に発見されてから2006年まで惑星に分類されていたのです。冥王星発見時はまだ惑星の明確な定義がなく、惑星とされながらもその特徴から惑星とするかどうか議論されていました。その後、冥王星自身とほとんど同じ大きさの衛星を持つことが分かり、その衛星を惑星にするかという議論がされたことをきっかけに惑星が明確に定義され、冥王星が惑星から準惑星に変更されたのです。

今回学ぶ外惑星の外とは「地球より外側を回っている」ことを意味しています。逆に地球より内側、太陽寄りの場所に位置する惑星を内惑星というのです。ということは地球は内惑星にも外惑星にもならないのですね。

混乱注意!外惑星系、内惑星系

内惑星、外惑星は地球よりも太陽に近いか遠いかで決められています。

この内惑星、外惑星と似ているのが内惑星系外惑星系です。こちらは比較的太陽の近くを公転している惑星と遠くを公転している惑星で分けられています。この場合水星、金星、地球、火星が内惑星に、木星、土星、天王星、海王星が外惑星となるのです。

地球と火星は内惑星として扱われるので注意してください。

地球はどんな惑星?

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外惑星について説明する前に最も身近な惑星、地球の特徴を確認していきましょう。

地球は太陽系の第3惑星で、唯一明確に生命体の存在が確認されている惑星です。内惑星、外惑星は地球を基準としているため、内惑星にも外惑星にもなりません

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