端的に言えば四海兄弟の意味は「相手を尊重し真心を持って接することで世界は仲良くできるということ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「四海兄弟」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「四海兄弟」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「四海兄弟」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「しかいけいてい」で「しかいきょうだい」と読むこともあります。特徴のある漢字が並びますが、語源も詳しくチェックしていきますよ。
「四海兄弟」の意味は?
「四海兄弟」には、次のような意味があります。もとの意味合いと現在使われている意味合いと両方を見ていきましょう。
1.世界中の人々が、相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなるということ。また、そうでなければいけないということ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「四海兄弟」
「四海」は四方の海のことで世界中のという意味で、ここでは「人種、国籍、民族などを問わず世界中のあらゆる人々が」というニュアンスで使われています。「兄弟」のほうは、兄弟のように仲良くするという意味合いです。
また、漢字を見る限り「相手を尊重し、真心を持って接すれば」にあたる部分は見当たりません。これについては、由来において「四海兄弟」にあたる部分の直前に言及した表現であり、四字熟語自体には漢字としては含まれていませんが意味には含まれたということになります。
「四海兄弟」の語源は?
次に「四海兄弟」の語源を確認しておきましょう。「四海兄弟」は『論語』の顔淵(がんえん)十二章に由来します。
孔子の弟子の司馬牛(しばぎゅう)についての話です。司馬牛は無法者の兄を嘆き、兄弟はいないも同然だと落ち込みます。しかし、子夏によって、教養人たる者は礼儀正しく相手を思う気持ちがあれば「四海の内、皆兄弟為り(世の中の人はみんな兄弟のようなものだ)」と慰められるのですね。もともとは、兄を嘆く司馬牛を慰め励ます言葉でした。
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