ノーベル賞受賞者「江崎玲於奈」の功績って何?科学館職員がわかりやすく解説!
江崎博士のノーベル賞
江崎博士はどんな研究でノーベル物理学賞を受賞したのでしょうか?江崎博士のノーベル物理学賞受賞理由は「半導体内および超伝導体内の各々におけるトンネル効果の実験的発見」です。トンネル効果はもともと量子力学で知られる現象でした。それを固体で初めて実証したのが江崎博士です。そしてトンネルダイオード(エサキダイオード)が開発されました。
江崎博士の研究を理解するためのポイント
半導体とはある条件の下で電流を流すことができる物質で、半導体を用いた電子部品を半導体デバイスといいます。江崎博士が興味を持ったトランジスタは小さい電気信号を大きくしたり電気の信号を増幅、オンオフする機能(スイッチング)を持つ半導体デバイスです。そしてダイオードは電流を一方方向にのみ流す(整流作用)役割を持っています。
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江崎博士の研究
image by Study-Z編集部
江崎博士はPN接合型ダイオードに関する研究を行っていました。PN接合型ダイオードはプラスの電気を持つP層は(高純度のゲルマニウム+高純度のガリウム少々)と電子を持つN層(高純度のゲルマニウム+高純度のリン少々)でできています。この接合部はゲルマニウムに混ぜる不純物を増やすと薄くなり、江崎博士は接合部を薄くする実験を行っていました。そして10nm(ナノメートル)まで薄くしたときにトンネル効果を確認したのです。
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トンネル効果とは電子や素粒子にみられる現象で、例えばボールを壁に当てたら跳ね返りますね。それが電子や素粒子の世界では壁をすり抜けるという現象が起き、これがトンネル効果です。そして徐々に電圧を強くしたときにある電圧以上でトンネル効果が起きづらくなり、移動する電子は減っていきます。こうして流れる電流量が減るのが負性抵抗の影響です。
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今までの行き掛かりにとらわれてはいけない。 呪縛やしがらみに捉われると、洞察力は鈍り、創造力は発揮できない。
大先生を尊敬するのはよいが、のめり込んではいけない。
情報の大波の中で、自分に無用なものまでも抱え込んではいけない。
自分の主義を貫くため、戦う事を避けてはいけない。
いつまでも初々しい感性と飽くなき好奇心を失ってはいけない。
江崎玲於奈博士の功績
受験で挫折を味わうもそこであきらめず、飛び級まで果たした江崎玲於奈博士。戦時中で思うように研究をできない時代もあったものの、その名に込められた願い通り世界中に名前が知られる研究者となりました。
江崎博士はトンネル効果による負性抵抗を確認しエサキダイオードを開発、ノーベル物理学賞を受賞しました。また自身が研究するだけでなく、研究機関のトップとして後進の育成にも尽力されています。