端的に言えば「岡目八目」の意味は「第三者の方がよく判断できること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「岡目八目」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/やぎしち
雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。
「岡目八目」の意味は?
「岡目八目」には、次のような意味があります。
《他人の囲碁をそばで見ていると、対局者よりも冷静に手が読める意から》第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。
[補説]「対局者よりも8手先まで見通せる」とする解釈が広く行われているが、目(もく)は手数を数える語ではなく、地(じ)(石で囲んで自分のものとした部分)を数える語であるところから、「観戦者は8目分、得をする手を思いつく」の意とする説もある。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「岡目八目」
少し複雑なので、それぞれの漢字の意味を見ていきます。
「岡目」とは「他人のしていることをそばで見ていること」を意味する言葉。
「八目」の「目」は、囲碁において「地(じ。石で囲んで自分のエリアとしたところ)」や、「石の数」を数える言葉です。
これらの言葉が組み合わさって、「他人の囲碁を横で見ているほうが、良い手が読めること」。転じて、「当事者でないほうが、物事の良し悪しが判断できること」の意味になりました。
「岡目」は「傍目」とも書き「傍目八目」とも書くこともできます。
「傍目」は二字熟語の場合は「はため」とも。「傍ら(かたわら)」という漢字のため、こちらのほうが意味を想像しやすいかもしれませんね。合わせて押さえておきましょう。
「岡目八目」の語源は?
次に「岡目八目」の語源を確認しておきましょう。
意味の説明の項で触れたように、これは囲碁で使われる言葉でした。
対戦している本人たちはどうしても目の前の状況に集中してしまい、良い手を見落としてしまうということは、いかにもありそうなシチュエーションですね。
引用でも補足されているように、「八手先が読める=全体が見える」という意味よりも、「八目分の手=有効なやり方に気づく」という限定的な意味が本来とする辞書もありました。
前者の意味に捉えられるのは、一般的に「第三者のほうがよく状況が見える」という意味が浸透したからかもしれません。
試験においてここまで細かく問われることはあまりないでしょうが、語源と合わせて押さえておきましょう。
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