「用和為貴」
もう一つの類義語には、「用和為貴(ようわいき)」があります。仲良くすることが最も大切であるということという意味です。「和を用て貴しと為す(わをもってとおとしとなす)」と訓読し、聖徳太子の十七条の憲法の第一条に書かれている文でもあります。
『論語』学而の十二章に記述があり、そこには「(礼儀作法や社会規範としての)礼を実現するには用和為貴(調和)が大切だ。和を知って和するのはいいが、節度なく和に頼りもたれ合うようでは和とは言えない」という意味のことが書かれていますよ。和もほどほどにということですね。
「四海兄弟」の対義語は?
次に、「四海兄弟」の対義語についての説明です。世界がまとまるという意味の「四海兄弟」ですから、対義語はバラバラになったり対立したりというもの、詳しく見ていきましょう。
「群雄割拠」
「四海兄弟」の対義語には、「群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)」があります。意味のほうは、多くの同じような実力や勢力を持つ者同士が対立して争っていることです。「群雄」はたくさんの英雄や実力のある者のこと、「割拠」は土地を分かち合いそれぞれが本拠地を持ち勢力を振るうことを表しています。
中国や日本の戦国時代のことを言う場合が多く、もともとは、その土地ごとに大名などの実力者が本拠地で独自に自治して周囲と対立し争うことを表す表現です。
「四分五裂」
もう一つの対義語には、「四分五裂(しぶんごれつ)」があります。まとまりのあったものがいくつかに分かれてバラバラになることという意味です。「四分」は四つに分かれること、「五裂」五つに裂けることで、どちらもバラバラになることを表しています。
物理的に何らかの物体が裂けることよりも、人間関係においてグループなどが秩序や調和を失ったりして、乱れてしまうという意味で使うことが多くなっていますよ。
「universal brotherhood」
「四海兄弟」の英訳には、「universal brotherhood」があります。直訳すると「全世界が兄弟の間柄」ということで、「人類みな兄弟」という意味を表しますよ。
ほかには、「people in the whole world being all brothers」があります。こちらも同じような意味で、「全て兄弟をなっている世界中の人々」というのが直訳です。
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