この記事では「旭日昇天」について解説する。

端的に言えば旭日昇天の意味は「勢いがとても盛んであること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「旭日昇天」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナガタ ナミキ

外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。

「旭日昇天」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「旭日昇天(きょくじつしょうてん)」の意味や語源・使い方を確認していきましょう。

「旭日昇天」の意味は?

「旭日昇天」には、次のような意味があります。

勢いがきわめて盛んなたとえ。朝日が勢いよく天空に昇る意から。▽「旭日」は朝日。「昇天」は天に昇ること。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「旭日昇天」

「旭日昇天」とは勢いが非常に盛んであること、転じて順調に物事が進行することを表します。

キーワードは「勢い」ですが、たとえば誰にも負けないほど調子が良かったり、好調な成績を出し続けていたりと、常に良い状態が継続しているというニュアンスです。ちなみに「旭日」とは朝日のことを表します。エネルギーをもつ熱く眩しい太陽が天に昇っていく、そんなイメージを思い浮かべると良いでしょう。

「旭日昇天」の語源は?

次に「旭日昇天」の語源を確認しておきましょう。

「旭日」
朝日のこと

「昇天」
天に昇ること

「旭日昇天」を熟語ごとに分解すると、上記の意味をもつことが確認できました。「旭日」「昇天」いずれも漢字通りのシンプルな意味を表していますね。

暗闇の中に少しずつ現れ、まばゆい光を地上に与える朝日(旭日)には、まるで天に昇りつめてしまうほどの活力や勢い(昇天)があることから、四字熟語「旭日昇天」は生まれました。

「旭日昇天」の使い方・例文

「旭日昇天」の使い方を例文を通して確認していきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.職場の近くにグルメサイトのランキングで常に上位のラーメン屋がある。ネットの口コミをきっかけに有名となった、常に賑わう旭日昇天の人気店だ。

2.昨年不調だった選手が、今シーズンに入ってから毎試合ヒットを決めて絶好調だ。まさに旭日昇天の勢いでチームの信頼とファンの人気を取り戻している。

3.
A「この居酒屋は、産地直送野菜の盛り合わせや、一人でも予約せずに注文できるコース料理が名物なんだよ」
B「そうなんだ。初めて来たけど店内の雰囲気も良いね」
A「店長が言うには、旭日昇天の勢いで売り上げも伸びているんだって」

例文からも読み取れるように、「旭日昇天」は勢いのある好調な状態を表し、ポジティブな印象を与える言葉として用いられます。スポーツの試合やテストの成績、あるいは商売繁盛の店舗など、様々な対象に向けて使うことが可能ですよ。

また、例文2、3のように慣用句「旭日昇天の勢い」として使われることも一般的です。以下で意味を簡単に確認しておきましょう。

天にのぼる朝日のように勢いが盛んなこと。「選挙に大勝していまや旭日昇天だ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「旭日昇天の勢い」

「旭日昇天」の類義語は?違いは?

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それではここで「旭日昇天」の類義語を確認しましょう。

\次のページで「「破竹之勢」」を解説!/

「破竹之勢」

「破竹之勢(はちくのいきおい)」とは、まるで竹が割れるように勢いよく盛んな様子を表す四字熟語です。

「破竹」は竹が割れることをいいます。はじめの一節が裂けると、そこから一気に割れてしまうという竹の性質が由来です。猛烈な勢いを表し、たとえば試合など大事な場面で勝利を重ねるといった、非常に順調な様子を「破竹之勢」とたとえることできます。

「旭日東天」

「旭日東天(きょくじつとうてん)」は太陽が昇るように勢いをもつ様子を表す四字熟語です。


漢字からもわかるように、「旭日昇天」の同義語として使われます。ちなみに「東天」とは東の天、つまり明け方の空のことです。「旭日昇天」同様、朝日が語源になっている点も共通していますね。

「一気呵成」

「一気呵成(いっきかせい)」とは、一息に物事を成し遂げることを表す四字熟語です。

「旭日昇天」のもつ勢いや活力が共通しています。元々は文章を一気に書き上げることを「一気呵成」と表していましたが、現在では様々な物事に対して使われる表現です。漢字「呵」には、息を吹きかけるという意味があります。

「旭日昇天」の対義語は?

続いて「旭日昇天」の対義語を確認しましょう。

「意気阻喪」

「意気阻喪(いきそそう)」とは、気力がくじけて元気や勢いを失うことを表す四字熟語です。


物事に対しての熱意を失い、やる気や意気込みも衰えてしまった状態を表します。「意気」とは前向き・積極的な心持ちのことで、「阻喪」は気力を失って元気でなくなることを意味する熟語です。「旭日昇天」のもつ前向きな勢いは全く感じられません。

「竜頭蛇尾」

「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」とは、初めの勢いは良かったものが終わりで衰えてしまうことを表す四字熟語です。

頭は竜のように立派でも、最後の尾が蛇のように細く貧弱では、頼りなく一貫性もありません。初めはみんながやる気をもって盛り上がっていても、最後は疲れて中途半端になってしまうという残念な状態を「竜頭蛇尾」とたとえることができます。

「旭日昇天」の英訳は?

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最後に「旭日昇天」の英語表現を確認しましょう。

\次のページで「「full of vigor and vitality」」を解説!/

「full of vigor and vitality」

full of vigor and vitality とは直訳すると「活力や生命力に満ちていること」となります。

vigor は活力や勢いのこと、vitality は熱気や活気のことです。これらの要素が full(一杯である)であることは、勢いがあって活き活きとした「旭日昇天」と共通しています。

「rising」

rising は「上り調子の、向上する」という意味をもつ形容詞です。

太陽や月などが地平線上に昇ることは動詞 rise で表しますが、この仲間である形容詞 rising でシンプルに「旭日昇天」の意味合いを表現できます。

「旭日昇天」を使いこなそう

この記事では「旭日昇天」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「旭日昇天」とは
・勢いが非常に盛んであること
・物事が順調に進行すること
を表す四字熟語でしたね。

ポイントは「朝日が昇るような」勢いと活気をもっていることです。どんどん天に上がっていくような、記録を更新し続けていくようなイメージをもっておくと良いですね。

もちろんロボットではないので、ミスをする日もあれば後退したと感じる日もあるでしょう。休息を取りながら、自分のペースで上昇していくことも大切だと筆者は思います。とはいえ休み過ぎも禁物、理想は「旭日昇天」の勢いで目の前のやるべきことに取り組みたいものです。

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【四字熟語】「旭日昇天」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「旭日昇天」について解説する。

端的に言えば旭日昇天の意味は「勢いがとても盛んであること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「旭日昇天」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナガタ ナミキ

外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。

「旭日昇天」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「旭日昇天(きょくじつしょうてん)」の意味や語源・使い方を確認していきましょう。

「旭日昇天」の意味は?

「旭日昇天」には、次のような意味があります。

勢いがきわめて盛んなたとえ。朝日が勢いよく天空に昇る意から。▽「旭日」は朝日。「昇天」は天に昇ること。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「旭日昇天」

「旭日昇天」とは勢いが非常に盛んであること、転じて順調に物事が進行することを表します。

キーワードは「勢い」ですが、たとえば誰にも負けないほど調子が良かったり、好調な成績を出し続けていたりと、常に良い状態が継続しているというニュアンスです。ちなみに「旭日」とは朝日のことを表します。エネルギーをもつ熱く眩しい太陽が天に昇っていく、そんなイメージを思い浮かべると良いでしょう。

「旭日昇天」の語源は?

次に「旭日昇天」の語源を確認しておきましょう。

「旭日」
朝日のこと

「昇天」
天に昇ること

「旭日昇天」を熟語ごとに分解すると、上記の意味をもつことが確認できました。「旭日」「昇天」いずれも漢字通りのシンプルな意味を表していますね。

暗闇の中に少しずつ現れ、まばゆい光を地上に与える朝日(旭日)には、まるで天に昇りつめてしまうほどの活力や勢い(昇天)があることから、四字熟語「旭日昇天」は生まれました。

「旭日昇天」の使い方・例文

「旭日昇天」の使い方を例文を通して確認していきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.職場の近くにグルメサイトのランキングで常に上位のラーメン屋がある。ネットの口コミをきっかけに有名となった、常に賑わう旭日昇天の人気店だ。

2.昨年不調だった選手が、今シーズンに入ってから毎試合ヒットを決めて絶好調だ。まさに旭日昇天の勢いでチームの信頼とファンの人気を取り戻している。

3.
A「この居酒屋は、産地直送野菜の盛り合わせや、一人でも予約せずに注文できるコース料理が名物なんだよ」
B「そうなんだ。初めて来たけど店内の雰囲気も良いね」
A「店長が言うには、旭日昇天の勢いで売り上げも伸びているんだって」

例文からも読み取れるように、「旭日昇天」は勢いのある好調な状態を表し、ポジティブな印象を与える言葉として用いられます。スポーツの試合やテストの成績、あるいは商売繁盛の店舗など、様々な対象に向けて使うことが可能ですよ。

また、例文2、3のように慣用句「旭日昇天の勢い」として使われることも一般的です。以下で意味を簡単に確認しておきましょう。

天にのぼる朝日のように勢いが盛んなこと。「選挙に大勝していまや旭日昇天だ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「旭日昇天の勢い」

「旭日昇天」の類義語は?違いは?

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それではここで「旭日昇天」の類義語を確認しましょう。

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