端的に言えば大器小用の意味は「人材を使いこなせていないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「大器小用」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「大器小用」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「大器小用」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「たいきしょうよう」です。意味のほかに語源や使い方など幅広い方向からも見ていくと、理解がより深まっていきますよ。
「大器小用」の意味は?
「大器小用」には、次のような意味があります。もとの意味と転じたほうの意味も合わせて確認しておきましょう。
1.才能ある人物につまらない仕事をさせること。人材を使いこなせないことのたとえ。
出典:四字熟語辞典(学研)
「大器」とは大きな器ということから大きな器量の持ち主や大人物のことを表しており、「小用」はちょっとした用事という意味です。
転じた意味合いとしては、「人材を使いこなせていないこと」となっていますが、「才能や力量のある者につまらない仕事をさせること」や「能力のあるものに低い地位を与えること」などがもとの意味になっています。
「大器小用」の語源は?
次に「大器小用」の語源を確認しておきましょう。中国の後漢時代について書かれた『後漢書(ごかんじょ)』という歴史書に由来するとされています。
「大器小用」は『後漢書』のうち辺譲伝(へんじょうでん)という章に記述があったとされており、辺譲伝とは辺譲という有能な人物について書かれたものです。辺譲は能力を認められて何進(かしん)に取り立てられ郡の長官に任じられますが、それでも辺譲の能力は持て余すほどでした。その後、董卓(とうたく)から曹操(そうそう)の時代には乱世に身を故郷に移した辺譲は、曹操にでも苦言を呈するとそれをきっかけに曹操に殺されてしまいます。
この話には、やや時代背景にズレがあるとする見方もあるようですが、「大器小用」の意味の通り辺譲の能力の高さを十分に引き出せなかったということです。
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