最初の例文は、文字通り「目覚める」という意味の例文です。2番目の例文は、色彩という名詞を修飾する言葉として「目が覚めるような」を使っています。3番目の例文は、「心の迷いがなくなって正しい姿に立ち返る」「自覚して罪を悔い改める」という精神的な目覚めの意味で使っていますね。
「目が覚める」「目を覚ます」「目が醒める」の違い
「目が覚める」と「目を覚ます」「目が醒める」にはどのような違いがあるのでしょうか。
「目が覚める」と「目を覚ます」はどう違う?
「目が覚める」と「目を覚ます」は、意味あいは同じですが、「覚める」は自動詞、「覚ます」は他動詞という違いがあります。と言っても、自動詞と他動詞を見分けるのは、難しいですね。
見分け方のひとつは「~を」を必要とするかどうか、ということ。「覚める」は「~を」を必要としないので自動詞です。「覚ます」は、「目を」(目的語+助詞)が必要なので他動詞ですね。
もうひとつ別の見分け方は、受身の文章をつくれるかどうか、ということ。「目を覚ます」は「目を覚まさせる」と受身にできるので他動詞です。「覚める」は「覚められる」とはいいませんね。「覚める」は受身にできないので自動詞です。
「目が覚める」と「目が醒める」はどう違う?
「覚める」も「醒める」も「さめる」と読みますが、意味の違いはあるのでしょうか。「覚」は音読みでは「カク」です。「覚」には、(1)「おぼえる」(2)「さとる」「道理を知る」(3)「目をさます」という意味があります。「醒」は音読みでは「セイ」です。「酔い、眠り、夢、迷いからさめる」という意味がありますよ。
「さめる」を辞書で引くと【覚める/醒める】として、(1)「眠りからさめる」(2)「眠気や酒の酔いが消える」(3)「心の迷いが消える」とあります。しかし別の辞書では、(1)「眠った状態が終わる【覚/醒】」(2)「酒の酔いが消える【醒】」(3)「心の迷いが消える【覚/醒】」とありました。
「覚める」も「醒める」もほぼ同じ意味で使われているので、「目が覚める」も「目が醒める」も意味あいは同じです。酒の酔いがさめるときは「醒める」のほうが使われているようですね。
「覚醒(かくせい)」:目が覚める
「覚(カク)」も「醒(セイ)」も、訓読みは「さめる」です。どちらも「目がさめる」と「迷いからさめる」というふたつの意味があります。だから「覚醒」は「目が覚める」と同じ意味なのです。ちなみに覚醒剤は、心身の働きを一時的に活性化して眠気が去るようにする薬で、依存性が高いため法律で規制されています。
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