
なぜくっつく?静電気力(クーロン力)を理系ライターがわかりやすく解説
4.静電気力(クーロン力)
電荷の偏りによって起きるクーロン力(静電気力)の大きさは何で決まるのか?

image by Study-Z編集部
静電気力に関係する要素。1つ目は対象となっている2つの電荷の掛け算。

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例えば、イラストのように+に帯電した物体Aを導電体Bに近づけたとしましょう。導電体Bの-電荷たちは物体Aの方に近づいていきたいのはやまやま。ところが、導電体Bの-電荷全てが物体Aの方に偏って存在することはできません。そもそも、導電体Bの-電荷同士が反発しあうためです。
+電荷ばかりor-電荷ばかりが偏って存在できるのは絶縁体の場合だけ。導電体だと、物体内で電荷移動が出来てしまうため、互いに反発しあう「同種の電荷」だけで集まるのは不可能です。
静電気力の方向
上述の式では静電気力の向きも反映されています。電荷q1, q2がどちらも+またはどちらも-なら、その掛け算q1q2は正の値を取りますね。つまり静電気力の符号が正なら斥力、負なら引力ということ。
電荷同士の距離
静電気力に影響する要素2つ目は電荷同士の距離。当然近づいているほど静電気力は大きく、遠いほど小さくなるもの。種々の実験結果から、静電気力の大きさはほぼ距離の2乗に反比例(ちょっとややこしい)することが分かっています。距離を2倍にしたら静電気力は4分の1になる計算です。
6.公式について
上述の公式は電荷に関するクーロンの法則でまとめられているもの。似たような形の式として万有引力の式がありますね。分母が距離の2乗で分子が各要素のパラメータ。万有引力なら質量で、静電気力なら電荷。
面白いのは、これらの式が実験に基づく結果であること。何かの定理から導出したわけではないのです。つまり、公式は丸暗記するしかないですね残念ながら。
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