この記事では「拡大解釈」について解説する。

端的に言えば拡大解釈の意味は「自分の都合の良いように意味を広げて解釈すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「拡大解釈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナガタ ナミキ

外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。

「拡大解釈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「拡大解釈(かくだいかいしゃく)」の意味や語源・使い方を確認していきましょう。

「拡大解釈」の意味は?

「拡大解釈」には、次のような意味があります。

[名](スル)言葉や文章の意味を、自分に都合のいいように広げて解釈すること。「契約書を勝手に拡大解釈する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「拡大解釈」

「拡大解釈」とは、自分の都合の良いように言葉の意味を広げて解釈することを表す四字熟語です。

言葉や文章・文脈、また物事や人の言動に対しても使われ、それらの意味を拡大して自分の都合の良いように受け取ることをいいます。本来の事実や主旨を飛び越えた自分勝手な理解であるともいえるでしょう。

「拡大解釈」の語源は?

次に「拡大解釈」の語源についてです。はじめに熟語ごとに分解してその意味をご紹介します。「拡大」・「解釈」はともに日常的に使う・見聞きすることが多い熟語ですが、改めて意味を確認することで理解が深まりますよ。

\次のページで「「拡大解釈」の使い方・例文」を解説!/

拡大
・広げて大きくすること、大きくなること
形状や規模などが全体的に広がって大きくなること

解釈
・言葉の意味や文章の内容を噛み砕いて明確にすること
・物事や人の行動などを自分の視点で理解すること

※ちなみに「拡大」の類義語として「拡張」が挙げられますが、「拡張」とは形状や規模などを「部分的に」広げて大きくすることです。

「拡大」は様々な物事に対して使うことができ、たとえば会社のプロジェクトや勢力といった目に見えないものから、写真や印刷物などの物理的なものまでが対象となります。

「解釈」とは簡単にいえば「内容を理解すること」ですが、ポイントは自分の視点を通っていることです。たとえばクラス全員が同じ映画を観ても、人によって感想や「解釈」は異なるはずですよね。このように同じ物事であっても、個人によってその受け止め方や感じ方が違うように、「解釈」も人の数だけ存在するものであると覚えておきましょう。

これらの熟語が結びついた「拡大解釈」は、「言葉や物事の意味を自分の好きなように広げて理解する」という意味をもつようになったのです。

「拡大解釈」の使い方・例文

「拡大解釈」の使い方を例文を使って確認していきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.その経営者は重要な社内規則や契約文書を勝手に拡大解釈し、多くの従業員から批判を受けた。

2.事実を拡大解釈して人々の目を引こうとするようなメディアに存在価値はない。

3.彼女は日頃から口下手で、何事も拡大解釈するタイプの人物だ。本人には自覚がないようで、周りの同僚たちはいつも心配している。

4.インターネットで誰でも閲覧できるドキュメンタリー番組が人気だが、時たま専門家から内容が大げさで拡大解釈の傾向にあると指摘されている。

「拡大解釈」は例文のように、基本的にはネガティブなイメージを与える言葉として使われます。なぜなら「自分に都合よく」意味を広げて解釈するからです。用いる際にはニュアンスに注意しましょう。

\次のページで「「拡大解釈」の類義語は?違いは?」を解説!/

「拡大解釈」の類義語は?違いは?

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それではここで「拡大解釈」の類義語を確認しましょう。

「断章取義」

「断章取義(だんしょうしゅぎ)」は、書物などを引用する際に自分の役に立つ部分だけを取り出すこと・都合良く解釈することをいいます。

たとえばレポートなどの文章を作成する際に、論文や書物、詩といった文章を引用することがありますよね。その場合に正しい客観的な意見として引用するのではなく、自分の伝えたいことや都合にだけフィットするように意図的に抜き出すことが「断章取義」です。引用元の作者の本来の意図や、前後の文脈との関係・関連性を無視し、自分の都合を優先することをいいます。

ちなみに「断章取義」の「章」は文章のことです。詩や文学作品においてのまとまりが「章」であり、「断章」とは文章の一部を取り出すことをいいます。「取義」は文字通り意味を取ることです。

「曲解」

「曲解(きょっかい)」とは相手の言動や物事の意味を素直に捉えず、無理に捻じ曲げた解釈をとることです。

「我田引水」

「我田引水(がでんいんすい)」は物事を自分に好都合となるように言うこと・理屈をつけることをいいます。

他人の田にも行き渡るはずの水を、自己の利益を優先して真っ先に自らの田に引いたことが由来です。現在では様々な物事に対する自分勝手な行動・理解を「我田引水」ということができます。

「拡大解釈」の英訳は?

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最後に「拡大解釈」の英語表現を確認しましょう。

「a broad interpretation」

a broad interpretation は直訳すると「幅広い解釈」を表します。

形容詞 broad は「拡大」と共通したニュアンスをもち、「幅広い状態」や「広範囲に渡る様子」を表現できますよ。interpretation は「解釈・説明」のことです。

ちなみに、 broad を stretched(伸縮性のある)に置き換えることもできます。日本語でも体をほぐす際にストレッチをするといいますが、この引き伸ばして広げるイメージをstretched で表すことが可能です。

\次のページで「「by extension」」を解説!/

「by extension」

by extension は「拡大解釈すると〜」という意味の英語表現です。

extension は「拡大すること」「範囲・限界」を表します。前置詞 by を加えることで、「拡大によって(拡大解釈によって)」「転じて」といったフレーズとなり、文章内で使うことができますよ。

ちなみに日本語で髪の付け毛をエクステと呼びますが、英語では hair extensions といいます。

「拡大解釈」を使いこなそう

この記事では「拡大解釈」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「拡大解釈」は自分に都合良く言葉や物事を広げて解釈することでしたね。たとえわざとではなくとも、早とちりで誤解したまま言葉を受け取ってしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。一度冷静になって客観的な視点で読み返したり、話し手や書き手の意図を汲み取ることは、無理な拡大のない解釈に近づく方法といえるでしょう。

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【四字熟語】「拡大解釈」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「拡大解釈」について解説する。

端的に言えば拡大解釈の意味は「自分の都合の良いように意味を広げて解釈すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「拡大解釈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナガタ ナミキ

外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。

「拡大解釈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「拡大解釈(かくだいかいしゃく)」の意味や語源・使い方を確認していきましょう。

「拡大解釈」の意味は?

「拡大解釈」には、次のような意味があります。

[名](スル)言葉や文章の意味を、自分に都合のいいように広げて解釈すること。「契約書を勝手に拡大解釈する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「拡大解釈」

「拡大解釈」とは、自分の都合の良いように言葉の意味を広げて解釈することを表す四字熟語です。

言葉や文章・文脈、また物事や人の言動に対しても使われ、それらの意味を拡大して自分の都合の良いように受け取ることをいいます。本来の事実や主旨を飛び越えた自分勝手な理解であるともいえるでしょう。

「拡大解釈」の語源は?

次に「拡大解釈」の語源についてです。はじめに熟語ごとに分解してその意味をご紹介します。「拡大」・「解釈」はともに日常的に使う・見聞きすることが多い熟語ですが、改めて意味を確認することで理解が深まりますよ。

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